【野球部】さらば山田世代!2日連続の熱戦の行方は…〈秋季リーグ戦 明大2回戦〉
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◆2022年度東京六大学野球秋季リーグ戦◆
10月30日 対明大 明治神宮球場
位置 | 選手名・学年・出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 本塁打 |
[7] | 宮﨑(コ4=大阪桐蔭) | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 |
[4] | 西川晋(コ3=智辯和歌山) | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 |
[8] | 道原(法4=駒大苫小牧) | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 |
[3] | 山田(コ4=大阪桐蔭) | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 |
[9] | 安藤碧(社3=明石商業) | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
H | 齋藤大(コ2=東北) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
[6] | 柴田恭(コ2=東明館) | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
H | 森村(法4=國學院久我山) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
[2] | 戸丸(コ2=健大高崎) | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 宮(営4=國學院栃木) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
[5] | 佐藤(コ4=福岡大大濠) | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
[1] | 池田(コ3=智辯和歌山) | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2 | 黒岩(法4=静岡) | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
選手名・学年・出身校 | 投球回 | 球数 | 被安打 | 奪三振 | 与四死球 | 自責点 |
池田(コ3=智辯和歌山) | 7 0/3 | 113 | 7 | 3 | 3 | 4 |
宮(営4=國學院栃木) | 2 | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 |
晴天に恵まれながらも肌寒い風が吹いた明治神宮野球場。2022年最終カードである紫合戦は互いのプライドがぶつかり合い、寒さを吹き飛ばすほどの熱戦を繰り広げた。
1回戦を落とし、後がないRIKKIOナインの先発マウンドには、池田が上がる。150㌔に迫る直球、鋭い変化球を精度よく投げ込み、初回をわずか7球で切り抜ける。しかし、強力明大打線が襲いかかった。先頭打者に四球を与えた2回、続く打者にランエンドヒット、死球で満塁のピンチに。なんとしても抑えたい場面だったが、9番・久野(報徳学園=1年)に高めに浮いた直球を左前に運ばれ先制点を許した。その後は粘りの投球で要所を締め7回まで追加点を与えない。
相手先発は1年生の左腕・久野。序盤は140㌔中盤の直球、スライダー、右打者のアウトコースに沈むチェンジアップを使った緩急がある投球に苦しめられる。昨日は完封負けを喫したが、2日連続でやられるわけにはいかないと打撃陣も必死に食らいついた。
打者2巡目に入った4回裏、背番号10の一振りが流れを立大に引き戻す。2番・西川晋(コ3=智辯和歌山)が甘く真ん中に入った直球を左中間に弾き返し二塁打。3番・道原(法4=駒大苫小牧)もインコースのスライダーを右前に運び1死一、三塁のチャンスを作る。一塁スタンドを中心に響き渡る大きな拍手と共にバッターボックスに入ったのは4番・山田。この1年間でチームだけではなく、日本代表も率いた男の打席に多くの視線が集まる。ファール、見逃しと2球で2ストライクに追い込まれるが、慌てず冷静に構える。3球目の胸元をえぐるインコース146㌔の直球を見逃すと、4球目、5球目のボール球を落ち着いて見極めた。フルカウントからの6球目、113㌔の真ん中低めのカーブを上手く捉える。打球は右中間深くに飛び、三塁走者西川晋が悠々とホームを踏む大きな犠飛となり同点に追いついた。
タテジマ軍団の勢いは守備でも止まらない。6回裏には柴田恭(コ2=東明館)が中前に抜けそうな打球を好捕し遊ゴロに。宮﨑が左翼への打球に飛び込みファインプレーを見せた。好守が続き、ベンチやスタンドは再び盛り上がりを始める。熱気冷めやらぬ中、直後の攻撃でリードオフマン・宮﨑が四球で出塁する。すかさず盗塁し、無死二塁のチャンスで再び打者は西川晋へ。アウトコースの直球を捉えた打球は二塁手のグラブを弾き、しぶとく中前へ転がした。宮﨑が俊足を生かしてホーム生還。待望の勝ち越し点を奪い、西川は塁上で両手をあげガッツポーズ。ナインのムードは最高潮となった。
このまま逃げ切りたかった8回表。先制された後は好投を続けていた池田がつかまった。先頭の飯森(2年=佼成学園)に左前安打を放たれ、日本代表の好打者・宗山(2年=広陵)を迎える。2ボール、2ストライクからの6球目。真ん中低め138㌔を鋭く捉えた打球は、無情にも右翼スタンドに飛び込み逆転を許した。これが決勝点となり試合終了。2連敗を喫し勝ち点を奪うことはできなかった。
本試合で秋季リーグ4位となり全日程が終了。終了直後、選手の目には光るものがあった。最後まで全力で戦い続けたナインの挨拶には、神宮球場全体からこの日一番の万雷の拍手が降り注いだ。
主将・山田を中心とした4年生はこれで大学野球を終える。山田は今の思いを問われ「(今リーグでは)接戦のゲームをたくさん落としたというのがあって力負けした。自分たちは優勝できなかったのでなんとかそこを目指して頑張ってほしい」と後輩たちへのエールを込めて話した。
今年のチームスローガンは‘‘進化’’。3年生時の初登板から日本代表選出、ドラフト1位指名まで登り詰めたエース・荘司(社4=新潟明訓)を筆頭に、立教健児はこの1年間、進化した姿をファンに見せ続けた。優勝を逃した悔しさを胸に秘め、4年生は次のステージ、下級生は来春の神宮の杜で‘‘進化’’した姿を披露するに違いない。
(10月30日・大内貴教)
◆コメント◆
主将としてチームを支えた#10山田
「(今日の試合を振り返って)勝って明日に繋げたかったので悔しいです。(ベンチの「笑え」の紙は?)試合前のアップの時から良い顔してやろうって言ってやってました。(印象的だった試合)慶大に自分達は1回も勝てなかったので悔しいゲームとして印象に残っています。(大学4年間を振り返って)1年春から試合に出させてもらったのですが上手くいかなかったことの方が多かったです。その経験を活かしてこれから野球を続けていきたいなと思います。(ファンの方へのメッセージ)今日も昨日も沢山の人が神宮まで足を運んでくれているのを見て自分は嬉しかったです。その中で勝ちというところをお見せできなかったので、これからも立教大学の野球部を応援してほしいです。」