【野球部】5年ぶりの春季リーグ優勝へ!負けられない紫合戦が始まる!!〈春季リーグ戦 明大戦展望〉
先週の試合で慶大優勝の道が消滅。2022年春季リーグ戦の王者は立大と明大に絞られた。ついに迎える正念場、天と地を分ける“紫合戦”が始まる。底力を見せつけ、明大にタテジマ軍団の強さを証明したい。
勝利数トップの二大エースを打ち崩せ!
昨年の絶対的エース・竹田(現・三菱重工West)が引退。投手陣の進化が問われる今季の明大だが、期待に応えるかのような成績を見せている。ここまで防御率は2.51と六大学の中でトップ。そんな投手陣を引っ張っているのは共に4勝ずつをあげている蒔田(3年=九州学院)と村田(3年=春日部共栄)。蒔田は140㌔後半の力強い速球とカットボールやフォークなどキレのある変化球で打者にポイントを絞らせず、新エースとして名乗りを上げている。圧巻だったのは法大3回戦。負ければ勝ち点を落としてしまう状況の中、先発マウンドに上がった蒔田は自慢の安定した投球術で法大打線を翻弄(ほんろう)。9回を三者連続三振に仕留め、116球で初完封を飾った。さらに今季急成長を見せているのが蒔田と同学年の村田。昨秋は主に抑えを任されるも、土壇場で本塁打を打たれるなど1球の重みを痛感した。冬には自身の投球フォームを見直し、投球時に力を抜くことを意識。今季は真っ直ぐで押しながらもシンカーなどの変化球を低めに集め、持ち味の制球力を武器に相手打線に球を絞らせない。さらに村田は蒔田の後のリリーフとして登板するなど投手起用にも注意しなければならない。中継ぎとして警戒したいのは高山(4年=作新学院)、渡部翔(4年=千葉黎明)の4年生コンビ。高山はここぞの場面で抑えるだけでなく、ロングリリーフとしてもチームに貢献。渡部翔は経験豊富な投手だけに明大にとって必要不可欠の存在だ。
投手だけでなく、失策数3と守備力でも六大学を圧倒する明大。それに対し、タテジマ打線はチームの強みである「繋ぐ」野球で打ち崩す。先週の早大戦でも、主将・山田(コ4=大阪桐蔭)は「繋げる野球が良い形でできていた」と振り返っていた。キーマンになるのは黒岩、吉岡(コ4=広陵)。下位打線が上位打線にいかに繋げられるかが重要になるだろう。黒岩はここまで打率がリーグ5位の.344と絶好調。今春は法大1回戦以外の全試合で出塁を記録しており、下位打線のリードオフマンとしてチームを牽引する。さらに吉岡も打率を3割近く残すなど好調を維持。早大戦では巧みなセーフティスクイズで先制を決めるなど、器用なバットコントロールを見せた。彼らが上位打線に回せば宮﨑(コ4=大阪桐蔭)・山田の頼もしい主軸が試合を決める。打線を繋ぐごとができれば勝機は見えてくるだろう。
六大学屈指の強力打線を封じ込め!!
今春も圧倒的な攻撃力で、チームの安打数116と六大学トップを誇る明大打線。その打線を引っ張るのは、3番・宗山(2年=広陵)、4番・上田(3年=愛産大三河)、5番・山田陸(4年=桐光学園)のクリーンナップだ。宗山は昨季、1年生ながら遊撃手でスタメンの座を勝ち取り、ベストナインに輝いた。今季もとどまることを知らない明大のプリンス。打率.465と、リーグトップの成績で打ちに打ちまくっている。後に構えるのは主砲・上田。昨季も2年生ながら4番を任され、チームの勝利に貢献。上級生となった今季は宗山に次ぐリーグ2位の打率と12打点を挙げており、勝負強い打者としてチームをけん引した。5番に座るのはチームのムードメーカーで副将をつとめる山田陸。法大2回戦では1点を追う9回で値千金の同点適時打を放ち、今季の明大を象徴するような粘り強い打撃を見せた。さらに、主軸だけでなくリーグ終盤には明新(4年=明大中野)が1番打者としてチームに定着。慶大3回戦では4安打を放つなど、リードオフマンとして申し分のない働きを見せている。また、主将・村松(4年=静岡)が慶大戦で怪我から復帰。安打こそはなかったものの、実力があるだけに明大打線に勢いをもたらす存在として大きな脅威になりそうだ。
おそらく1回戦の先発マウンドに上がるのはエース・荘司(社4=新潟明訓)。早大戦でも150㌔の直球を投げ込むなど、右肩上がりに調子を上げている。正捕手・黒岩は、「直球だけでなく全ての変化球がバランスよく投げられる文句なしのエース」と高く評価。荘司の神宮に響き渡る気迫のこもった投球に期待したい。さらに今季はいまだにチームで3失策と守備力の高いチームに成長。一球への執念はどの大学にも負けていない。早大戦で何度もチームを救う好守を見せた遊撃手・柴田恭(コ2=東明館)を筆頭に、立大投手陣を後ろから支えていく。
明大の4年生は2019年のリーグ優勝を知る最後の世代。後輩たちに優勝を経験させたいという強い思いがある。スローガンの「頂戦」を胸に、頂点をつかみに来る明大。対する立大は明大戦でも「進化」を見せ、全員野球で優勝を狙う。ついに始まる天王山の戦い。5年ぶりの栄冠を手にするべく、優勝へのカウントダウンが始まる。
(5月20日・松尾悠)