【ボ―ト部】全日本直前インタビュー④女子エイト

いよいよ第100回全日本選手権大会が始まる！　今年の会場は東京2020大会でも使用された海の森水上競技場。大会を直前に控えた選手に、今大会への意気込みを聞いた。

女子エイトに出場する９人。前列左から、田村（コ１）、藤田（法１）、日比野（社４）、五十嵐（法４）、北原（文４）
後列左から、長芝（法３）、高橋杏（法２）、向井（観１）、奥山（観１）

ー全日本の目標

日比野:優勝を目指しています。

ー戸田レガッタを漕いだ時の手応え

日比野:これまで日立明とかでもスタートで相手に出られてしまってそれをどうにか追いかけて差し切るというレース展開になってしまっていたんですけど、戸田レガッタに関してはスタートで一気に走らせたいという課題に対して少し成長が感じられたレースでした。でも、もっと速く走れると思ったので、現状を確認しながら残りの期間でもっと成長しなければいけないなとも感じました。

五十嵐:レース展開の部分は日比野と同意見です。もっともっと速くなれるかなと思ったのが戸田レガッタを通しての感触だったので、気持ちの持っていき方も工夫しながら本番まで練習を重ねたいと思います。

ー去年はコロナの影響で10月開催だったのに対し、今年は５月開催。それによって去年と違う点はあるか

日比野:エイトは１年生を４人乗せているので、その１年生にとってはめちゃくちゃ厳しいと思います。学校が始まったばかりで授業がバタバタしている中で、ボートは大会が近いので練習の強度をどんどん上げていかなければいけないところで、両立ができない中で無理矢理やらせていて心身ともに疲れはあると思います。なので、できれば５月ではなく、秋が良かったなと思っていますけど、決まっている以上それに向けてしっかりやるだけだと思って練習してきました。

ーエイトには１年生が多くいる中、全日本に向けてどのような準備をしたか

日比野:１年生に対しては、私は技術を教えるというよりかは日々の生活の方をバックアップしました。技術の面は私より五十嵐に頑張ってもらった感じがあります。大学の授業との両立で慣れない部分が多いので、どうしていくべきなのか声掛け中心にしていました。練習面では、技術力をさらに上げることで速く走れるのでそこもアドバイスしたんですけど、前提としてとにかく舟を速く進めようとことを常に共有していました。

―声掛けというのは課題の量や体調を気にかけていたということか

日比野：そうですね。朝練して急いで大学に行き、また急いで帰ってきて午後練習をするという生活をしているんですけど、まだ２か月前まで高校生だった子達がそういう独特な環境に入ってきたばかりで、心と体がついていかず疲労が溜まって体のあちこちが痛いというのもあります。本人から言ってくることもありますし、私が聞いて知れる部分もあります。（勉強とボート）どっちも100で頑張れるようにサポートしています。

ー五十嵐さんは技術面を中心に教えているとあったが、どのように教えているのか

五十嵐:エイトのシートでは自分が一番前に座って漕いでいるので、リズムを作る立場から感じたことを適宜フィードバックして、こういう時はこういうふうに漕いで欲しいとアドバイスしています。下級生だけではなく自分たち上級生に向けても、こういう風にやっていこうと共有しています。私だけではなく全員でビデオを見ながら修正点を探して共有しています。全員で高め合っていけるように試行錯誤していったという感じです。

ーエイトは１年生も多いが、その他の選手は経験値の高い選手が揃っている思う。その辺のチームワークはどうか

日比野:３年の長芝は１年生の頃からエイトで全日本に出ていましたし、２年の高橋は大会でエイトに出るのは今シーズン初になるんですけど、去年の全日本ではペアとして一緒にスウィープ種目を漕いできているのもあって、戦力として頑張って後ろから支えてくれています。４年生がラストの全日本で気持ちが熱くなる部分があるんですけど、それに応えるように２、３年生も本番に向けて気持ちを高めて練習できていると思います。

ーもう少し修正できると感じる点は

五十嵐:１年生が多いので、改善できる部分は突き詰めていけばたくさん出てくるんですけど、若いクルーだからこそ恐れずに舟を進めていくことだけにフォーカスしていくで良いのかなと思います。先輩たちは必死なのでできないところに目が向きがちですけど、みんなが元気よく舟を進めていくというのが自分たちにとってベストだと思っているので、今はそこに絞ってとにかく舟進めていこうということでやっています。まだまだ速くなれるのでそこはこだわっていきたいです。

ーライバルは

五十嵐:意識しているのは立命館大学と仙台大学です。どの大学も実力はあると思うんですけど、先ほど言った２校は弱いわけがないですし、そこ２校を倒さない限り自分たちの優勝はないのでその２校を抜くつもりで練習しています。

ー優勝という高い目標を立てているが、チャンスは十分にあると考えているのか。自信はあるか

日比野:選手層では立命館や仙台大学さんが一枚上手だと感じる部分もあるんですけど、自分たちが絶対負けるとも言えない相手だと思います。ボートは風とかコンディションによって左右されて、絶対優勝と言われていたクルーが負けるというのを私たちは何度も見ているので、自分たちにチャンスがないわけではないし、勝てるクルーだと思います。自分たちはフレッシュさで勝ちにいけるクルーだと思っているので、１年生が多いところを武器にして戦っていきたいと思っています。

（取材/編集・岡田真阿）