【ボ―ト部】全日本&インカレ直前インタビュー①男子舵手付きフォア
今年もボートの季節がやってきた!コロナ禍の影響により2大会が一つとなった今季は、例年以上に大会の規模が大きくなった。28日から開催される大舞台を控える選手たち。今大会への抱負と意気込みを聞いた。
◇ストローク・山口(現4)◇
一引退を控え、今の心情はいかがですか。
まだ実感は無くて、引退が名残惜しいとかこの部活に残りたいという気持ちは湧いていないんですけど、これから引退の気持ちが湧いてくるのかなと。待ってる感じですかね(笑)。
一では、4年間を振り返ってみていかがですか。
そうですね、4年間で結構色々ありましたね。僕自身1年生の時は個人的にとても調子が良くて、競技を始めたばかりだったんですけど割と良い感じで。その分、2・3年で個人的に気持ちが沈んでしまって良いパフォーマンスが出来なくなったんですけど、4年になってやる気が出てきて。すごく波があったなって感じです。
一波があった時に支えとなったのは。
2・3年の時、同期の小林がずっと一緒にいてくれた。そこはすごい感謝しています。
一寮生活はいかがでしたか。
2年まではコロナがなく、外出ができたので良くも悪くも大学の普通の寮だったんですけど、外出ができなくなってずっとここにいる感じなのでより一層寮生活だなって感じがあって。ボート部内でのコミュニケーションも増えて良かったなと思いました。
一ちなみに1番楽しかったことは。
コロナ前なんですけど、男子部みんなで車出して、川でバーベキューしたりスイカ割りしたり温泉行って…っていうことがあったんですよ。それがすごい楽しかった。石政さん(法4)が企画してくれたんです。
一最高学年になった今感じることは。
僕らが1年生の時とすごく変わったなと思います。シンプルに練習の量、活動の質、生活のルールとかも変わって、強豪校のような部活になっているのが驚き。今の状況なら、僕が1年生の時入るかどうかは分かんないなってところはあります。
一後輩に対して思うことは。
良くも悪くも僕たち競争心はそこまではないというか。「こいつに勝ちたい!」というよりは、「一緒に頑張っていこう!」みたいな感じ。でも、割と後輩たちは競争心が高くて、「こいつが練習してるから頑張ろう」、「こいつに勝てるように練習しよう」という良いライバル意識を持っているので、強くなるのではないかと期待しています。
一では、同期はどのような存在ですか。
同期は1番一緒にいたので本当にでかい。辛い時支えてくれた小林とせっかく一緒に乗せてもらえるので、去年も一緒だったんですけど1番近い人間と乗れるということで、勝ちに行きたいです。
一ボートの好きなところは。
なんだろう、よくわかんないところ?例えば自分バスケやってたので、バスケだと点を決める人がどんなフォームだろうがなんだろうが、点を決めたらすごいみたいな感じだけど、ボートはそうではない。早いことが正解だけど、1人で漕ぐわけではないので。4人とか5人、8人とかの中で1番早いのが正解なので、自分がやっているのが正しいのか間違えているのか、探し続けるのがとても楽しかったです。
一現在、クルーの完成度や雰囲気はいかがですか。
組み始めた時は各々がバラバラだったんですけど、最近はすごくまとまってきました。雰囲気も良いので、良い状態だと思います。
一クルーでの山口さんの役割は。
そうですね。チームを持っていくのは同学年の小林(コ4)がやってくれているので、僕は(小林)寿太が引っ張っていく中で、自分が感じたことを言って良い方向に持っていく、補佐的な役割かなと思っています。
一今大会、個人の目標は何でしょうか。
最後の大会なので楽しく気分良く終わりたい。順位がどうこうよりも気分良く引退できたらいいなと思います。
一最後に意気込みをお願いします。
4年間やってきて最後の大会なので、最終日には進出したいと思います!
◇バウ・アドリアンドーヴィルニュ◇
一いつからボートを始めたのですか。
フランスで、16~17歳の時に始めました。でもそれはあくまで趣味としてで、週に1、2回しかトレーニングをしませんでした。また、勉強のために1、2年ボートから離れていました。コロナ禍になって、再びフランスでボートを始めました。
―立大ボート部はいかがですか。
素晴らしいです。みんな好奇心が強く、みんな私と話したいと思ってくれて。私は日本語を理解することはできてもうまく話せないので、みんな私と英語で話せるよう最善を尽くしてくれています。
―日本語の勉強はどうですか。
私は本当に日本語を上達させたいと思っていたので、立大に来て1学期目で日本語を勉強しました。でも、ボート部に入部して、自由時間が無くなったので、もし2学期も滞在し続けるならば、おそらく日本語の授業を続けないだろうと自分に言い聞かせました。実際2学期は日本語の授業に十分な時間を取ることが難しかったので、これは良い決断だったと思います。なので、たった1学期しか日本語の授業を受けていないので、上達するのは難しかったです。
―ボート部での生活など日常では英語でコミュニケーションを取っているのですか。
私は何年かずっと英語を使っています。英語は私にとってフランス語と同じくらいの第2言語です。修士課程のクラスには日本人が少なく、留学生ばかりなので、ボート部での経験はとても楽しく素晴らしいです。
―ボート部での思い出は。
去年の12月ですかね。男女で2隻のボートで東京湾まで行きました。その日は5時頃に起きて。15時頃に帰ってきたのでとても長かったです。でも、美しい写真を撮ったり、美しい景色を見たり、みんなとの良い思い出ができました。
―やっぱり大変でしたか。
沢山休憩をとったのと、レースではなくリラックスしてやれたので大変ではなかったです。ただ、12月だったのですごく寒かった。最後の方はレースをして遊んだので、大変だったというよりは疲れたという感じです。
―クルーの現状はいかがですか。
1か月前よりも状態が整っていると思います。準備の時間が多かったので、よりよくなっているかなと。みんな、技術と力をどううまく使うかを考えていて、今は前よりも自信を持っています。
―最後に、この大会の個人目標を教えてください。
この大会では、私は唯一の選手だと思います。最速で決勝に行くために、私たち全員にとって素晴らしい経験になることを願っています。
◇コックス・小林◇
―今大会に向けて何を意識して練習してきましたか。
これといって特別なことはしてないんですけど、僕はクルーリーダーなので、OBの大西さんに練習のアドバイスを聞いてたりしていました。ボートは漕手によって動かし方が違ってくるスポーツなので、舵手付きフォアで優勝した先輩が身近にいたことから相談していたりしていました。
―コックスの役割とは何だと思いますか。
クルーになるまで、ボート競技のメインは漕手にあると思っていました。コックスはサポートに近い部分がなくもないです。クルーがどう動かしたいかを聞いて、僕がこんな風がいいんじゃないかと提案するような受け身的な所がありました。ただ、今回クルーリーダーになると、ストロークの山口と「もっとこう動かしていこう」と話し合うようになり、今までとは違う役割を感じていきました。そこで、コックスでもどんどん動かし方を提案していく立場であるんだなと、4年生のこの時期になって気が付きました。
―クルーの雰囲気はいかがですか。
アドが英語なので、話し合いも英語です。彼はフランスでボートを漕いでいましたが、その漕ぎ方が日本とは異なって。そこの意思疎通が最初は難しかったです。この頃はストレートに自分の意見を言い合えるようになったので、いい方向に進んでいると思います。
―今大会の個人の目標は。
少しでも長く漕いでいきたいです。今回は敗者復活もないので。
―引退を迎え今の心境はいかがですか。
色々としかいえないです。寮生活はお互い見る見られるなので。これまでやってきた集大成が出るか出ないかなので、それを続けていたらたまたま次が最後の大会という感じ。あえていうなら悔いなく終わりたいです。「あの時ああしていれば」はずっと残ると思うので、やりたいように言いたいことを言って、最後の大会に望みたいと思います。
―寮生活はいかがでしたか。
ずっとスポーツをやってきましたが、どのスポーツも及ばないくらい関係が強くなりました。友達以上だし、家族とも違う。酸いも甘いもの凝縮という感じです。
―その中でも同期の存在は。
僕は特に強かったです。けがをしたとき、部をやめるかやめないか悩んだのですが、それを取りやめたのは同期の存在が大きかった。そんな同期には勝ってほしく、悔いがないようにしてほしいと強く願っています。
―1番の思い出は何ですか。
やはり2年の怪我の時ですね。部活を辞めるか辞めないかで。その時男子舵手付きフォアがインカレで2位になった。その時メンバーのサポートを行い、そのメンバーが山口と同期の森田(現4)でした。その時の4年生のコックスが、自分がコックスになりたいと思ったきっかけになりました。また、同期がインカレ2位となり、こんな風になりたいと強く思いました。この時期がボート部への指針が見えた時であり、最も強く覚えている思い出です。
―では、最後に後輩へのメッセージをお願いします。
後輩はとても強いクルーで、2、3年一緒にいる後輩ですが、コックスの僕が無茶な要求をする中でずっと付いてきてくれているので、これが結果に繋がるように期待しています。
無観客開催のため選手に直接声援を送ることはできないが、代わりに自宅で画面越しに選手の勇姿を見ることが可能だ。詳しくは日本ボート協会ホームページへ。
(取材・平野聖也、丹能萌絵/編集・冨田夏希)