【相撲部】敗者復活戦からの巻き返し!6年ぶり全国8強

まさかの東日本予選1回戦敗退。本選へは出られない。誰もがそう思った。だが、主将・石井(済3)は巻き返す。敗者復活戦で怒とうの2連勝。見事、全国への切符を手にした。自身初の全国大会出場。見慣れない西日本の選手が多く、独特の雰囲気に緊張を感じながらも、75㌔未満級で8強の栄光をつかんだ。

真剣な眼差しで相撲を取る石井

72㌔という小兵・石井。入部時の体重は60㌔。高校時代はサッカー部に所属しており格闘技の経験もない。入部後は肉体改造をするべく、休日も積極的に筋トレに励み、食事量も増やした。稽古場にはいつも1番乗りし、念入りに準備。ストイックかつ真面目に相撲に向き合った。それでも、無差別級では苦戦を強いられることが多かったが、今回は体重別。無理に前に出るのではなく、冷静に相撲を取ろうと考えた。本番前には対戦相手の動き方を分析。万全の体制で大会に臨んだ。

いよいよ始まった1回戦。迎え打つのは近大の木村真海。西日本大会3連覇、昨年度同大会65㌔未満級優勝という輝かしい成績を納めた強者だ。今大会では総勢15名の出場者を輩出した西の名門・近大相撲部。その圧倒的な存在感を前にしても、立大唯一の参戦となった石井は動じなかった。行司の合図と共に死力を尽くす。土俵際まで押され、一時は危うくなるも形勢を逆転。相手も軽い分、技をかけたら崩れると感じ、すかさず木村をすくった。そのまま寄り切ることに成功し、見事白星を奪取。満点のスタートを切った。「このまま優勝できるかもしれない」。石井は勢いづく。続く2回戦。自分から当たって押し込むという作戦で挑んだ。立ち合いですぐに相手の懐へ飛び込む。しかし、その勢いを巧みに利用され、引き落としを食らう。冷たい土が石井の背中に当たった。無念の惜敗。優勝を狙う強い想いを制御できず前に出過ぎてしまった。

「出るからには優勝したい」という気持ちで臨んだ今大会。悔しさの残る結果ではあったが、体重別大会において全国8強は相撲部としても6年ぶりの快挙。リーグ戦では3部降格の屈辱を味わうも、石井の活躍で稽古場は活気づく。目指せリーグ戦昇格。雪辱を果たす好機が、今まさに到来している。

                 (12月28日 簑島諒成)

関連記事一覧