【男子ラクロス部】 #10月クローズアップ対談企画 主将・立川×副将・後藤が語る SAINTSへの思い

笑顔を見せる主将・立川(社4=右)と副将・後藤(営4)

 

今回は、主将・立川(社4)、副将・後藤(営4)にSAINTSの魅力と、自分自身のモチベーションについてお話を伺った。最強世代と呼び声高い4年生が思う、現在のSAINTSとは。何をモチベーションにして、彼らは日々奮闘し続けているのか。その思いを、覗いてみた。

 

――男子ラクロス部の魅力は何ですか

 

立川:皆自分がやりたいことや、何かしらの思いを思って男子ラクロス部に入部すると思います。ラクロス部は経験者がいないというのが特徴です。その中で、色々な思いを持ってやってくる人がいます。例えば挫折を経験して新しくスポーツを始めた人だったり、何か挑戦したいと思って入ってくる人だったり。楽しそうだとか軽い気持ちで入部した人もたくさんいると思うので、そのような色々な人が活躍できる、自分自身が思っているものをこの組織で活かしたいという思いが募り募って、現在1つのSAINTSという組織になっているのかなと感じます。

 

後藤:今年のチーム方針でもあるのですが、試合に出ている人だけが活躍する部活ではないという所と、勝つために試合に出ていない人にも役割があるという所が魅力だと思っています。簡単にいうと、色々な人が活躍できる役職や、立ち位置がある所だと思います。そうすることで、立川も言っていた通り、色々な人が男子ラクロス部に入ることができる様になったと思います。特に新歓やラクロスの技術面以外の集客活動にもフォーカスできる様になるので、色々な人が活躍できる環境が魅力かなと思っています。1人1人に貢献の仕方があるし、その貢献から1人1人が成長できる環境がある所ですかね。

 

――7月のお二人の対談のブログを読ませて頂いて、立川さんはSAINTSに入部したきっかけが先輩の勧誘で「人の魅力を感じた」と仰っていたと思うのですが、SAINTSに所属している部員の魅力は何ですか

 

立川:ブログには、入部した時の感情を書きました。その時の思いでいうと、人に寄り添える人や、1つの目標に向かって真剣に向かう姿勢というのを入部前から強く感じていました。それを特に感じたのが、高校時代の部活の直属の先輩にあたる方々が、自分に対して向き合ってくれたり、そういう人たちが頑張っている所を、体験会などを含めて間近で見た時ですかね。この組織に興味があると感じました。そういう所の人の魅力は今でもあるかなと思いますね。

 

――全員に目標や役割があるということだったのですが、後藤さんのSAINTSでの目標、自分の役割はどう感じていますか

 

後藤:まだ日本一を獲ったことがない組織で、自分が今シーズン個人的に目標に掲げていたことは、日本一のためにいずれ誰かがやると思いますが、日本一のためにやった方が良いことは今年自分が全てやるということを掲げています。その1つに、自分はフェイスオフという特殊なポジションですが、立大のフェイスオフはあまり強くないというのが1年生の頃からあって。1部にいて日本一を目指す過程にあって、ほっておいても1部中堅レベルにはいけるし、上手くいけば自然と日本一に近いレベルの大組織になれる。誰かがいずれやるだろうという考えもありました。しかしそうではなく、しっかりと自分が日本一を目指す大組織を主体となって作っていこうと決めていました。

相手選手の攻撃を阻む立川

――自分自身のモチベーションについてはどう考えていますか

 

立川:目標を達成した時に、仲間と見る最高の景色が見たいというのが自分自身のモチベーションになっています。これはずっと心にあって、だからこそ今の様な組織を作ってきたかなと思います。9月から特別大会が始まりましたが、一戦目は負けてしまいました。ブロック優勝をするには難しい状況ですが、まだチャンスはあると思っています。チャンスがあるからこそ、難関の壁を超えた時にある景色や達成感はすごいものだという実感が湧いています。それを成し遂げるために今頑張っています。

 

後藤:自分も少し似ているのですが、僕はチームが1つになる瞬間っていうのが好きですし、その瞬間を味わうべく努力しています。それがモチベーションであると思っています。1人1人がラクロス部に入って成長したって自分自身が感じる瞬間ってよくあると思うのですが、それを周りすらも感じるくらい人が変わるというのが、途中途中にあるモチベーションです。特に自分は後輩が好きなので、可愛がっている後輩が成長してよりチームが1つになる瞬間に近づく時が、日々のモチベーションです。目標を達成した時に見える景色っていうのを楽しみに練習など取り組んでいます。

 

――コロナ禍で練習できない日々のモチベーションはどう保っていましたか

 

立川:コロナにより3ヶ月ほど練習できない環境が続きました。その様な先が見えない中でもモチベーションを維持できたこととして、目標を立て、組織としてそれを目指し続けたというのが1番大きな点だと思っています。目標を目指す過程の中で、自分と同じくらいの思いを持った人がたくさんいるし、苦しい期間でしたが頑張り続ける同期や後輩を自分自身見て感じて、そこにとても影響されていました。自分ももちろん頑張りましたが、それ以上に周りの人も頑張っていたのが、その時期での1つのモチベーションだったかなと思います。

 

後藤:3ヶ月間練習できない期間がありました。ラクロスはチームスポーツで、個の力が重要であると思っています。日々1人で行う自主練がとても大事で、この3ヶ月間チームの練習が始まる前に、1人でも上手くなるという点で自主練をやっていました。自分に向き合うことでモチベーションを保っていました。

 

――立川さんはモチベーションという言葉があまり好きではないとブログで仰っていたと思いますが、モチベーションに左右されることなくチームにどのような思いで貢献していますか

 

立川:冒頭のモチベーションという言葉が好きではないという理由は、モチベーションに左右される人というのは自分が中心に動いている人ではないかと考えているからです。自分だけでラクロスをやっていることはほとんどなくて、色々な人への感謝や期待が積み重なって1つの行動が生まれると考えています。なので、モチベーションという言葉で自分をコントロールすることは良くないのではないかという考えが自分の中ではあります。自分の思いとしては、主将としてAチームで1つの目標に対して頑張っていますが、Aチームの主将ではなく、部員が100名を超えている組織の主将であるという思いで活動しています。

全員が「この組織にいて良かった」という思うことができる瞬間というのを目指して今活動しています。だからこそ、自分が今日はあまり練習をやりたくないからといって、やらなかったりしては良くないですし、それがモチベーションに繋がっていると思います。やることはやるし、それ以上のこともやります。モチベーションに左右されないことはそういうことにも繋がると思っています。

 

――立川さんの主将として器の大きさを感じました。副将である後藤さんは、主将である立川さんを客観的にどう見ていますか

 

後藤:立川は、本当にぶれないですね。ぶれないというのは本当に強くて。僕はそのぶれない姿が好きですし、自分もぶれたくないというのは日々思って練習しています。周りにいて1番ぶれないのは立川だなと思っています。そのぶれないというのは、自分の目指している志に、しっかりと覚悟を持って決めていて。実際に150人もいる部活で、最初は反対意見や文句をいう部員もいますが、それでも立川はぶれない所があります。自分の利己的な視点で組織の意思決定をしていたら、チームの反対意見が出た時に、自分で決めたから意思決定がぶれてしまう所を今まで僕は多く見てきました。しかし立川の場合、チームメイトの幸せというのが根本にあるので、その意思決定の元、チームが進むべき方向を決めてくれているのでぶれないのだと考えています。

 

――立川さんのぶれない軸というのはどこからくるものですか

 

立川:試合に出ている人だけ引っ張るという形の主将ではないし、SAINTSという組織はこれから何年も続く組織だと思っているので、会社と同じイメージを持っています。今年だけ良ければいいということではなく、ずっとこの先もこの組織が良くなる様に考えて、成果を出し続けることに着目した時に、自分の中で何となく確固たるものというのが形成されていって、それをずっと部員に伝えているかなと思っています。

 

――それが現在のスローガンである「礎」にも繋がっているということですか?

 

立川:そうですね。

 

――「1人1人を勝因に」という言葉も掲げて活動していらっしゃると思うのですが、それが1人1人に役割があって組織づくりの指針も、その言葉に繋がっているのでしょうか

 

立川:そうですね。

 

――4年生の仲間、同期への思いは

 

立川:10月31日に行われる特別大会第二戦が最後の試合かもしれないし、最後ではないかもしれないというのがあって。それぞれ色々な葛藤はあると思います。かなり難しい相手にはなると思いますが、それを達成した時にすごい景色が見えると思いますし、人生の中で一番嬉しい瞬間というのが訪れると思っています。その景色を本当に今まで頑張ってきたチームメイトと見たい、というのが僕自身のモチベーションです。自分だけではなく皆で見たいです。

 

後藤:次の試合で引退かもしれないし、その先もあるかもしれない状況なのですが、その中で勝つことと、得失点差で上に進めるかどうか決まります。その第二戦の試合結果に最後までこだわり抜きたいというのはあります。同期に言いたいことは、今まで努力してきたからではなくて、この仲間と勝ちたいという思いが一番強いです。最後まで死ぬ気でやろうという思いしかないですね。

フェイスオフで相手選手とボールを取り合う後藤

 

――今のコロナの状況は、最終的な引退試合や具体的な目標、最高の景色などが見えるかどうか分からない状況であると思います。路頭に迷ってしまったり、目標やモチベーションを見出せないような状況下で、部員をまとめていくことの難しさはありましたか

 

立川:100名以上部員がいたら目が行き届きにくいというのはあると思います。だからこそ自分が本当に信頼できる人や自分の思いを分かってくれる人が各学年のリーダーにいて、そのリーダーに自分の思いを話すことで、僕が影響できない所に思いが派生していって、隅々にまで影響が広がっていったと思います。僕自身が仲間に責任を託した時に、僕が思っている以上にチームが良い方向に行ったという実感があります。

 

――自分の意志を上手く継承できていたということですか

 

立川:そうですね。

 

――後藤さんはいかがですか

 

後藤:僕自身の最高の景色や見たい景色は、チームが1つになる瞬間です。イメージとしては、スポーツドラマの様に、自分の実力以上に無意識に力を発揮できることが部員皆に連鎖していくことや、また試合を見ている部員も出ている部員と同じ様に熱くなれるチームでいたいと思っています。それは、日本一を決める全国大会が無くなったという外部環境に左右されるものではないと考えています。ひたすら次の試合に向けて、チームが1つになり見ている人を感動させられる、なおかつ部員全員で喜べたら自分自身の最高の景色かなと思っています。

 

SAINTSという組織、仲間を愛し、ひたむきに努力し続けている立川。自分が革命を起こしたい、自分が出来ることは全てやり遂げたいという後藤を中心に、礎を築き上げてきたSAINTS。 10月31日には特別大会第二戦対中大、11月1日にはBリーグ第二戦対東大が行われる。仲間と最高の景色を見るために、そして彼ら1人1人が勝因となるために、今日もグラウンドを走り続ける。

(取材・編集 小松勇斗 加賀見真央)

 

 

<p class=”well”>「立教スポーツ」編集部では現在の活動状況を鑑み、10月号は紙面の発行を行わず、Web記事(クローズアップ)での情報発信をする運びとなりました。取材にご協力いただいた各部の皆様、ありがとうございました。</p>

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