【野球部】4年ぶりの優勝を決められるか!強敵・慶大との頂上決戦 <春季リーグ戦 慶大戦展望>
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遂にRIKKIOは今季最大の山場、慶大戦を迎える。先週無観客の中行われた東大との2連戦は、劇的勝利と大量得点で見事勝利を収めた。いまだ無敗を保つ好調タテジマ戦士たち。2位慶大との頂上決戦を勝ち抜き、優勝を決めることはできるのか。
六大学最強の投手陣を攻略せよ
最後に慶大から白星を挙げたのは2018年の秋。しかしこの時も負け越しており、最後に勝ち越したのは2016年春。タテジマナインは慶大から5年ぶりとなる勝ち点を奪取するべく、「一進」で立ち向かう。
今季も暫定2位に位置し、さすがの結果を残している慶大。チームを支え、勝利へ導いているのが森田(4年=慶應)、増居(3年=彦根東)、橋本達(3年=長田)の3投手だ。最も分が悪く、攻略しきれないのがエース・森田。昨秋にも対戦し、8回1得点に抑えられた苦い思い出がある。開幕投手として登板した法大戦は勝ちこそつかなかったものの、6回4奪三振無失点という好成績を残した。東大戦では自己最多となる12奪三振で完封勝利の活躍。そんな彼の持ち味は、140㌔台前半の直球と抜群の制球力だ。そして立教健児たちがいまだに捉え切れていないカットボール。ここまで4試合に登板し防御率1.27と、六大学全体で見ても投手成績1位を誇っている。今最も波に乗る投手・森田を打ち崩し、先制点を奪うことが勝利への第1歩となりそうだ。その森田とともに主戦投手を担っているのが増居である。今季は勝率100%、リーグトップの勝ち星3を挙げている。直球は最大142㌔と特別速くはないが、毎試合奪三振ショーを見せる強力ピッチャーだ。防御率も森田に次ぐ1.42で、法大戦では11奪三振の好投で勝利に貢献した。いかに増居に翻弄されず、安打を重ねられるかが得点のカギとなる。そして、抑えの場面で重宝されているのが橋本達だ。主戦力としては1年目だが、今季はチームトップとなる5試合に登板し自責点はたったの1。抑えにもかかわらず多くの試合で2イニングを投げており、今では守護神として最も信頼を置かれている右腕だ。決め球のフォークに惑わされず、最後の1球まで諦めなければきっと勝利が見えてくる。
六大学最強ともいえる慶大投手陣を、チーム打率3割超えの好調RIKKIOナインが迎え撃つ。打率.417を記録する活躍を見せている宮﨑(コ3=大阪桐蔭)、東に期待が高まる。2盗塁を決めている宮﨑の足で相手投手を乱し、得点のきっかけを作りたいところだ。首位打者候補と言われている絶好調の東は、ここまで持ち味の長打力を活かし暴れ回っている。そこで注目が集まるのが、その前を打つ4番の山田(コ3=大阪桐蔭)だ。六大学でトップタイの7得点を決めている山田と絶好調東の前にどれだけ走者をためられるかがカギとなるだろう。慶大戦では1点を奪い合う試合展開が予想される。泥臭くとも繋ぐ意識を持ち、全員で勝利を目指していく。
下位打線まで長打力のある慶大打線に警戒
投手陣の好成績が目立っているが、打撃でもしっかりと結果を残している慶大。チーム打率は.244と高くないが、全大学で2位の36得点を奪っている。この得点獲得の一因は、四死球の数だ。6試合を戦ってきた慶大がこれまで与えられた四死球は36。同じ試合数で次に多い早大とは10もの差がある。球を見極め、チャンスメイクができている慶大打線。いかに与四死球を減らせるかが重要になってきそうだ。
今季コンバートを積極的に行っている慶大。そして、特にその「コンバート組」3選手の打撃に警戒が必要だ。まずは、昨秋自身二度目となるベストナインを受賞した5番下山(3年=慶應)。今季チームトップの打率.391の活躍を魅せる好調下山は、その人間性と勝負強い打撃から絶大な信頼を置かれている。2019年秋には、立大・山田と首位打者争いをしたこともある強力スラッガーだ。開幕戦は遊撃手として、現在は本職の三塁手としてスタメン出場している。その下山につなぐのが、外野手から一塁手に転向した副将・正木(4年=慶應)だ。今春すでに2本の本塁打を放っており、本塁打数と打点数では現役選手最多記録を持つ。ドラ1指名の呼び声高い正木は、慶大の4番として唯一無二の戦力になっている。そして、特に警戒が必要なもう1選手は廣瀬(2年=慶應)だ。昨年は一塁手、開幕戦は三塁手、最近の試合では二塁手と、内野を転々としている廣瀬。今季は不調ながらも、ここまで放った6安打のうち5つが2塁打と、武器の長打力が光っている。昨季は10試合に出場して打率.351を残しているだけに、復調されると厄介な先頭打者である。
そして、下位打線を打つ捕手・福井(4年=大阪桐蔭)にも油断は厳禁だ。堀井監督から絶対的信頼を寄せられている主将。慶大では8番打者だが、他大に行けば間違いなくクリーンアップを打てる実力を持っている。コンバート組を切り抜けてもなお福井が待ち受ける強力打線を、タテジマ投手たちは抑えられるのか。
そんな慶大打線相手に先発登板が予想されるのは、池田陽(コ2=智辯和歌山)だ。今季5試合で試合を作り、今ではRIKKIO不動のエース。最速150㌔の速球でチームを勢いづけるピッチングが期待される。中継投手は、野口(コ2=東海大相模)、石元(コ2=佼成学園)の2年生コンビ。2投手ともに4試合で投げ、いまだ失点は0の好成績を残している。若手がチームを盛り上げ、勝利へ導く活躍を魅せられるか。そして、その後を昨季から勝利の方程式を担っている栗尾(コ4=山梨学院)、宮の安定した投球で締める展開が理想だ。
負けなしで迎えた2位慶大との優勝が懸かる重要な試合。立教健児らしい元気さを全面に出し、観客席を沸かせる展開を見せてくれるだろう。「一進」で今季最大の正念場を乗り越え、4年ぶりの頂点奪取を目指す。
(5月11日・冨田夏希)
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