【野球部】絶対に負けられない一戦! 優勝に向けて勝利をつかみ取れ!〈秋季リーグ戦 東大戦展望〉
先週水曜日に行われた法大3回戦で勝利を収め、勝ち点1を獲得したタテジマ軍団。折り返しとなる3戦目で戦うのは今秋のダークホース・東大。慶大との1回戦では強力打線を封じ勝利するなど決して油断のできない相手だ。優勝のためには何としてでも勝利をつかみ取りたい。負けられない戦いが始まる。
上位打線が鍵を握る!
東大投手陣の大黒柱を担う井澤(4年=札幌南)が先発マウンドに上がるだろう。夏合宿期間では他大学の好投手と互角に戦えるように変化球の精度を高めた。ブルペンで打者に立ってもらうなど試合感覚で練習を行う。ラプソード(ピッチングデータを正確に分析するシステム)を使い、数値を見ながら変化球に磨きをかけた。慶大1回戦では6回を2失点にまとめる好投を見せ、見事勝利投手となった。得意球のカットボールに加え、スライダーやチェンジアップなど多彩な変化球を用いて、相手打線を翻弄(ほんろう)していく。東大の絶対的エースを攻略できるかどうかが勝負の明暗を大きく分けるだろう。
井澤が警戒する打者として名前を挙げたのは宮﨑(コ4=大阪桐蔭)と山田(コ4=大阪桐蔭)だ。宮﨑について、「身長は低いがパンチ力があり、打球が飛ぶ。チャンスに強いイメージがあるのでその前に走者を出したくない」と井澤は語る。宮﨑はここまで打率が1割台と調子は下がり気味。しかし法大2回戦ではチャンスで2点本塁打を放つなど勝負強い打撃を見せている。本来の調子が戻って来れば繋がりの打線は大きな爆発力を生むはずだ。
打線の主軸を担うのは主将・山田。ここまでチームを率いる存在として申し分のない活躍を見せている。打率もチーム内トップの.367を記録。法大3回戦では昨秋以来の本塁打を含む4打数3安打と絶好調の活躍ぶり。タテジマ打線の4番に座る背番号10の前にいかに走者を出せるかが勝利の鍵となる。
足を絡めた機動力の攻撃に警戒!
東大の今季のスローガンは「躍進」。昨年の春秋1勝ずつを超えていけるようなチームを目指している。東大の打線といえば足を絡めた機動力の高い攻撃。昨年は春秋ともにリーグトップの盗塁数を記録している。今秋もここまで8試合で13盗塁を記録し、機動野球を展開。走塁に加え、打線の中軸を担う阿久津(4年=宇都宮)と別府(3年=東筑)には警戒しなければならない。阿久津は2年時にアメリカンフットボールから野球部に転部した異色の経歴の持ち主。身長は172cmと小柄ながら、爆発的な長打力とスピードを兼ね備える。ここまで2本塁打、4盗塁と持ち味を存分に発揮している。別府は井澤が東大のキーマンとして名前を上げる要注意人物。甲子園出場経験を持ち、守備に定評がある。今春からスタメンの座を獲得し、夏の期間で打撃の調子を上げ4番を任されるまでに成長した。さらに慶大戦からスタメンとして1番に座った宮﨑(4年=開成)は規定打席未満ではありながらもチームトップレベルの打率を記録している。東大のリードオフマンが塁に出ると非常に厄介になる。足を絡めた攻撃と長打力のある打線で虎視眈々と1点を取りにいくのが東大の攻撃スタイルだ。
東大打線を封じこむのは復活を遂げた鉄腕・池田(コ3=智辯和歌山)が投手のキーマンとなる。今春は怪我の影響もあり登板機会が少なかったが、今秋はフル回転で躍動。4試合で防御率2点台と安定した投球を見せている。150㌔に迫る伸びのある速球と大きく横に曲がるスライダーの緩急を用いた投球で押し込んでいく。エース・荘司(社4=新潟明訓)との先発二枚看板として東大打線から凡打の山を築けるか。池田の気迫のこもった投球から打線に流れを呼び寄せたい。
優勝するために負けられない一戦となる東大戦。主将・山田率いる4年生が神宮で躍動する勇姿もあと僅か。全ての試合で勝ち切り、有終の美を飾りたい。
(10月6日・松尾悠)