【アメリカンフットボール部】秋季リーグ前インタビュー 奥村コーチ・荒川コーチ
本日、いよいよ2022年度関東大学アメリカンフットボールリーグ戦が開幕する。目標は日本一。今回はアメフト部、部内誌「Rushers Magazine」からコーチ陣に行ったインタビュー対談を抜粋する。
奥村コーチ・荒川コーチ
ヘッドコーチ兼デュフェンスコーディネーターに奥村コーチ、オフェンスコーディネーターに荒川コーチをお迎えし早1年。昨シーズンを振り返り、TOP10という前例のないシーズンをどう戦っていくのか。お二人にお話を伺った。
ー自己紹介、経歴
(奥村)ヘッドコーチをしています、奥村と申します。コーチ経歴は最初東京ガスでコーチを数年した後、立教大学でコーチをしました。その後にオービックシーガルズに10年近くいまして、4年前にここ立教大学にまたコーチとして来ました。
(荒川)立教新座高校でアメリカンフットボールを始めて以来、ずっとQBをやっていました。2016年に立教大学を卒業してから、3年間Xリーグのオール三菱ライオンズでプレーを続けて、2020年にこのチームにコーチとして戻ってきました。昨年からオフェンスコーディネーターをしています。
ー立大のコーチに就任した時の心境は
(奥村)中村監督と縁があって呼んでいただく形になりました。久々の学生の指導ということで非常にわくわくした気持ちでルーツ校という伝統がある学校でコーチができるということに大変光栄な気持ちでコーチをさせていただいています。
(荒川)卒業してから数年だったので、「帰ってきた」というのが率直な感想です。学生当時にお世話になっていた中村監督のもとでまたコーチができる喜びや楽しみという気持ちが強かったです。
昨年の秋シーズンについて
―秋シーズンのチームの雰囲気は
(奥村)シーズンが深まるにつれて、選手もチームの非常に成長していきました。特に昨年のキャプテン宮下拓丸には素晴らしいキャプテンシーがあり、彼が必死にチームを率いて、成長し続けたチームだったと思います。
(荒川)試合を追うごとに着実に成長していったなと思っています。試合で出た課題や、その時のチーム雰囲気に対して、拓丸が中心となってとことん向き合ったシーズンだったと思います。
―6位という結果について
(奥村)自分にふがいない、頑張っていかないと、と思います。
(荒川)私自身がオフェンスコーディネーターとして初めてのシーズンだったので、その年に6位という結果に終わってしまったことは悔いが残りますし、力不足を実感したシーズンでした。
現在のチームについて
―今年のオフェンスの強み
(荒川)今年のオフェンスはQB宅和(営3)、RB岩月(法4)、RB星野(社2)、OLで副将の竹内(法4)、OL福田(法2)、など下級生から試合に出ているメンバーが多いので、そこが強みかなと思います。また、コミュニケーションをよく取ってきたメンバーが多い点も強みの一つだと思っています
―ディフェンスは
(奥村)昨年からレギュラーで抜ける選手がほとんどいないですよね。試合に出場経験のある選手がたくさんいることと、リーダーシップを発揮する子が非常に多いことです。主将のLB松元(済4)をはじめ、副将のDB河野(済4)とDL金子(コ4)もディフェンスです。彼らはチームの中でもそうですが、ディフェンスの中でも非常にリーダーシップを発揮してくれている。3年生でディフェンスリーダーをやっているDB猪股(済3)とLB野田(済3)も今非常にリーダーシップを発揮してくれいているので、そこが強みだと思っています。
―春シーズンを通して見つかった課題点(オフェンス)
(荒川)春はけが人が多くて、レギュラーメンバーがバタバタと怪我をして抜けてしまいました。メンバーが変わった中でも同じことをやりきれず、想定や工夫がまだまだ足りなかったかなと思っています。あとは、昨年の秋シーズンから引き続きの課題ですが、レッドゾーンからの得点力が成果として出ていない点も課題であると考えています。
―ディフェンスは
(奥村)たくさんあるので……1つはフィジカル。これはチーム全体に言えることですが、フィジカルは大きな課題で、特にチームとしても注力してずっと春からやっています。現時点でトップクラスの法政、関学に勝てるのかということところがチームとしてずっと課題で、ディフェンスとしても課題です。
また、チームとしての課題になってしまうけれど、この春に出た課題は選手も自分らコーチもできると思っていたことができないことが多かったです。多分それは自分たちのレベルが低かったということもそうですし、慢心とか過信とかがあったのかなと思います。それは非常に感じました。ただ、オペレーションの細かいところはしっかり自分たちで見つけ出して修正すれば100%修正できるところではあると思います。フィジカルや技術とは別の、チームとしての粗が出た春シーズンで、そこはしっかり100%修正して秋のシーズンを迎えたいと思います。
―フットボールを通して学生に学んでほしいこと
(奥村)いつも言っていることですが、周りに感謝することです。当たり前にフットボールができる環境、これってみんな当たり前だと思っているから、感謝を忘れがちになる。今フットボールをできている状況はもちろん、親御さんもそうですし、今までチームを作り上げてきたOBの方もそうですし、応援してくださる方もそうですし、いろんな人が関わって今のチームが成り立っている。そのうえで自分たちがフットボールをできているというこの環境に感謝するということを感じてとってほしいと思っています。
(荒川)同じことになってしまうのですが、今の環境が当たり前ではないということへの感謝を忘れないでほしいです。OBOGの方や、日頃からご支援頂いている方、チームメイトへの感謝も忘れてほしくない。例えばオフェンスは11人がそれぞれの役割を持っている中で、ブロックする人、パスを投げる人、それぞれの協力がなければオフェンスは成り立たないので、そこへの感謝。守ってくれる感謝、自分の道を切り開いてくれる人への感謝を大切にしてほしいなと思っています。
―ルーツ校としての重みや意識
(奥村)伝統のあるチームRushersでフットボールすることにプライドを高く持つということの意味をはき違えるなということを学生に言っています。Rushersがもっているルーツ校のプライドは、何十年もRushersに関わってきた方たちが作り上げてきて、高めてきてくれたもので、今所属する学生たちや私たちも、その作り上げてきてくれたプライドをさらに高めなきゃいけない、守っていかなきゃいけない。ルーツ校としての重み、意識していることはそこかな。プライドを守るというか、高める。今いるメンバーで、それで日本一を目指す。それを意識しています。
(荒川)私自身、立教新座高校でRushersに入って、大学も4年間Rushers、コーチとしてもRushers、生涯Rushersと自分で思っています。ルーツ校というところは当然意識をしますし、プライドを高めていくために自分は何ができるのか、ということは日々考えています。高校の時から先輩とよく話していたのは、ライスボウルで日本のアメリカンフットボールの生みの親であるポールラッシュ先生の名前のついたMVPを、立教の選手がとらなければいけないなと思っています。それは使命ということではなくて、そこにきっと意味があって、その意味を考えることがきっとRushersが強くなることにつながり、日本のフットボールを盛り上げることにつながると信じています。急に壮大な話になりましたが。
―注目選手は
(荒川)QB宅和、QB中畑(営3)、WR神津(済3)の三人です。QB宅和は、ちょうど私がコーチとして入った年に1年生として入ってきて、そこからずっとスターターを張っています。今年3年目になるので、リーダーシップや、これまでの経験を周りの選手に波及していって欲しいと思っています。QB中畑については、QB宅和と同学年で、なかなか今までチャンスに恵まれなかったのですが、先日の東京工業大学戦にスターターとして試合に出て、非常に気持ちのこもったプレーをしてくれました。怪我を恐れずとにかく前に進むという強い気持ちを持ってプレーしてくれた。足が速いという特徴を存分に活かして結果を残したので、その強みをさらに進化させることを期待しています。
WR神津については、彼はフットボールに対して真摯に向きあっていますし、積極的にコミュニケーションをとってきてくれる。自分が活躍したい、勝ちたいという気持ちをちゃんと行動に出せる選手だと思っています。また、タフな選手なので、怪我で抜けたことがほとんどないです。WRは怪我が多かったりする中で彼はタフに頑張ってくれている。勝負ところでも安定したキャッチをしてくれて、頼りになる選手だと思います。
(奥村)まずはDL玉川(営3)。立教新座高校RushersでOLをやっていたのですが、大学からDLになった選手です。彼は非常に運動能力が高くて、ポジションはOLからDLに変わってもすぐに活躍をしていました。性格はすごく思い切りが良くてやんちゃなのですが、ビッグプレーメーカーなので試合は期待しています。
次にLB阿部(済2)、立教新座高校野球部出身で未経験者ですが、非常にリーダーシップもあって、努力家で、ムードメーカーで、自分に厳しいタイプで、真面目、すごい吸収をしています。ぜひ秋試合に出てほしいなと思っています。
最後にDB新田(社3)、彼も未経験者。高校までバスケットボールですけど、昨年の終盤から、めきめきと実力をつけてきたというか、ポテンシャルを発揮してきたというか。今年3年生になってレギュラーの地位を確立しつつある。彼も運動能力が高くて、相手のこととか色々考えながらフットボールをする、その中でも思い切りがいい。期待しています。
―秋シーズンに向けて
(奥村)ここ2年コロナで試合数が少なかったんですよね。今年からようやく通常に戻る予定で、リーグ戦は7試合。ここ2年よりかは非常に試合スケジュールがタイトで、タフなシーズンになることは間違いないです。選手に期待することはとにかく、精神的にも体力的にもタフであってほしいと思っています。そのうえで自分に勝って、試合に勝つ。最終的に日本一という目的をつかんでほしいと思っています。
(荒川)日本一を取るために、日々の生活の中で選択を迫られることが多々あると思います。食べるものもそうですし、富士見に来る前の時間の使い方、富士見での時間の使い方などいろいろな選択肢がある中で、その選択が日本一に向けたものなのか、自分の中で問いただしてほしい。すべての選択を日本一のものに向けたものにしてほしい。そこができれば、おのずとチームの一体感も出てくると思っています。
―最後に意気込み
秋のリーグ戦では学生たちの成長した姿をお見せします!応援よろしくお願いいたします!
(取材・宇津木萌香/編集・アメリカンフットボール部 牧桜子、野上詩乃)
◆試合情報◆
第1節 vs.慶大
9月11日(日) 9:30 K.O. @アミノバイタルフィールド
第2節 vs.法大
9月25日(日) 16:45 K.O. @アミノバイタルフィールド
第3節 vs.明大
10月8日(土) 13:45 K.O. @アミノバイタルフィールド
第4節 vs.日本大学
10月15日(土) 16:45 K.O. @アミノバイタルフィールド