【野球部】今年は一味違うタテジマ軍団が、最強二枚看板に挑む!! 〈春季リーグ戦 早大戦展望〉
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開幕カード負けなしと幸先のいいスタートを切った立大ナイン。対法大1回戦では土壇場で同点に追いつく粘り強さを見せた。続く2回戦でも投手戦を制し、今季初白星を挙げた。副将・栗尾(コ4=山梨学院)も「接戦をものにしてきて、今年の立大は一味違う」と自信を覗かせる。2カード目の対戦相手は、昨秋覇者の早大だ。優勝へ”一進”したい立教健児に投打共に隙のない強敵が立ちはだかる。
早大二枚看板の徳山・西垣を攻略せよ
早大の魅力といえばやはり、徳山(4年=大阪桐蔭)と西垣(4年=報徳学園)の二枚看板だろう。ドラフト候補でもある徳山の特徴は柔らかい腕の振りだ。その右腕から放たれる球は最速150㌔を超え、打者の手元で大きく変化する。打者から見れば厄介な投手であることは間違いない。四死球が少ない制球の良さも徳山の持ち味の1つだ。立大は昨春の対戦時にはあとわずかでノーヒットノーランのところまで追い詰められてしまった。しかし、昨年の秋リーグでは調子が悪くリーグ戦で一勝も挙げることができなかった。悔しさをバネにさらなる成長を遂げた徳山から得点を奪い取ることができるのか。西垣の長身から繰り出される直球と変化球には多くの選手が翻弄(ほんろう)されてきたに違いない。オープン戦では社会人・Hondaを相手に5回1安打の好投を魅せ、成長した姿を周囲にアピール。先週の開幕カード2回戦目に先発し、8回を投げ10個の三振を奪った。課題としていた「3巡目にいつも捕まる」ことを克服し、東大打線を完璧に封じ込めた。プロの世界を目指し大きく飛躍した西垣を相手にどう立ち向かうのか。勝利を手にするためには、2人の攻略が必要不可欠だろう。
鉄壁投手陣を前にロースコアゲームが予想されるが、勝ち切るためには井上剛の守備が欠かせない。巧みなグラブさばきで、投手陣を援護する。前カードでもファインプレーを連発するなど、井上の守備には目を見張るものがあった。打撃でも主軸へと繋がる二番を任され、監督から大きな期待を寄せられていることがわかる。そして、得点獲得の要となるのは立大の大砲・東(社4=福岡大大濠)だろう。対法大戦では適時打を含む3安打を放ち存在感を見せつけた。チーム内打率1位を誇る東の強みを最大限活かすためには4番・山田(コ3=大阪桐蔭)の復活が絶対条件だ。開幕カードで快音は聞こえなかったが、持ち前の勝負強さを武器に必ず勝利に貢献するだろう。攻守が揃った最強ナインが早大投手陣を打ち崩す。
ブルペン陣全員で勝利を引き寄せる
早大打線は実力派揃いだ。打線の核を担うのは蛭間(3年=浦和学院)である。対東大2回戦では現役選手単独トップの通算7本目の本塁打を放った。蛭間の豪快な一発には警戒したい。そんな蛭間を脇に4番に座るのは正捕手番号6番を背負う副将・岩本(4年=大阪桐蔭)だ。強肩が武器の岩本から盗塁を奪うのは至難の技だろう。打撃面でも対東大一回戦で2点適時二塁打を放つなど、得点力に長けている。大砲・蛭間と打撃・扇の要である岩本をいかに抑えられるかで、命運が分かれるだろう。昨秋のリーグ戦でリーグ最多タイの10打点を記録した主将・丸山(4年=広陵)も忘れてはいけない。本大会ではまだ安打を放っていないが、いつ目を覚ましてもおかしくない。丸山の前にランナーを出さないのが得策だ。
ブルペン陣にリーグ経験者が少ないのが現状だ。そんな救援陣を引っ張るのは経験豊富な栗尾と宮の2人。投手チーフでもある栗尾は開幕カード両日ともに登板し、打たれた安打はわずか1本。安定した投球と鋭いスライダーで次々と打者を打ち取り、リーグ戦初勝利を収めた。今季、抑えを任されたのは宮。「緊迫した場面で投げることが楽しい」。持ち前のマウンド度胸の強さで、必ずチームを救ってくれるだろう。先発が予想されるのは池田陽(コ2=智辯和歌山)だ。開幕カードでは連日先発を任され、強力法大打線相手に堂々たるピッチングを魅せた。野口(コ2=東海大相模)と石元(コ2=佼成学園)の2年生コンビが神宮デビューを果たし、今後の活躍が期待される。想定内をどれだけ増やせるかが勝利に近づく鍵となる。
(4月23日・坂東和奏)
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