【野球部】狙うは４年ぶりの頂点！　後半戦に向け勝利に弾みをつけられるか　＜春季リーグ戦　東大戦展望＞

 

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無観客開催となった対早大２回戦から２週間。ここまで無敗のタテジマ戦士たちは後半戦に向け、一層強さに磨きをかける。勢いが止まらない「RIKKIO」は４年ぶりの王座奪還を果たすべく、勝利の糸を手繰り寄せることはできるのか。次戦の相手・東大にも粘り強さを見せつけて一進を続けていきたい。

バラエティに富んだ東大の継投策を打ち崩せ！

昨年の秋季リーグでは東大に勝ち点0.5を与えてしまったタテジマナイン。東大投手陣の継投を前に勝ち切ることができなかった。昨年同様、今年もここまで複数人の継投で試合に挑み続ける東大投手陣の中心は３人の投手だ。開幕投手を任されたのは、130㌔台前半の直球とカーブ、スライダーを織り交ぜた「打たせて取る」スタイルが武器の井澤（３年＝札幌南）。与四球は多いものの被弾は少なめで奪三振率もチーム内では優秀だ。しかし昨年の春季リーグでは立大に６失点を与えるなどと相性が悪い。昨年のリベンジに燃える井澤の長身から繰り出される変化球に、今年もRIKKIO打線を繋げることができるか注目だ。昨秋優勝の早大戦２戦目の投手は西山（３年＝土浦一）と小宗（４年＝私立武蔵）。２人で９回を投げ切り無失点リレーで勝ち点を分け合った。緩いシンカー系統のボールを使いこなしは打者のタイミングを狂わせる西山。慶大戦でも先発を任されるほど監督からの期待も大きいが、投球には不安定さが表れる。一方、早大の強力打線を６回２安打に封じた４年の小宗は変則のサイドスロー左腕の持ち主。東大ブルペンを支えるリリーバーは、さすがの頭脳を使いこなしアウトコースを活かした低めの制球を見せつける。加えてマウンド度胸も忘れない。９回２死２塁でピンチを迎えた場面。早大の主砲・蛭間（３年＝浦和学院）に対しても果敢に勝負を挑み、アウトコースのスライダーで三振を奪った。立大戦でも登板が予想される２人の投手に対しどう得点を重ねていくかが勝利へのカギとなる。

他にも多種多様な持ち味を揃える東大投手陣。打ち崩すには「一体感」を駆使した全員野球の発揮が不可欠となりそうだ。特に中心となるのは、太田、山田（コ３＝大阪桐蔭）、東（社４＝福岡大大濠）のクリーンアップ。主将の太田の足を使った攻撃をきっかけに、早大戦で既に本塁打を放っている山田の長打に期待が高まる。並びに連日の活躍で勢いが止まらない立大の大砲・東。最終学年の今季、頼れるパワーヒッターの更なる飛躍に目が離せない。３人の活躍を筆頭に好調の波に乗るタテジマ打線。守備陣の乱れを突いた攻撃で打者それぞれが魅力を発揮し、目指すは大量得点だ。

チームの主力が率いる東大打線に油断とミスは禁物だ

東大のリーグ戦白星は2017年でストップしている。勝利を経験した選手がいなくなったチームを率いる主将は昨年正捕手を務めた大音（４年＝湘南）だ。2019年の２年生シーズンからレギュラーとしてリーグ戦出場を果たしており、立大相手に初めての本塁打を決めている。その打撃力から今年の春は捕手から三塁手にコンバートし、３番打者として役割を果たす。連敗を止めるべく変革を掲げる主将の一撃に油断はできない。そんな大音から正捕手の座を受け継ぎ、春のマスクを被るのは松岡泰（３年＝東京都市大付）。１年次から大音とレギュラー争いを演じたキャッチング能力は伊達ではない。ミットを止めて一球一球をしっかりと受ける捕球と強肩を生かしたスローイングから次々と盗塁を刺す。俊足が多いタテジマとの矛盾勝負が楽しみだ。松岡泰の持ち味は捕手能力だけではない。ここまで全チームに対し安打を放ち、３打点を挙げる勝負強さは東大下位打線の要となる。一方の上位打線、東大の主砲を務めるのは異質な経歴を持つ24歳の副将・井上慶（４年＝県長野）だ。175㌢95㌔の巨漢で迫力のあるプレーを演出し、攻撃の軸をとなる。早大との開幕戦では、今秋のドラフト候補・徳山（４年＝大阪桐蔭）から３安打を放ち、接戦へと持ち込んだ。再受験で掴んだ憧れの東大野球部のスタメンとして、ラストイヤーの１勝に懸ける思いは侮れない。続く５番打者は井上慶と共に副将を務める水越（４年＝明和）だ。東大野球部に入部後、捕手から三塁手にコンバート。今年は主将の大音が三塁手に入ったため、二塁手としてチームの役目を全うすることとなった。昨年までは代打としての出場が多かった中、今春は打率３割を維持し存在感を発揮する。明大戦では得点には繋がらなかったものの３安打を放ち、慶大戦でも適時二塁打でチームに貢献。調子を上げて迎える立大戦での活躍には警戒が必須である。昨季のレギュラーは大音１人とチームとしての経験が浅い東大ナイン。内野の守備経験の浅さを賄うべく、頭脳とパワーを生かした個人の打撃力でタテジマに立ちはだかる。

対するRIKKIOの投手陣の注目は開幕から４戦連続先発を務める池田陽。東大戦でも先発が予想されるエース候補の堂々とした投球で打線を勢い付ける展開が望ましい。また、早大戦で見事なピッチングを魅せ、好調をキープする宮（営３＝國學院栃木）にも期待が高まる。「抑えとしてしっかりリードを守り切るピッチングができるように頑張る」と、自身の役割をしっかりと認識してブルペン陣を支える。その他、栗尾（コ４＝山梨学院）や野口（コ２＝東海大相模）を含めた継投で東大打線を封じ込め、チームに流れを引き込むことができるかがカギとなる。

開幕から負けなしと立大の快進撃は止まらない。法大、早大相手に積み重ねた貴重な勝ち点3.5を伸ばすことができるのか。無観客で際立つ、タテジマ戦士たちの「一進」への思いが優勝に向けた軌跡へ火蓋を切る。

（５月５日・三俣心葉）

 

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