【ボート部】全日本&インカレ直前インタビュー①男子舵手なしフォア
10月はボートが熱い! 8日からは全日本選手権大会、22日からは全日本大学選手権大会(インカレ)が開催される。コロナ禍で変則的な日程となった今季、待ちに待った大舞台に控えた選手たちに、大会への抱負を聞いた(クルーは全日本選手権に準拠)。
◇主将・橋本太一(コ4)&バウ・松藤照日子(コ4)◇
――自粛期間中を振り返ってどうでしたか。
橋本:チーム全体でいうと、あまり自粛期間コロナがあったからとか、くよくよすることなく、自主期間は仕方がないって割り切って、あまり振り返ることはしなかったですね。普段の練習に戻ってきた時に、実家で甘えたかなとかもっとできたことあるなって感じた子は何人かいると思うので。そういった点で振り返ったら、やっぱまだまだ自分ができたことがいっぱいあったんじゃないかって、むしろそこから活動再開してもう一回しっかりやろうという風になったと思います。なので、自粛期間になったから悪くなったというのはなかったと思います。個人的には、むしろ僕は自粛期間で体も絞って、ボート競技におけるパフォーマンスという部分で上げることが出来ました。
――その期間を活かせたということですか。
橋本:そうですね。自分が一番怠けたら、チームの顔である自分が怠けたら、やっぱよくない。柱である部分で崩してしまうと思ったので、そういう意識でやってたらむしろよりよくなったかなと思います。
松藤:個人としては俺もその期間を有効に使えたなっていう派です。ちょうど就活もあって、寮にいた時はなあなあとやっていて、実家に帰った時兄弟に全然ちゃんとやってなかったことをすごい指摘されて、また一から就活をスタートできたというか。本腰を入れられていなかった自分がいたなと。就活は人生に関わることなので、そこにも自分の熱量を割けられたのは良かったなと思います。体重を増やすという面でも4キロくらい増やすことに成功してちゃんと数字にも表れて。総じてみるなら、その期間を自分は有効活用できて、ちゃんと目に分かるような結果を残すことが出来ました。練習ができなかったマイナス面で、ネガティブに行くんじゃなくて、今できることはなんだろうっていうポジティブな方向に進めて、自粛期間を過ごすことが出来て僕は良かったと思います。
――引退まで残り僅かですが心境はどうですか。
橋本:あまり実感はわいてなくて、なんかこのままずっと続くのかなという感覚なのですけど、いざ多分来てみたらあと3,4週間くらい。今までそれの何倍も長い時間を生活してきたということを考えると、短いなって、早いなっていうのは感じています。
松藤:実感ないなとは思っていますし、でも最後の何とかっていうやることに最後のっていう枕詞が付き始めて来てるので。僕たち漕手が毎日ブログに日記を書くのですけどそれも最後を迎えたりして。あーもう引退しちゃうんだなっていう。引退の事実というのはだんだん身にしみて感じて来ているというか。でも特別あと3週間で引退だとかそういう意識はないので。インカレの日自分はどうなっているのかなっていうのは分からないです。
――主将として1年間を振り返ってみてどうでしたか。
橋本:元々めちゃくちゃやりたくなかったんですけど、最初「やれ」って言われたときは、違うやつがやった方がいいんじゃないですかねって監督に言ったけど、言われたからしゃーないやるしかない。けど、その時と今とじゃ主将としての引き出しが全然あの頃はなかったなと思ってて。一番人の上に立つ立場なので、やっぱチームマネジメントという所で、成長は一番できたかなと。ただ、正直チームマネジメントがうまくないので、それは正直割り切ってて、いいこと言えないし。だから、自分にできることはプレーって言うか練習だったり私生活の立ち振る舞いだったりは意識すればできることだから、そこで自分は意地を見せたかな。
松藤:背中で見せる主将。
橋本:いや別にそんなことない。ただあたりまえのことをやってたぐらい。だから、背中で見せるとかそんな意識はなくて、だれよりもやることをちゃんとやる。そういうことは一年振り返ってやろうと思ったし、出来たことかなと思います。
――スローガンの「One Way」は現れていますか。
橋本:それはチームに現れつつあります。コロナでNo way だったんだけど、大会があるってなってやっとそこでしっかりとやろうって意識がまとまってきつつあるので。ONEのOが出るか出ないかくらい。
――橋本さんはどんな主将でしたか。
松藤:僕の中では歴代で1番良かった。
橋本:思ってないですよ。
松藤:これはリアルに思っていて、常にチームのことを考えている。同期、後輩のことを考えている人で、熱いんですよ。それこそこの自粛期間の時にチーム全員にメニューを提示したり、その内容を自分がお手本となってこうやって、ここを意識とかって、5分くらいのやつを2本とか送ったりして。それとか、同期とか特に実家返った勢には電話とかしたりして、こうしてこうやみたいな話とか。本当に泥臭く詰め寄るそういった主将で、彼が主将だったからこそみんなここまでやれてる部分が少なからずある人はあるので。特に後輩とかは。本当にいい主将だなと思います。
――目標と自信をお願いします。
橋本:さっきも言ったんですけど「One Way」を完成させる。と言いたいところなんですけど、優勝が目標で、自信はあります。
松藤:目標は優勝で自信もあります。それだけやってきたという自負はあるので、最後は有終の美を飾りたいです。
◇副将・若濵健太(済4)&ストローク・山口恭平(観4)◇
――引退まで一か月を切りました。
若濵:あんまり実感がないというか、言われたら確かにあと一ヶ月なんやけど、今年はあんまり大会がなかったから、もう終わりなんやというか。あんまり終わりを実感することをやっていないんで、あんまり実感がないって感じですね。
山口:似た感じですね。いつも色々イベントがあって、部の温泉旅行だったり、新歓だったり、日立明だったり、そんな「これが最後の○○か」というのをやってこずに気が付いたら最後の月を迎えたらしいんで、全日本とインカレを迎えたら最後っていう実感がわいてくるのかなって感じです。
――クルーは同期ですがどうですか。
若濵:やっぱり同期なんで、先輩とか後輩と乗ってる時よりは気を遣わなくてもいいのかなっていうところが。そこは全員同期なんで。それとこの四人は新人戦とかでも一緒に出てたりしているんで、もちろんコミュニケーションとか取らなきゃいけないところはあるけど、でも「分かる」っていうか、まあもうこんな感じだよね、みたいな、言わずともわかるみたいな、通じ合っているところはあるように思うかな。どうかな。
山口:何その振り方(笑)。
若濵:ちょっとうまい言葉が出てこんかった。
山口:まあでも、やりやすいんじゃないかな。今までは先輩がいると気を遣うというか、自分たちが引っ込んじゃう部分がちょっとあったりするけど、同期だけだから気を遣わなくていいっていうところは大きいかな。
――自分が果たしたい役割を教えてください。
若濵:僕は2番でクルーのエンジンなんで、僕が後ろからしっかり支えてあげることで、僕がバテて疲れちゃうと僕の目の前に同じサイドの橋本とかいるんで、漕げなくなっちゃうので、疲れて。僕が推進力を与え続けることによって、前の二人が最後までいいリズムを作って漕ぎきれるように、僕は最後まで力強く漕いでいきたいなって。
山口:一番前で漕ぐんで、やっぱり力を与え続けていきたいなっていうのと、僕が落ちると後ろもそれにつられて落ちちゃうんで、全員がまずはしっかり高いレートを維持して、後ろも漕ぎやすいようにレートを変えずにいいリズムを作ってくっていうのが、今年の役割かなって感じです。
――最後の大会、どのような感じで終わりたいですか。
若濵:これはずっと考えてたことで、やっぱり勝つときって、あとは勝てなくても嬉しかったときって、終わった後にガッツポーズとかすると思うんですけど、大学入ってから水叩いてガッツポーズしたことないんで。これくらい(小さく)はあるけど、このくらい(でかく)はやったことないから、極端な話、優勝じゃなくても、自分がやりきって終われればいいかなって思うんですけど。でも結局、自分が満足をして心置きなく終われるのってやっぱり優勝しかないんで。そこは間違いなく、水面叩くぐらい大はしゃぎして終わりたいなって思います。
山口:人生でボートで順位つくのって1位から8位までなんですけど、2位から8位全部取って、1位ないから。高校の大会とか振り返ると、8から2は全部取って、1だけないなって。逆に1だけないってことは1を取んなきゃいけないってことなんで、もう去年一昨年と連続2位できてて、これは三度目の正直か、二度あることは三度あるか、どっちかだから。でもここ2人はがっつりボートは、たぶん社会人入ってからやってないと思うから、そういう意味でも有終の美を飾れるように。
若濵:まあ後悔したくないっていうのはすごいありふれた言葉になるけど、歴代の先輩も自分を有終の美で飾れてる人ってあんまりいないんですよ。去年の方が良かったみたいな。成績自体は凄い人は多いけど。だからなんか、あと一歩みたいな人は多いけど、それは嫌やねん。ずっとやってるけど、やってるからこそ、自分の中で一番いいところで。やっぱりでも同期はこの4人もそうだし、ダブルの2人もそうだし、櫻井も、けっこうまあ優勝できる可能性はみんな持ってると思うんで、しんどいこととかあったけど、最後はみんなで金メダル掛けて、かな。
山口:そうだね。でもなんだかんだ、1位取って終わった方が気持ちいいと思うから。1位で、いきます。
続編②はこちら!!
【ボ―ト部】全日本&インカレ直前インタビュー②男子ダブルスカル
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