【準硬式野球部】期待のフレッシャーズが躍動!秋リーグの新戦力となるか
◆2021年度東京六大学準硬式野球春季木村杯新人戦◆
5月30日 対法大 早大東伏見グラウンド
昨年はコロナ禍で開催できなかった春季新人戦。今年は運営の努力もあり、無事に開催することができた。しかし、観客の入場制限・ベンチでのマスク着用など例年通りとはいかない部分も。そんな状況下ではあったが、選手たちには関係なかった。試合前、怒号にも似たような大きな声がグランド中に響く。リーグ戦よりも気合いの入り方が伝わる立大の円陣。観戦に来た私たちも自然と力が入った。
粘りの上岡
新人戦優勝に向けて、立大が先発のマウンドに送り込んだのは1年の上岡(社1)。初回の立ち上がり、先頭にいきなり四球を出すと味方のミスも重なり、無安打で先制を許してしまう。しかし、その後はランナーを出しながらも粘りのピッチングで6回まで投げ切る。学生コーチの佐藤(文3)も「いい意味で予想を裏切られた」と称賛した。打たせてとる投球スタイルは昨年引退し、社会人野球へ進んだ泰道(21卒)を彷彿とさせた。「リーグ戦でも投げると思う」。来秋における新戦力の一員なのは間違いなさそうだ。
立大式マシンガン打線
先発の上岡が粘りを見せるものの、打線は相手先発を捉えきれずにいた。毎回のように走者を出すが、あと1本がでない煮え切らない展開。7回裏、上岡のバトンを受け取ったのは、なんと前日に100球以上を投げ完投した川瀬(コ2)だった。自分から志願し、登板した川瀬だったが、疲労の影響もあってか失点してしまう。なんとか逆転したい野手陣は8回表、先頭で途中出場の水野が安打で出塁すると、一死から9番・橋本の二塁打、1番・吉野(コ2)の三塁打、2番・白石(済2)の左前で一挙3得点。追いつくことに成功した。1度火がつくと止められないこの打線の爆発は、さながら90年代の横浜マシンガン打線。ベンチも今日一番の盛り上がりを見せる。しかし、勝ち越すまでには至らず、その裏1点を取られ惜敗した。
大人なチーム
試合には負けたが、新たな戦力となる1、2年生が活躍した。新世代の魅力は「3年生が持っていない、いい雰囲気」と佐藤は語る。一言で表すと「大人」。試合中の雰囲気や試合前の声出しから、どちらかというと「フレッシュないきいきとしたチーム」という印象を受けたので、「大人」という回答は意外だった。どんなところが「大人」なのかというと、ミスジャッジのように普通は悪い雰囲気になりがちな場面でも、「集中していこう」などの声が飛び、ベンチの雰囲気をいい方向に持っていく。こうした「大人」な対応で相手に流れを渡さないことが1、2年生の特徴。試合中は自主的に声を掛け合い、相手投手の注意点などを共有している。「サインを出しているだけ」と司令官に言わせるほど自立したいいチームだ。あとは経験を積み、多くの1、2年生がレギュラー争いに食い込めば、部全体の戦力底上げも間違いなしだ。
今日のM V P
試合で指揮を振るった佐藤が選ぶ今日のM V Pは、リーグ戦でも4番を打ったことがある藤井(社2)だ。彼の魅力はなんといってもその打撃力。「大事なところで打ってくれる」。今日の試合も5打数3安打とチャンスメイクに貢献した。ベンチにいても存在力を発揮し、声出しでチームの雰囲気づくりを引っ張った。来秋、立大が優勝するために必要不可欠な戦力。彼の今後の成長に期待がかかる。
(5月31日・渡部広大)