【クローズアップ】対談企画~立教新時代を築く選手たち~サッカー部 嵯峨康太・フェンシング部 橋本祥英 ②~競技について~

今年で立教大学は150周年。この企画では節目の年をけん引するアスリートたちを対談させていく。第2弾は主軸になりつつある3年生2人に迫った。(このインタビューは2024年5月10日に行われたものです)

前回は橋本(済3)と嵯峨(営3)の学校生活について特集。本記事では2人の競技に対する向き合い方について取り上げる。

対談企画①はこちら

♦お互いのスポーツについて♦

―お互いのスポーツについてどんな印象持っていますか?  

嵯峨:フェンシングについてインタビュー前に少し調べてみました。そしたら、夏のオリンピックで唯一続いている競技ということを聞いて驚きました。なので、オリンピックでよく見る印象がありました。何をしたら勝ちなのかが分からないです。剣道と似ていますが、フェンシングの方が早いから、見ごたえはこっちの方があるという印象です。

橋本:事前に調べてきてくれてとても嬉しいです! サッカーですね。サッカーやっている友達が多いので、身近にはありますね。かっこいいですよね。普段とは違うその真面目、真剣な表情がかっこいいし。1回見に行った時、とても迫力がありましたね。  

嵯峨:嬉しいですね。こんな風に言われると。  

―自分の競技の魅力や難しさはありますか?  

橋本:フェンシングをもっと見てほしいなという思いが強いですね。1番はダイナミックなところですね。すごく早いですね。一瞬の隙に点数が入るので、ダイナミックや素早さはどの競技にも負けないと思います。 逆にとてもルールが難しくて、盛り上がりに欠けてしまいますね。サッカーは、ずっと歌って応援したりしている印象で。ただフェンシングは、絶対に静かにしないといけない瞬間もあって、ちょっと盛り上げに欠けることが、人気があまり出ないところだと思います。  

嵯峨:でもいいな。静かなの。神聖な感じがします。サッカーは、1時間半やって点入って、1点か2点とかしか入らないですよね。たくさん入る時ありますが。逆に0ー0の時もありますし。ピッチも広いので、全部が全部ゴール前のシーンではないので、自分が見る側だったらあまり面白くないと思います。 でも、11人対11人で、広いコートでやるからとても難しいです。個人競技とは違って、11人全員が同じ絵を描かないと得点取ったり、ゴール守ったりということができないです。ボールもそうだし、それに対する全員の関わりなどの戦術的な部分を知っていれば、すごく面白くなるかなと思います。また、ピッチ内は例えてしまえば戦場になので、1人1人の一対一の攻防は絶対負けないようにやっているので、それを見ればシンプルで迫力があって楽しいと思えるのではないかと考えます。  

―サッカーもフェンシングも点が入った時の盛り上がりがすごいですよね。  

橋本:すごくそれは思います!先日リーグ戦がありましたが、とても盛り上がって、無事2部で優勝できました。1点が入ったら個人に全体から歓声が沸くことが最高です。フェンシングは最後の最後まで勝敗がわからないですよね。45本勝負ですが31ー40からまくったこともあります!

プレー中の橋本(写真左)

―立教フェンシングは過去にリーグで1部昇格したことありますか?

橋本:直近ではないですね。もしできたら14年ぶりかな。(この約1週間後に橋本選手が出場した男子エペは14年ぶりの昇格を決めました)  

嵯峨:どう?行けそうなの?  

橋本:行けそう!

インタビュー後、男子エペが1部昇格を決めた様子

―サッカーは優勝したら自動昇格ですか?

嵯峨:サッカーは1位2位が行けて3位が入れ替え戦です。12チームくらいあって。  

橋本:サッカーはいつリーグ戦があるの?  

嵯峨:4月から始まって11月まで。1年間通して。ホームアンドアウェイがあるから。

♦競技との向き合い方について♦

―練習や試合で自身が大切にしていること  

嵯峨:リーグ戦があるとチームの連携深めたり、声かけあったりなどはできます。ですが、自分はプロを目指しているので、その日で1つでも成長して帰るという質を上げることや、昨日やったミスを今日やらないなど個人にもフォーカスしています。  

橋本:今は中々試合で結果が出ずに辛い時期なので、ちょっとずつ成長していることを信じてやり続けています。このままでいいのかと思うことはありますが、自分の中で成長していると信じています。ただ、できることを続けることは現状維持と同じなので、毎日何かしらのチャレンジをして、少しずつ成長していくことを意識しています。  

―辛い時期でストレスを抱えた時にそれを乗り越える方法  

橋本:ストレスは溜まらないです。好きでやっていることなので。その分、悔しくなったら練習をしています。練習はフェンシングが楽しいから苦ではないですね。トレーニングとかはきついですけど。ストレス発散はサウナ行ったり、ピアノを弾いたりしています。  

嵯峨:ほぼ一緒です。イライラはしますが、その日の練習とかで上手くいかなかったら納得がいくまでボールを蹴っていますし、サッカーで感じたイライラや悔しさはサッカーでしか返せないので、ストレス発散という意味ではサウナとかはもちろんありますが、根本的な解消という意味では最後までグラウンドに残ってボールを蹴っています。

プレー中の嵯峨

―二人とも競技愛が強いですね  

嵯峨:そりゃそうですよ!みんながオールだのドライブだのをしている間に僕たちは練習ですよ。好きじゃなきゃやっていけません。  

橋本:ですよね! 

―二人ともその競技を極めているイメージが強いですね。  

嵯峨:中途半端にはやりたくないですからね。  

―中々上手くいかないことが競技生活の中であると思います。そんな時にやっていることはありますか?  

嵯峨:1年生の頃に昇格を経験して、2年生の時にも多くの試合に出て勝つこともあって、良い思いをしてきましたが、今は1分3敗(5月10日当時)で上級生になって一番苦しい時期を過ごしています。モチベーションを維持するためにやっていることは、小中高で一緒にプレーしていたチームメイトが今Jリーグやアンダー世代の日本代表で活躍していて、このままではだめだと思いますし、そいつらと同じ舞台に立ちたいと考えています。悔しいですが、それをエネルギーにできてモチベーション維持につながっています。  

橋本:とても分かります。自分も辛い時仲間が頑張って結果残したりすると負けられないなと思うし、夢があるのでそれを再確認してそのために頑張ると問いかけています。また一人の力ではなく周りに支えられてここまで来られているのでそういった人たちのことも考えてその人たちのために頑張ろうと思いました。  

―嵯峨さんはチームメイトがプロになったと言っていたが、どんな人とプレーしていましたか  

嵯峨:中高同じチームだとジュビロ磐田の西久保選手とか横浜Fマリノスの山根陸選手とかは元々同じマリノスユースだったのでよく知っています。駅も二駅しか変わらなくて、よく会っていて今でも連絡取りますし、この2人から特に刺激もらっていますね。  

―山根選手はJリーグでよく出ていますよね

嵯峨:去年もJ1の2位で今年も出ています。(後日ACL決勝にも後半から途中出場、チームは惜しくも敗れた)  

―橋本選手はオリンピアンと連絡を取っていますか?  

橋本:そこまでの選手はまだいないですけど、同級生がフランスのパリオリンピックに出るだろうと言われているので負けていられないですね。今練習させてもらっている環境がとても良いので、オリンピアンも多いので高い士気を保てていると思います。  

―大舞台での心の持ち方

橋本:見つかってないですね。香港のワールドカップで予選負けしてしまって、勝たなきゃいけないという気持ちが先行して、自分のパフォーマンスができなかったです。上手くいっている時はあまり勝ち負けにこだわっていないです。スポーツをやる上で、勝敗はつくもので、勝ちにこだわりすぎると余計なことばかり考えてしまいます。考えなければならないことはその試合で何をやるかということだけなのに、練習の成果を出せるのかというようなプレッシャーを感じます。  

嵯峨:勝てばそれ相応のリターンがあるプレッシャーがかかる試合だと、自分のプレーができず、ミスが重なります。すると、良いシュートを打ってやろうとか良いパスを出そうなど一発逆転を狙った試合になります。いつも通りに淡々とこなすことが大事だし、自分の中でリズムが生まれます。1つ1つのプレーに気を使って、勝敗に囚われずに目の前のプレーに対して自分が成功させることを繰り返します。1発を狙いすぎず、虎視眈々と狙い、1つ1つのプレーに集中する。それしかないと思います。  

―かっこいいプレーよりも着実にプレーしたいか  

嵯峨:かっこいいプレーと言われても、ドリブルで何人抜こうとか観客の前でかっこいい足技を決めてやろうというわけではないですが、一発で状況を変えてやろうという気持ちでやると空回りするので淡々とプレーしています。

普段は淡々としたプレーを意識しているようだ

―橋本選手も淡々とプレーする派ですか?  

橋本:とてもフェンシングに共通していて、1点が欲しい展開で相手を見すぎてしまいます。距離とかが近くなって突けないなど、普段のプレーとは変わるのでいつも通りやるということが「淡々」という言葉に繋がってきます。本当にいつも通り。いつも以上でも以下でもなくていつも通りで自分のパフォーマンスをやることが大事だと思います。

(7月10日 取材・編集 山口隼輝)

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