【陸上競技部】立大の二本柱が逆襲の狼煙を上げる! 躍進の鍵は期待のWエース
◆第100回東京箱根間往復大学駅伝競走◆
1月2~3日 大手町~神奈川・箱根
大学創立150周年の節目に再び箱根駅伝出場を果たした立大。62年ぶりのシード権獲得に向けて、部員一丸となり挑む。
チームの要として躍進の鍵を握るのは、中山(コ4=九州学院・熊本)と関口(営4=國學院久我山・東京)の2人。共にエースとして必要不可欠な存在だ。10月の予選会では積極的な走りを見せ、本選出場に貢献した。昨年よりも大幅にタイムを縮め、主軸としてチームをけん引。沿道での走りに期待を膨らませた。
昨年の雪辱を果たすべく、再び江戸紫のタスキをつなぐ。最高学年として臨む箱根路。目標のシード権獲得となるか。彼らの勇姿から目が離せない。
悔しさを糧に
昨年、半世紀止まっていた時計の針を動かした立教健児。今大会でのシード権獲得を目指し、Wエースは逆襲に燃えている。
名門・九州学院高から立大に進学し、1年次から学連選抜として本選を駆けた中山。出走した4区では、序盤から他校の留学生に引き離される。走りのリズムも崩れ大きな実力差を痛感。「このレベルでは戦えない。」夢の舞台での経験をチームに還元し、意識改革に取り組んだ。練習では積極的なペースメイクで全体の底上げを図る。一度の経験で満足せず、先陣を切って仲間を率いていった。
公式戦出場を見送ったトラックシーズンは、体力の強化に力を入れた。徹底して走り込み、月間で積み重ねた距離は800㌔以上。さらに北海道遠征ではフルマラソンに挑戦し、ロードに強い足腰を作る。努力の成果が発揮されたのは10月に行われた予選会。エースとして序盤から攻めの走りを見せて、自己ベストを更新する。本選で目指すのは区間賞。目標達成に向けて、大きな第一歩を踏み出した。
中山はチームの大黒柱として、最長区間を走ることが有力視されている。言葉ではなく、常に背中で周りの部員をけん引し続けた。新春の箱根路では、メンバーの思いを乗せて江戸紫のタスキをさらなる高みへと導く。
苦難の先に
中山と双璧をなすエースとして期待される関口。1年次から箱根路に挑んだ同期とは対照的に、苦しい低迷期を過ごした。
入学時の自己ベストは同学年でトップを記録。チームの主軸として、周囲から将来を嘱望される。しかし故障の連続や、3区16位だった箱根でのデビュー戦を通して大学駅伝の厳しさを思い知った。「下を向く時間はない。」現状を打破するため今春には米国遠征を敢行。世界のトップ選手と強度の高い練習を積んだ。帰国後もモチベーションを維持し続け、6月の全日本予選では他校のエースと渡り合う結果を残す。
自分の限界を越えるため、夏合宿ではフォームの横ぶれを修正。中臀筋と腹横筋を積極的に補強した。軸を安定させることで、体力消費を抑えられるように。鍛錬を重ね、駅伝シーズンに備えた。
迎えた予選会。序盤から上位集団を相手に、好位置を死守する。残り1㌔地点からスパートを仕掛けた。温存した体力は終盤の粘りに繋がる。着実に順位を上げ、速度を落とさずにゴール。日本人4位の好成績を収め、チームに本選出場権をもたらした。
名実ともに、エースとなった関口。常に部を第一線で先導した中山。対極の4年間を過ごしたWエースが、セントポールの歴史を再び塗り替える。
(12月31日 記事・山口隼輝/編集・渡邉公実子)
※12月21日発行の特別号外に掲載された記事を再編集したものです。