【準硬式野球部】主将・吉野、準硬式野球人生最後の打席に密着

第2回全日本大学準硬式東西対抗日本一決定戦甲子園大会

11月14日 兵庫・阪神甲子園球場

11月14日、第2回全日本大学準硬式東西対抗日本一決定戦甲子園大会が阪神甲子園球場にて開催された。全国各地から有力選手が集い、東西チームに分かれて熱い火花を散らした。立大からは主将・吉野(コ4)が選出。六大学秋季リーグ戦を10月29日に終えた吉野にとって、今大会が自身最後の準硬式野球の試合となる。全国球児らの憧れの地・阪神甲子園球場にて、立大主将のラストゲームを彼の4年間の軌跡とともに振り返る。

大学準硬式野球人生最後の打席に立つ吉野            

7回から一塁手として出場を果たした吉野。打席に入ると、ゆっくりとバットを掲げピッチャーを見据える。7回裏、フルカウントから二塁手前に球を転がし、ベースへ向かって快足を飛ばした。全力なプレーが功を奏し、二塁手の悪送球間に出塁に成功。粘り強いプレーで爪痕を残す。試合は6-4で東日本選抜の勝利。普段は異なる地で戦う選手らが団結し、白星をつかみ取った。

2023年度の準硬式野球部主将を務めた                    

 

「本気で野球をしたかった」

吉野は埼玉・蕨高出身。決して強豪校とはいえず、目立った活躍ができないまま高校生活を終えた。「本気で野球をしたかった。自分が試合に出るなら準硬式野球部だなって」。目指したのはハイレベルな選手が揃う六大学。中でも、無名校出身から甲子園経験者まで、様々なバックグラウンドを持つ立大に魅力を感じ、セントポールの門を叩いた。
「試合に出るには人一倍の努力をしなくては」。入学後は、誰よりもバットを振り続け、ひたむきに練習を重ねてきた。必死の鍛錬を続け、遂に1年次秋季リーグ戦から縦縞のユニフォームに袖を通す。3年次からは一塁手としてスタメンに定着。3年次の春季リーグ戦では、3割8分5厘の打率をマークし首位打者に輝いた。さらに、同年の秋季リーグ戦ではベストナインにも選出され、着実に存在感を示す。

今大会にて守備を行う様子

 

「チームを勝たせられる選手になりたい」

最終学年を迎えた今年、立大の主将に就任した。チームを引っ張る役割を担い、責任を負う立場に。社会人チーム「ENEOS」を参考に徹底的なチーム改革を行い、今季のリーグ戦ではチームを六大学準優勝に導いた。「皆を勝たせられる選手となることを目指してきた」。自身も勝敗を分ける場面で幾度となく適時打を放ち、打撃面で貢献。今年度もベストナインに選出され、選手として有終の美を飾った。

「次なるステージへ」

準硬式は大学で終え、来年からは社会人で軟式野球を継続するという。「準硬式野球部に入って多くの出会いや試合に恵まれた。とても楽しい4年間だった」。4年前、準硬式野球の世界に飛び込んだ1人の少年は、飛躍的な成長を遂げ六大学準硬式を代表する選手へとなった。努力家でひたむきに野球に向き合う彼は、次なるステージでもきっと輝きを放つだろう。

(11月23日・平岡薫奈)

 

 

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