相手に攻撃を加える岸本(写真左)

【フェンシング部】関カレ終幕!少数精鋭フェンシング部、インカレに挑め

◆第73回関東学生フェンシング選手権大会◆

10月14日~10月22日 駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場

 昨年、コロナ禍で丸1年大会が開催されない状況が続いた。2021年4月に公式戦が再開されたのも束の間、5月に開催予定だったリーグ戦を中止にしたのは、またもや新型コロナウイルスだった。選手たちが目標の舞台を奪われてから6か月、待ちに待っての公式戦。インカレの予選となる関東学生フェンシング選手権大会(通称・関カレ)で、選手たちはそれぞれ健闘を見せた。

14日 男女フル―レ個人

初日のピストに上がったのはこの2人。石井和(済2)はこの日が大学生になって初の試合となった。岸本(現3)は本戦1回戦まで駒を進め、インカレ出場を決めた。

相手に攻撃を加える岸本(写真左)

相手に攻撃を加える岸本(写真左)

◆コメント◆

―試合を振り返って
岸)比較的集中することができました。
石)落ち着いて挑むことができたが、大事な場面でミスをしてしまいました。大学生初めての試合で久しぶりだったのもあり、緊張してしまったが楽しかったです。予選では自分のミスが目立ってしまいました。

―予選で分かった課題などは
岸)先々を急がずに、集中したいです。落ち着いて臨みたいです。
石)精神面の話で言えば、やることを決めて思いきりやりたいです。

―逆にうまくいったところ、練習が活きた点は
岸)石井のプレ―スタイルが左(利き)なので、左利きの相手と一緒に練習ができたことが大きいです。予選の相手が左利きだったので、練習していた経験が活ました。

―個人戦から団体戦になると少し意識は変わるか
石)試合の流れに自分の役割を持たせることが、団体戦の特徴だと思います。自分は、点差を維持するプレ―スタイルを目指し、次の人につなぎたいです。
岸)今回初めて団体戦でエ―スポジションにつきます。すごく緊張していますが、団体戦をやりたくてフェンシング部に入部したところもあるので、まずは笑顔で楽しみたいです。

15日 女子フル―レ団体/女子エペ個人/男子サ―ブル個人

今年の立大女子は岸本、三村(コ2)、野村(観3)の3人でフル―レ・エペ両種目の団体戦に挑んだ。野村は水泳部で近代5種競技(フェンシング・水泳・射撃・馬術・ランニングを1人でこなす競技)の選手として活動しており、今回は助っ人としてカンカレに参戦した。1回戦は、順調な得点で学習院大に45—40で勝利。2回戦目は、専大相手に序盤からビハインドで点差が開く。追いつくことができず、11—45でピストを降りた。

男子サ―ブル個人戦に出場した石井達(済1)は、この日の試合の自己評価を尋ねると「赤点。追試です」と厳しい表情を見せた。予選では格上相手ばかり。さらに、初戦を落としたことで精神面の立て直しができず、追い上げても当てられる展開で予選敗退となった。

主将・野根(社4)も同種目に出場。積極的に前に出て得点を重ねるスタイルで本戦に進んだ。1回戦で相手に隙を与えて敗退するも、個人戦でのインカレ出場を決めた。

カメラに笑顔を向ける岸本(写真右)、石井

カメラに笑顔を向ける岸本(写真右)、石井達

◆コメント◆

岸本

一今日の試合を振り返って
初戦は落としたくないなってところで、みんな集中してやるべきこと決めてやれてたので良かったです。専修は、力の差を感じたなってところではありますけど、みんな楽しんでやることが目標だったので、結構笑顔で終われてよかったなと思います。

一今日に向けた作戦
私はフル―レの種目で、他の2人はエペだったので、出来るだけ2人には相手に点を取られないで帰ってこれるように、自分はいっぱい取れるようにとプレ―スタイルを気にしていました。

一見えてきた課題は
結構即席のチ―ムだったところがあるので、うまくコミュニケ―ションが取れなかった部分があるのでもう少しお互いアドバイスし合っていきたいです。

野根

一今大会の目標は
大きく言えばインカレ出場が目標で、でも4年生で悔いが残らないように、しっかり出し切るというところに焦点を当てやってきました。

一今日の試合を振り返って
うまくいかないこともたくさんあったんですけど、振り返ってみたら、自分の実力そのものだったのかなと思います。結果には納得がある。

一見えてきた課題は
自分が攻めている時の得点率が、予選を通してとても低くて、そこが課題でインカレに向けてやっていきたいなと思います。

石井

一今日の試合を振り返って
久しぶりの試合で自分のダメな部分が全部出てしまいました。良いところも少しあったんですけど、それを活かしきれなかったです。

一良かったところは?
フットワ―クを強化していて、そこが大学生の中で自分は春の大会の時劣っていたので、大学生のフットワ―クに負けているなと感じて、逆にそれに対して、考えが追いついていない焦りが出てしまい、力が強い分力んでしまう部分があったので、悪いところとして前面に出てしまった。良くも悪くもって感じです。

一この試合に向けて調整したのは
フットワ―ク面では、初めて短期的な筋力強化をして、パンプアップって感じでパ―ソナルのトレ―ナ―と一緒にその日に合わせて筋力強化をしていて、技術面に関してはいつもと変わりないのですが、基礎に戻って頑張りたいです。大学生の試合は高校と雰囲気が違うし、本当気持ちで負けてしまった部分です。

一見えてきた課題は?
背が低い分、もっとフットワ―クをつけないと。背の大きい選手や速い選手で、ジュニアの世代で結果出してだんだんとシニアの人たちについていけるように磨いていきたいです。

20日 女子エペ団体/男子サ―ブル団体

女子エペ団体は、フル―レ団体と同メンバ―で挑んだ。攻めるタイプのメンバ―がいないため、チ―ムとしては守り重視の戦い。中大に24—45で敗れ、女子団体はインカレに届かなかった。

男子サ―ブル団体は、石井達、野根、そしてサ―ブルで出場経験の無い石井和の3人で出場。「即興で作ったチ―ムにしては、チ―ムワ―クも流れも良い動きができた」と石井達。青学大を45—24で下した後中大に29—45で敗れるが、インカレ出場を決めた。

フルーレ、エペ両種目に出場した女子チーム。左から野村、岸本、三村

フルーレ、エペ両種目に出場した女子チーム。左から野村、岸本、三村

試合前、円陣を組む石井達(写真右)、石井和(写真中央)、野根

試合前、円陣を組む石井達(写真右)、石井和(写真中央)、野根

◆コメント◆

―今日の試合を振り返って率直な感想
岸)試合内容としては、各々反省すべき点があると思うのですが、チ―ムの雰囲気はみんなで作っていくものなので、それは良かったとは言えないのでもう少し色々考えてやっていきたいなと思いました。
野)内容としても点差が結構あって、自分としても一本一本取りたかったなというのがあったので。今少ない人数でやらせてもらっていますけど、今回の試合でもっと自分の成長しなければいけないところが見えたので、練習してもっと成長していきたいです。
三)率直に言うと私が足を引っ張る形になってしまったので、そこは深く反省したいと思います。

―チ―ムの雰囲気で良かったところは
岸)3人ともタイプが違う感じなので、それが逆に面白くて良かったなと思います。
野)フル―レとエペで出たんですけど、みんなエペ専門じゃなかったり、私も近代5種としてのエペだったり、それぞれ経験も色々違って、守りが固かったり一本として一気に攻められる人もいてタイプも違うので。そこら辺はお互いの良いところも違うので、良いところを伸ばせるような試合運びを考えられたと思います。

―個人と団体での違いは
三)個人戦は自分の問題なのでリラックスしてできたのですが、団体戦は人の足を引っ張ってはいけないという気持ちが強すぎて焦ってしまったなと思います。
野)私は逆に、個人戦は集中してたんですけど、団体戦は声掛け合いながらできたので、リラックスして楽しめてできたかなと思います。
岸)私も個人戦はインカレ行きたいし、今までやってきて自分のレベルをちゃんと確認したいって気持ちで結構集中してやったんですけど。団体はまず第一に楽しむことを目標として出ていたので、声を掛け合いながら和気藹々と雰囲気を大事にしてやっていくことができたのは良かったかなと思います。

―今後の目標
岸)個人は、インカレがあるのでそれに向けて調整して悔いなく力を発揮できるように頑張りたいです。団体に関しては、インカレは行けなかったんですけど来年のリ―グで2部に上がるのを目標に頑張って、2部に上がっただけじゃなくてその後何年も2部に残って後々インカレとか出れるチ―ムになれるような体制、基盤を作っていきたいです。
野)個人としては今回インカレ出場ができなかったので、来年は必ずという思いでこれから練習していきたいです。団体戦は、今回初めて出て割と楽しむって言うことだったんですけど、来年は勝ちも意識しながらみんながレベルを上げて全員が強いと言えるチ―ムを作っていきたいです。
三)個人としては、11月14日にある北岡杯で良い結果を残したいです。団体に関しては、今回は完全に私が悪かったので来年は強いチ―ムを作るために新歓を頑張ります。

石井達

―個人としての振り返り
1回戦が勝たなきゃっていうのがあって、体が硬くなっちゃって取られなくていい点を取られたり、自分の思うようなフェンシングができませんでした。個人戦もそうだったので、引き続き自分のメンタル面が課題点だなと感じました。でも最終の9回戦目の僕のラストと、中央大学との試合は、中央大学はやっぱり強いので、思い切りできたというか自分の100をぶつけることができたかなと思います。そこに関しては、今回の試合の中でもいい動きができたかなと思います。

―試合の作戦は
作戦としてはやはり1人未経験者がいたので、そこをカバ―するような形でやろうと思っていたのですが、思ったより上手くて点を取ってくれたので、元から立てていた作戦の未経験者の人をカバ―すると言うよりかは、みんなでしっかり自分の点を取っていくという方向にシフトチェンジしてやっていたので。そう言うのが作戦というより今日の流れでした。

―チ―ムの雰囲気で良かった点は
自分がメンタルが弱いので、チ―ムメンバ―がそこをカバ―してくれたりだとか。自分もずっと団体戦をやってきたので、そこの経験を生かしてサ―ブルの団体戦をそんなにやっていない先輩方のサポ―トができたのがチ―ムとして良かったかなと思います。それぞれで足りない点を補うということができたのでよかったです。

―今後の目標は
団体は、先輩が辞めてしまった後に自分以外のサ―ブル陣が来るので、とりあえず1部昇格を目指しています。最終的な目標としては、自分が最上級生になったときに、リ―グ戦の王座決定戦とインカレの決勝ト―ナメントに残れたらなと思います。個人としては、まだU20の試合が残っているので、まずはそこで結果を出して次のシニアのカテゴリ―だったり他の大学の試合でも、今回の経験を活かして上を目指したらなと思います。

21日 男子エペ個人

※取材を行うことができなかったため、結果のみ掲載いたします。

22日 男子エペ団体


大会最終日となるこの日は、男子エペ団体で出場。剣道からフェンシングに転向し、大学から競技を始めた中﨑(社1)を含む4人で挑んだ。1戦目の国学院戦について、選手たちは口を揃えて「想定していたより余裕が無かった」とコメント。前半はビハインドで試合が進むも、角坂(異1)の逆転をきっかけにリ―ドを保ったまま勝利。2戦目は格上の日体大を制することができなかったものの、インカレ出場を決めた。

ベンチで戦況を見守る選手たち。左から中﨑、石井和、清水、山下監督

ベンチで戦況を見守る選手たち。左から中﨑、石井和、清水、山下監督

◆コメント◆

石井和

―2試合通しての感想
とりあえず上に繋がる大会に進むことができるので、その点ではすごくよかったなと思っています。でも次の試合に向けて直さなければいけないところはすごくあるし、具体的にどういうところを直していかなきゃいけないかっていうのを考えて練習していかないといけないので、残りの期間で詰めたいと思っています。

―今日までに調整してきたこと
僕の場合は特殊で、一番最初に1種目目(フル―レ個人)やって、おととい2種目目(サ―ブル団体)やって、今日3種目目(エペ団体)やって…という、他の学校じゃ考えられない状態で。だから僕は補欠って形でサブとして出させてもらってたんですけど。なるべく種目同士でごちゃごちゃにならないように、間合いだったりとか技術的な違いが若干あるので。そこがごっちゃにならないように、切り替えてやっていくっていうのは気を付けていました。

―日体大戦
正直、体格だったりスピ―ドと言った基礎的なところでの差が出てしまったのかなと言うように思います。でも、他の3人の人たちは挑戦する気持ちで頑張れていたのでそれがすごい良かったと思います。

―残った課題
一番直した方がいいなと思っていたのはベンチワ―クです。なるべく明るいように、点取られても気にしないように選手がポジティブな気持ちで考えられるベンチを作りたいなと考えていたんですけど、もうちょっと声かけだったりとか、「今の良かったよ」とか、そういう気持ちをプラスにする声掛けができたらいいのかなって思います。

―インカレはどんな試合にしたい
挑戦する立場にあるので、思い切りできればいいと思います。

 

中﨑

―2試合通しての感想
自分の場合は1試合目だけ出て替わってしまったので、先輩にすごい負担をかけてしまったっていう部分がすごい申し訳ないっていうのと、次に向けてもうちょっと強くならなきゃいけないなっていうのを感じました。

―剣道とフェンシングは通じるところも多い?
似ているところがある分、剣道のような動きをしてしまうと、フェンシングでは短所になってしまう部分が多くて。剣道みたいにやってしまったことで点を取られてしまったことが多いので、そこは今苦労しながら直しています。

―3種目の中だとエペが一番剣道と近かった?
近いのはサ―ブルなんですけど、エペをメインの種目でやっているのが1年生の角坂と清水(社1)の2人だったので、自分が入ったら3人でチ―ムを組めるので、エペで入りました。

―今日の試合までに調整してきたこと
自分は始めて5か月で、ここにいる人たちで初心者ってほとんどいないと思うんで、とにかく量をこなして、あとは角坂とか清水とか和真先輩であったりそういう人たちに聞いたことを全部飲み込むくらいの気持ちでやりました。

―1戦目、国学院
立教新座高校がフェンシング部がすごい強くて、団体戦の練習するときに高校の練習にお邪魔してやってて、団体戦の練習は何回もやってるんですけど、初めてリ―ドされている状態で回ってきて。本当にもう頭が真っ白になっちゃって。でも、最低限のことは出来たのかなと思いました。

―2戦目、日体大
インカレ決まって自分も皆も浮足立っていたこともあって、負けてもいいやじゃないですけど、ふわ―っていう感じでやってしまったところはあったんで、すごい強い人とやれたっていうのはいい経験にはなったかなと思いました。

―課題
圧倒的に自分の実力不足もそうなんですけど、経験不足もあるなと思って。例えば相手に攻め込まれたときにどうしようとか、逆に自分が攻めてるのに突かれちゃったらどうしようとかそういう、試合中にアドバイスを聞かないで自分の中で試合を組み立てなおすというところが全然できなかったと思うので、インカレがあと1か月後にあるので、なんとか自分でできるようにしていきたいと思います。

 

角坂、清水

―2試合通しての感想
角)まずは、インカレ行けたのは良かったんですけど、自分の役割を全うできなかったのが残念でした。(—役割とは?)自分のポジション的には点を取らなきゃいけないところだったんですけど、逆に点を取られてしまって、チ―ムに負担をかけてしまいました。インカレに向けてそこは修正していきたい。
清)インカレまず決められてよかったなと言うのはあります。(—個人としては?)昨日の個人戦であまりいい結果が出なかったので、今日は精いっぱい頑張って、結果も自分の中ではまあまあ。微妙に満足いかない部分はありましたけど、ある程度は満足できたので良かったかなと思います。

―今日までに調整したこと
角)ずっと練習してきたこととして、無理に点を取りに行ったりとか、感情的になってしまったりということがあって、無駄な失点が積み重なってきたりっていうのがあって。そういうのは無くしていこうということで減らしてきたので、それは良かったんじゃないかなと思います。
清)毎週、先輩とかOBの方に来てもらって、団体戦の練習をたくさんしてきたので、その部分はある程度、準備の結果が出たんじゃないかなと。

―日体大戦
清)正直楽しくできたし、自分の中ではもうちょっと点とれたかなとは思うんですけど、やるべきことはできたかな。
角)今の段階では全然自分のチ―ムよりも格上のチ―ムだったので、インカレに向けてどこまでやれるかなという気持ちだったんですけど、自分の想像してたよりは差はついてなかったので、インカレに向けて少しずつ差を埋めていければなと思います。

―ベンチではどんな声掛けをしていた
角)点を取りに行かなきゃっていう気持ちからプレイが大きくなったり雑になったりすることがよくあるので、落ち着いてプレイしようとか、あと時間のル―ルがあって、負けてる状態で1分経つとイエロ―カ―ドが出ちゃうので、そういう時間を気にする声掛けとかは意識していました。
清)雰囲気良くなればいいかなと思ってたので。(―清水さんは特に声量が出ていた)そうですね、大きい声出して、元気にやれればいいかなと思っていました。

―インカレはどんな試合にしたい
角)1年生なので、まだ4年あるので、できるだけ経験を積んで、次につなげられるようなインカレにしたいです。
清)自分は団体しかないので。団体でベスト尽くせるように頑張りたいです。

 

以上の結果により、団体戦では男子エペ・男子サ―ブルの2種目が、個人戦では角坂・野根・岸本・野村の4選手が、11月17日~20日にかけて開催される第71回全日本学生フェンシング個人選手権大会(インカレ)に出場する。

(11月7日・菅野真理香)

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