【野球部】春季リーグもクライマックス!逆転優勝への命運をかけた戦いが始まる!!〈春季リーグ戦 早大戦展望〉

悔しい慶大戦から1週間のインターバルを挟み、東大戦を連勝で立て直したRIKKIOナイン。春季リーグもいよいよ大詰めを迎え、優勝するためにはもう勝ち点を落とすことは許されない。終盤戦に突入した第6週に相見えるのは眠れる獅子・早大。現在は5位だが実力のある選手が多く揃い要注意なチームだ。

好調投手陣を攻略せよ!!

昨年、二枚看板だった徳山(現・横浜DeNAベイスターズ)、西垣(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)がプロへと進むも、名投手・小宮山監督の元には次世代投手陣が台頭し始めている。その中心を担うのは3年生右腕・加藤(3年=下妻一)。冬のトレーニングで大きく成長を見せ好投を続けている。ここまで4試合に登板、31イニングを投げて自責点はわずか2。圧倒的な数字でリーグトップの防御率、完投数を誇っている。球速以上に感じさせるノビのあるストレート、抜群のコントロールを武器に丁寧に投げ込み、圧巻だったのは第4週の東大3回戦。中1日での登板にもかかわらず、ストライク先行で投げ込み9回をわずか83球、1安打完封で東大打線をシャットアウトした。この難敵との対戦を前に、頼れる主将・山田(コ4=大阪桐蔭)も「好調な投手なのでしっかりと研究していきたい」と警戒心を強める。
さらに、ここまで5試合に登板し、防御率0.00と安定感のある中継ぎ右腕の中森(2年=明星)、最速149㌔のストレートが武器の潜在能力が高い大物ルーキー・伊藤樹(1年=仙台育英)、第4週で復帰登板を果たした甲子園優勝左腕・清水大(3年=履正社)なども控えており、充実した戦力が立大打線に立ち塞がる。

小宮山監督は自身の生命線でもあった低めのコントロールを投手陣に徹底。チーム防御率はリーグ2位の2.36とロースコアの競り合いが予想される。数少ないチャンスから得点を狙う立大野手陣の注目選手には1・2番コンビの道原(法4=駒大苫小牧)、宮﨑(コ4=大阪桐蔭)を推したい。六大学屈指のスピードスター・道原は前週の東大戦で計5安打を放ち調子が上向いている。同カードでは意表をつくセーフティーバントで出塁した後にすかさず盗塁を決めるなど、得意の足技で相手をかき回した。早大相手でも隙があれば果敢に次の塁を狙う走塁を見せたい。道原に続くのは今春絶好調のいぶし銀・宮﨑。2番打者ながら毎試合安打で打率3割、出塁率も4割を上回り、チーム最多の8打点で打線の起爆剤となっている。慶大3回戦での一時逆転となる本塁打を放ったことは記憶に新しく、ここぞという場面での勝負強さが光る一打にも期待したい。好調な1・2番が積極的な攻撃で山田らクリーンアップの前に好機を演出し、 好球必打で相手を仕留める。

今季絶好調の宮﨑

強力打線を繋げさせるな!!

投手陣が好調な早大だが、野手も決して侮ることはできない。蛭間(4年=浦和学院)、中川(4年=大阪桐蔭)の両ドラフト候補を筆頭に実力・実績ともに十分の選手たちが揃う。特に上位打線は下級生の頃からスタメンで出場していた選手が多く警戒が必要だ。

早大のキャプテンであり攻守の要・中川

リードオフマンを務めるのは熊田(3年=東邦)。一年春から出場し続けている経験豊富な遊撃手は広角な打撃でコンスタントに出塁する。熊田に続く打者は昨秋ベストナインのキャプテン・中川。攻撃的な2番でありながらもつなぐ役割も果たし、攻守の要としてチームを引っ張る。闘志あふれるフルスイングが持ち味の中村将(3年=鳥栖)が3番を担い、強力上位打線の核となる4番に座るのが蛭間だ。その規格外の打撃力で現役最多10本塁打を放ち、山田とともに世代を代表する選手として六大学をけん引し続けてきた。一昨年の早慶戦で見せた二試合連続本塁打など、記憶に残る一打を放つ勝負強さを持っている選手。いかに蛭間の前に走者を出さず、打線を繋げさせないかが勝負の分かれ目になるだろう。
さらに、下位打線にも打率3割を超える巧打者・印出(2年=中京大中京)、未来の大砲候補・野村(3年=山梨学院)が控えている。打線が束になった時の爆発力は十二分にあるため気を抜くことが出来ない。

東大戦で好投を見せた沖

強力打線を抑え込む立大投手陣では沖(法2=磐城)に注目したい。沖は多彩な変化球を操り、打者を翻弄(ほんろう)するピッチングで今季好調。ピンチの場面でも、打者を観察しながらフォームを変えるクレバーさも持ち味だ。東大戦ではリーグ初勝利どころか、2勝目も記録し、連日のヒーローとなった。その勢いを早大戦でも生かしたい。

早大は今年のチームスローガンをあえて設定せず、初代監督で学生野球の父である飛田穂洲氏の精神「一球入魂」を貫く。対する立大も慶大戦で1球の怖さを突きつけられた。タテジマ軍団はその悔しさを糧にリーグ戦の中でも“進化”を続けて早大戦に臨む。1球への想いが対照的な2チーム。どちらに勝利の女神はほほ笑むか。

(5月13日・大内貴敬)

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