男子クオドルプルに出場する4人。左から、榮原、野間(済3)、佐藤、飯田

【ボ―ト部】全日本&インカレ直前インタビュ―②男子クオドルプル

今年もボートの季節がやってきた!コロナ禍の影響により2大会が一つとなった今季は、例年以上に大会の規模が大きくなった。28日から開催される大舞台を控える選手たち。今大会への抱負と意気込みを聞いた。

◇主将・榮原(文4)、飯田(社4)、佐藤(コ4)◇
男子クオドルプルに出場する4人。左から、榮原、野間(済3)、佐藤、飯田

男子クオドルプルに出場する4人。左から、榮原、野間(済3)、佐藤、飯田

―インカレ・全日本に向けてどのようなことを意識して練習していましたか。
榮原:冬の前にけがをして正直インカレにもぎりぎり間に合うか間に合わないかくらいの挑戦だったので、結構個人的には精神的にきつかった部分でもあったりして。本当にクルーを組むとなった時は、第一に周りのメンバーに迷惑かけないようにしよう、自分のけがとかで迷惑かけたくない、という気持ちがすごく強かった。あと、自分は今主将を務めているので、そういったところで。あと佐藤と飯田も今4年生なんですけど、4年生中心のクルーにもなるので、後輩にいい姿勢を示せるクルーでありたいっていうのと、それを結果で残していきたいなというのを意識してやってます。
佐藤:個人的には最後のインカレということもあって、練習の後に何かストレッチを必ずするっていうのを意識してやったり、出来るだけけがをせずにベストの状態にして挑めるようにっていうのをずっと意識してやってました。
飯田:自分はクルーリーダーとしてチームを引っ張っていく立場だったので、まずは本気で優勝する練習をすることを意識して取り組んできましたね。やっぱりただ鼓舞し合うだけというか、練習をこなすだけじゃなくてしっかりと自分たちで意識して声を掛け合うということをしっかりと意識して取り組んできました。

―現在のクルーの完成度は。
榮原:完成度に関してはやっぱりボートの難しいところで、決まった完成っていうのがあまり具体的ではないので正直常に成長していく、自分たちも正直足りないな、まだまだだなっていう部分が大きいと思います。ただ個人的な話になるんですけど、飯田と佐藤に関しては2年生の時にも同じクォードで2年生クルーとして組んでいて、去年に関しては自分と飯田が2人でクォードに乗っていたので、他のクルーに比べると長く乗っている分、合わせるっていう部分とかは前より少しあっているのかなっていうのは思っているんですが、正直まだまだ足りないなっていう部分は残っています。
佐藤:雰囲気に関しては、同期3人と、1個下の後輩1人なんで、普段から一緒に遊んだり、ご飯行ったりっていう仲ではある。雰囲気はすごくいいんじゃないかなと思っています。
飯田:そうですね。クルーの完成度としては、正直僕自身としてはまだまだだなというのが正直なところなんですけれど、練習1回1回しっかりと確実に成長していこうっていう雰囲気づくりっていうものは徐々にですけど、組みたてと比べるとだいぶ作れてきていると思うので、練習での雰囲気っていうのは良くなってきているなと感じています。

―榮原さんも飯田さんもまだまだ足りないとおっしゃったが、具体的には。
榮原:シンプルなんですけど、やっぱりスピードが足りないなと思っていて。大会前の互いに競うタイムトライアルっていうのが何回かあったりしたんですけど、そういった時、今自分たちが他の大学と比べてどのくらいのポジションでいるのかってなったら、自分たちが掲げる目標と結果だったりタイムだったりが追いついていないと感じる。なので、自分はすごいシンプルなんですけど、スピードが足りないなって思っています。
飯田:そうですね。榮原が言った通り自分もスピードが追いついてないなって思うのと、あとはレースに向けての気持ちの作り方といいますか。どうしても練習と試合とで焦りだったりとかが生まれてしまって、練習でやってきたことがレースで出せないっていうことが割とこのクルーではあるので、そういった気持ちの作り方みたいなところをもう少し大会に向けてレベルを詰めていきたいなと思っているところです。

―クルーの持ち味はどういったところですか。
榮原:自分と飯田に関しては2年生のインカレ、3年生のインカレ・全日本、今年のインカレ・全日本、と全部同じクルーで乗っていて。佐藤に関しても、2年生の時は一緒にクォードを組んで。ボートってすごい抽象的なやりとりが多いので、自然(水)を相手にするので伝えたいことなど意識を共有し合えるっていう部分が大きいのかなって思います。
佐藤:2000㍍のレースって結構体力的にもきついことが多いんですけど、飯田の掛け声に反応して、きっちり4人できついところでも耐えてもう1回タイムを上げられるっていうのがこのクルーの強みかなと思います。
飯田:割とみんな身長が大きくない小柄な選手が集まったクルーなので、だからこそ高い回転数で2000㍍を漕ぎきる力があるところは1つ強みなのかなと感じています。

―最後の大会に向けて、自身のアピールポイントは。
榮原:アピールポイントかぁ。立大は初心者から始める人がすごく多い。自分は高校1年生、中3の終わりくらいからボートに乗り始めてもう7年目とかになるので、結構長い間ボートに携わってきたっていう思いというか。自分の中で長い歴史みたいなものが結構あるので、その思いを全部ぶつけることができたらなと思っています。
佐藤:僕がボートを始めたのは大学生になってからなので、今年で3年半くらい。その3年半はきついこととか悔しいことが圧倒的に多かったんですけど、それを乗り越えて、きついことを超えて来たっていうメンタルの部分が自分のアピールポイントかなと思います。
飯田:僕はほとんどの大会で1番後ろのバウっていうみんなを見渡せるポジションに乗ってきて。自分からレース展開を見極めて声をかけるっていうのを、同期の中では1番してきたかなという風には自信がある。その経験を活かして、冷静な判断でクルーを勝利に導くような掛け声ができたらなと思っています。

―4年間を振り返って、今の心情はいかがですか。
榮原:インカレが本当は9月末に開催予定だったのが10月末にコロナの関係で延期っていう風になったんですけど、9月に入ったくらいの頃、延期が決まる前の1、2カ月前くらいは結構寂しい想いというか。ついに終わるのかっていう気持ちだったんですけど、一旦延期されちゃって寂しさみたいな気持ちよりは延期したんだったらこの1か月できることをもっとやろうみたいな気持ちの方が強くなって。今は寂しさっていうよりも残りの数週間で何ができるかとか大会で結果残せるかっていうところばかりを意識して自分の中では結構燃えているなと思います。
佐藤:僕はもうすぐボート引退っていうこともそうなんですけど、最近昔の写真を見返したりしてて。3年半一緒に寮で生活してきたので、そのメンバーとももうお別れかと思うと全員で悔いがないように終わりたいなと思います。
飯田:割とみんな寂しいとか寮から出たくないっていうんですけど、僕はちょっとコロナの制限が厳しくてやっと解放されるのかっていう気持ちもある(笑)。でもそれに伴って、やっぱり最後だから何が何でもやり切ろう、やってやろうっていう燃える気持ちっていうのを今は持ってますね。

―同期として、お互いの存在は。
榮原:もしかしたら違うコミュニティだったら友達になってないかもしれないような人たちだなっていう風に思ってて、1個ボートっていう手段と日本一になろうっていう目的があるからこそみんなで一緒になれるっていうところがあって。だからこそ友達っていうよりもそれこそよく言うことですけど兄弟だったりに近いのかなって。自分が思ったことを率直に言えますし、相手のこととかも気持ちとか考えとかもそんなに尊重せずに伝えられるっていうことは結構家族に近いのかな。友達ともいえず家族ともいえずっていうところだと思うんですけど、そういう存在なのかなって思います。
佐藤:僕も榮原が言ってたみたいに、同期とクラスメイトだったらそんなに遊ばないんじゃないかなって思うことが結構あって。でもずっと、絶対こいつには負けたくないみたいな思いが結構あったので、お互いを高め合えるような仲だったのかなと思います。
飯田:僕も普通の友達とは違うなっていう感覚はあって。結局なんて言うんですかね、最後に自分の中で戻ってくるのは同期なのかなっていう風に。悩んだり、何か練習の時うまくいかなかったりとか、そういった時に結局最後には同期に頼る自分がいますし。すごい信頼関係が知らず知らずのうちに生まれていたような、やっぱそれこそ友達以上家族未満みたいなそんな関係なのかなと思います。

―主将としての1年間を振り返っていかがですか。
榮原:ありえないほど多い後悔が残ってました。自分もこんなに大きな組織を運営するというか、中心に立つのが初めての経験でしたし、自分が理想としてる自分自身の人物像やチーム像を再現しようとした時、それに伴っていろんな障害がでてきて。でもこれの乗り越え方はわからない、みたいな。そういうところで、たくさん苦労したし同期や後輩に迷惑かけたなっていうところが多くて。自分自身はやっぱりすごくたくさん後悔が残っています。

―2人から見て主将としての榮原さんはどんな人ですか。
佐藤:これまでの主将は俺について来いっていうタイプが多かったんですけど、榮原はいい意味でそういうタイプの主将じゃなくて。結構4年生って1年生からしたら近寄り難い存在だと思うんですけど、榮原の存在もあってか今の1年生4年生は例年に比べて距離が近いように感じますし、そういう意味ではすごく、いい意味で職を全うしてくれたのかなと思います。
飯田:例年の主将と比べて割とほんわかな雰囲気で。それこそ佐藤も言いましたけど、後輩でも接しやすいというか。割と意見を言いやすいような主将だったのではないかなという風に自分自身は思っているので、立教ボート部の強みというか、良い雰囲気の一つであるアットホームさみたいな、上下関係の先輩後輩の仲の良さみたいなところは榮原のキャラも相まって、良い雰囲気を作れたのかなと思います。

―スローガン「真価」は体現できていますか
榮原:例年とは少し違ったっていう部分では、ある意味で体現されているのかなと思います。近年、毎年1人は秀でた選手が必ずいて、その選手がチームを引っ張っていっているような形だった。今年に関しては日本代表を務めるような選手がいなくて、そういった意味でそれでも自分たちの真の価値を見出して勝ちに行こうっていうところで真価というスローガンをつけたっていうこともあるので、例年の立教の形にとらわれずにいろんな取り組みにチャレンジできて来たっていうのはある意味体現できたってことなのかなと思います。

―最後に、インカレと全日本のそれぞれの目標をお願いします。

榮原:順位に関してはもちろん優勝を目指してます。全日本・インカレが同時に開催される形になるので難しい部分ではありますし、全日本に関して正直どんな奇跡が起きても叶わないような社会人クルーが出場してたりするので、安易に優勝なんて使いたくもありませんが。インカレに関しては本当に優勝、あと2週間優勝目指して練習してくつもりですし、全日本に関してもどんなに勝てない相手、クルーだったとしても絶対にその0.01%でも望みがあるんだったとしたら、それを絶対に諦めずに、絶対1人も諦めずにレース最後まで1000㍍漕ぎきることが自分の目標です。
佐藤:優勝目指してやってます。確かに社会人チームとか結構強いんですけど、本当にゴールするまで何があるかわからないスポーツだと思うので、最後まで全力でやろうと思います。
飯田:優勝目指して取り組んで、やっぱり高い目標目指さないと高いところには行けないという風に僕自身思っていますので、本気で優勝を狙いに行くような取り組みをしようとこのクルーでは共有しています。しっかりと最後まで優勝を本気で狙いに行くような練習や取り組みをしていきたいなと思っています。

無観客開催のため選手に直接声援を送ることはできないが、代わりに自宅で画面越しに選手の勇姿を見ることが可能だ。詳しくは日本ボート協会ホームページへ。

(取材・簗田明、田川怜奈/編集・冨田夏希)

関連記事一覧