【野球部】ついに迎える天下分け目の戦い、春の雪辱を果たし勝利を掴め! 〈秋季リーグ戦 慶大戦展望〉
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春と同じ悔しさはもう味わわない。秋季リーグ開幕から5勝1敗。リベンジを誓うタテジマ戦士たちは今季も首位で大きな山場、慶大戦を迎える。悲願の賜杯奪還に向けて11季ぶりの勝利を掴むことはできるのか。陸の王者にRIKKIOが立ち向かう!
スキのない鉄壁守備を打ち崩せ!
名門・慶大の持ち味と言えば最強の攻撃陣。しかしそれを支えているのは、スキのない鉄壁守備から生まれる絶対的な余裕だ。投手陣を引っ張るのは森田(4年=慶應)と増居(3年=彦根東)の二枚看板。昨春は2人で防御率1位と2位のタイトルを手にし、優勝へ貢献した。塾のエース・森田は最速150㌔を誇る右腕。1年次から先発としてマウンドに立ち、投球王国の中でも常に輝きを放ってきた。昨春の対戦では、7回で僅か1得点。針の穴を通す制球力でカットボールやスライダーといった変化球を低めに集め、立大打線を翻弄(ほんろう)した。RIKKIOナインが未だに攻略できていない絶対的エース。勝利の道を歩むためには、何としてでも森田から点が欲しい。そして森田と共に先発の柱を担うのが、左腕・増居だ。昨春はリーグトップの4勝をあげ、ベストナインにも選出。間違いなく来年のドラフト候補の筆頭になるだろう。今季も東大2戦目では6回2安打7奪三振の好投。キレの良い直球と変化球を織り交ぜ、スコアボードに0を重ねた。安定感を誇る増居からどれだけ安打を奪えるかがカギとなりそうだ。層の厚い慶大ブルペンは中継ぎにも油断ができない。守護神・橋本達(3年=長田)を筆頭に、最速152㌔左腕・生井(3年=慶應)や渡部淳(3年=慶應)にも要注意だ。そんな投手陣の強さを引き出す不動の女房役を務めるのが主将・福井(4年=大阪桐蔭)。168㌢と小柄ながらも冷静に状況を俯瞰し、グラウンドで大きな存在感を放つ。現在は3季連続でベストナインを獲得している、まさに頼れる主将だ。タテジマの勝利のためには、「若き血」を燃やす陸の王者の原動力を止めることが必須となる。加えて守備陣の圧倒的なミスの少なさが厄介だ。中堅手・渡部遼(4年=桐光学園)を中心に、春のチーム失策数はリーグ最小の3。危なげない守備で反撃の隙を与えない。慶大の堅実な守りにいかに対応できるかで、RIKKIOの雰囲気も変わりそうだ。
慶大守備を打ち崩すための主軸はやはり、4番・東(社4=福岡大大濠)だろう。法大2回戦では、相手エース・山下輝(4年=木更津総合)の渾身の一球を弾き飛ばす本塁打を放ち、猛打賞の活躍を見せた。勝負所で一発が決まるタテジマの主砲の活躍に注目したい。そして、東と共に4年生としてチームを支えるのが主将の太田(コ4=智辯学園)だ。スタメン復帰した前試合、復活を誓う2安打3打点で勝利に貢献。頂点へ向け、人一倍想いを馳せる主将の熱いプレーに期待がかかる。さらにタテジマの下位打線を引っ張るのが、今季好調の黒岩(法3=静岡)だ。法大1回戦では念願のリーグ戦初本塁打。今最も波に乗る正捕手が、打撃でもチームの勢いを加速させるだろう。
ドラフト指名2人を抱える六大学最恐打線に臆するな
どんな場面でも点を取れる最恐の慶大打線。歴代最高レベルとも言える攻撃陣で、34年ぶりに全日本選手権優勝の座を掴み取った。逸材が揃うナインの中でも、抜群の破壊力を持つのが主砲・正木(4年=慶應)だ。先日行われたドラフト会議では、福岡ソフトバンクホークスから見事2位指名。プロへの道を決定させた。大学通算本塁打数はリーグ1位タイの10本。通算安打数も55本と、向かう所敵なしだ。昨春、優勝をかけた天王山となった春季リーグ2回戦、同点で迎えた場面で勝負を決定付けたのが正木の3点本塁打だった。もう1人、オリックスバファローズからの4位指名を受けプロ入りを決めたのが韋駄天・渡部遼だ。全日本選手権では首位打者に輝き、走攻守揃ったオールラウンダーと言える。ラストシーズンとなる今季も、打順を先頭に上げ全試合2安打以上を記録。塁に出したら勢いが止まらない怖い打者だ。陸の王者の名を誇る打線は他にも強力揃い。4番・正木と今季クリーンアップを務めるのが廣瀬(2年=慶應)と下山(3年=慶應)だ。昨春は共にチーム首位の14安打と大暴れ。勝負強さが光る長打力に警戒が必要だ。そして忘れてはいけないのが主将・福井。扇の要としてしっかり打点を挙げ、名門の攻撃を活気づける。六大学最恐の布陣が率いる上位打線相手に、RIKKIOの投手たちがどんな活躍を見せるのか、見ものである。
まず先発登板が予想されるのが、池田陽(コ2=智辯和歌山)だ。昨春は王者の猛攻にリズムを崩し、大量得点を与えてしまった。その屈辱を晴らすべく、持ち前の変化球を織り交ぜた緩急のある投球で、慶大打線を全力で抑えてくれるだろう。池田陽と同様、春の悔しさを持ち合わせるのがタテジマのクローザー・宮(営3=國學院栃木)だ。防御率0と波に乗っていたはずの対慶大2回戦、初めて失点を与えたのが正木の本塁打だった。今季は未だ不調が続くが、勝利に向けてカギとなる投手であることは間違いない。他にも、3カード連続で池田陽と共に先発を務める荘司(社3=新潟明訓)、先日初めて勝利投手の名を手にした野口(コ2=東海大相模)、最後のリーグ戦にして背番号18を引き継いだ栗尾(コ4=山梨学院)も安定感を放つ投球でここまで勝利に貢献してきた。覇者・慶大相手に、投手陣総力で粘り強いプレーを展開して欲しい。
精鋭揃いの陸の王者を前にして、怯むことは絶対に許されないタテジマ戦士たち。11季ぶりの勝利、そして悲願の頂点を手にするべく、想いを一つに勝ち点を奪いに行く。悔しさをバネに成長を遂げたRIKKIOナインによる、反撃の幕開けだ!
(10月15日・三俣心葉)