【拳法部】#10月クローズアップ対談企画 髙橋×高見 今できることを全力で
今回、主将・髙橋(現3)と高見(法2)が自粛期間から現在の活動、拳法部の魅力などについて語った。時折見せる和やかな雰囲気からは2人の関係性の良さが感じられた。(10月9日、zoomにて取材)
自分と向き合った自粛期間
部の対面練習が本格的に再開したのは8月の頭。6月末、昇段級審査のために1週間練習が行われたが、コロナウイルス拡大によって4カ月間は部員各自が自宅でのトレーニングに励んだ。
髙橋)6月から毎晩1時間のオンラインでのトレーニングを再開しました。部員は週3ペースで参加して、モチベーションの高い人は毎日参加していました。
ーオンラインのトレーニング以外には
高見)僕は週5くらいで筋トレや基本の練習をしていましたね。体幹のトレーニングが得意じゃなかったのでそこを重点的に毎日やりました。
髙橋)腹筋とかバキバキなので見せてあげたいですね(笑)
ー今の練習に活きている?
高見)けっこう活きていると思います。
髙橋)部員の多くがジムに通い始めて筋トレを重点的に頑張っていました。自粛期間はオンラインでしか顔を合わせていなかったんですけど、練習再開して会ったら「あれマッチョが増えてるぞ」ってなりました(笑)。分かりやすくガタイが良くなっている人がいたので本当によく頑張ったんだなと思いました。
ーコミュニケーションは
髙橋)自分が主将なので、部員の部活への帰属意識とかモチベーションをどう保とうかなと考えた時に、顔を出してのコミュニケーションってすごい大事だなと思ったので、毎週日曜日の夜にオンラインでミーティングをしました。普段、筋トレだと来ない部員もいるのでミーティングではなるべく全員揃って顔を出すようにして。連絡事項を伝えたり拳法に関する座学をしたり、最後はグループに分かれて雑談をしてコミュニケーションをする機会をたくさん作っていました。モチベーションに関してはかなり苦戦していて自分の目標を決めようというのをやりました。
高見)例えば筋トレを週何回やろうとかここを強化したいとか。
髙橋)目標を達成することをみんなに経験してほしくて、各々自分にあった目標を設定してどれくらいできたかを振り返りました。1カ月ごとに目標設定をしてこなしていました。
ー例えばどんな目標を
髙橋)週3日は必ず筋トレをするという目標を立てました。私拳法は好きなんですけど筋トレが好きではなくて筋トレを頑張ろうと思ったんですけど、なんだかんだ毎日やっていました。
ーコーチや監督の方針
髙橋)基本的に部員主体なので私たちがこういうことをしたいっていうのを監督に相談してじゃあそれでいこうって了承してもらう形でやっていました。監督から指示があったわけではないです。
競技をする上での厳しい現状…、選手を突き動かす原動力とは
現在は週3回の対面練習を行っているものの、ウイルス感染を防ぐため練習をする上でまだまだ制約がある。面をつけて練習する際にはマスク着用は必須。したがって激しい動きをすることは難しくなる。今は防具なしでできる基本練習を行っているが、10月の半ばから1週間ごとに段階的に防具を着けての練習を再開するという。
そんな中、マネージャーは選手たちにとって大切な存在。練習時にタイマーを回したり、道具の消毒を行ったりと重要な役割を担っている。
今年度の大会はほとんどが中止となった。唯一立大が出場するのは12月初頭の全日本学生拳法選手権。選手たちの心境を聞いた。
ー大会がなくなったことについて
高見)自分的にはやっぱり出たかったので練習も試合もないとなるとなかなか厳しいですね。
髙橋)やっぱり実績を残したり活躍したい選手もいるので、自分の目指すべき目標を見失いつつある状況だと思います。その中で自分は拳法を通じて大会での実績以外に何のために練習しているのかを改めて見直すきっかけにもなったのかなと。各々が葛藤を抱えながら練習していたんじゃないかなと思います。
ー今拳法を続けられている原動力
高見)自分は今白帯なので早く黒帯を取りたいですね。あと格闘技が好きなので練習するだけでも楽しいというか。
髙橋)高見君は格闘技オタクなので。
高見)見るのもやるのも好きで、拳法以外に近所のボクシングジムに通っています。
ー拳法を始める前から格闘技に触れていた? 拳法を始めての変化
高見)大学に入る前から少しだけキックボクシングをやっていましたけど。防具が重いので練習だけで基礎体力がかなり上がってくるっていうのと、打ち合うので力もつくので全体的にフィジカルも体も大きくなったと思います。
拳法の防具は7㎏ほどの重さがあるという。他の格闘技と違い、フルパワーで殴ったり蹴ったりするため、その分面には強度が必要になる。
個性爆発!拳法部の魅力
ー拳法部の魅力、強みは
高見)そうですね、うち特有のっていうとまずは人柄が良いっていうのがありますね。そこに惹かれた人がけっこう多いんじゃないかと。
ー入部のきっかけにも繋がっている?
高見)半分はそれといってもいいくらいで、とにかく和気あいあいとしていて皆さん良い人でここ良いなと思いましたね。
髙橋)拳法部は本当にパリピみたいな人がいなくて、言ってしまえば陰キャ寄りの方々がそろっているんですけど(笑)、個性が豊かすぎてキャラがめっちゃたってて、知れば知るほど仲良くなればなるほどクセになるじゃないですけど。刺激の多い仲間たちがいてみんな違うからこそ面白い、それが拳法部ですね。それが魅力かなと。
ーその中で自分の性格を活かして役割は
髙橋)じゃあこれはお互い言いますか。髙見は、意外と天然なんですよ(笑)。練習にも1番たくさん来てくれてモチベーション高くて一生懸命なんですけど、それでいてたまに抜けてるとこがあって、それでみんなズッコケみたいな。愛される存在です。
高見)髙橋先輩は見ての通り、優しくて気配りが上手なので部長というのもあるんですけど後輩とコミュニケーション取るのがいつもうまいなと思っています。
髙橋)良いこと言うね(笑)
高見)自分がしっかりしてなくて申し訳ないんですけど(笑)
髙橋)でも彼は1番拳法にひたむきに取り組んでるからそういうところにみんな刺激を受けてるんじゃないかと思いますね。
また、拳法部は縦のつながりも厚い。今年創部65周年を迎える拳法部。幅広い年代のOBOGが練習に訪れ、新入生の指導、昇段級審査に向けての型の指導などを行っている。
髙橋)年代に関わりなく、もちろん若いOGOBの方は体力もあるので練習相手になってくださいますし、お年を召したOGOBの方も技術面を親身になって教えてくださいますし。あとは部の運営とか心構えとか、社会に出た時の礼儀とか大学生が教えきれないようなところもしっかり先輩方が教えてくださるので、体育会ならではの礼儀も身につくなと思っています。
それぞれの目標に向けて
つい先日、全日本学生拳法選手権が予定通り開催されることが決定した。しかし、ウイルス感染防止、距離の近い競技性の観点から厳しい制限がある。会場には出場する最低限の人数しか行くことができないこともあり、出場しない団体も多いという。立大からは女子のみ出場することになった。
髙橋)正直準備はまだまだですし、防具もつけられていないのであと1か月くらいでどこまで仕上げるかが課題です。でも自粛期間中に基礎体力をつけたり、筋トレ頑張ってフィジカルを強化したり、やれることはやったのでこれから最後の仕上げをするつもりで頑張りたいです。
高見の目標はすぐに控える昇段級審査で黒帯を取ること。普段の昇段級審査は決められた型をやってできてるかを見る型審査と、ポイント制で受験者同士の対戦をし規定ラインを超えるという防具審査がある。今回は対面での審査がなく、型をビデオで撮影して審査本部に送り合否が決まるシステムとなった。
ー合格する確率としては
高見)その分審査も厳しくなるそうなので半分くらいですかね(笑)
髙橋)自信ないな、頑張れ!(笑)。100%って言ってほしかった。
高見)正直自分でも心配なんですけど100%で。頑張りたいと思います。
新入生にも期待大!
今年度入部した1年生は男子4人に女子が3人、うち1人がマネージャーの計7人。アスリート選抜での入部者はいなかったため、全員が新歓期間を経て集まった。
ー1年生は大会に出る?
髙橋)出ないですね。毎年、入部して半年間は出ずに秋学期からデビューなんですけど、今年は練習を始めたのも遅かったのでデビューは来年の4月以降になると思います。
ー経験者はいる?
髙橋)選手6人のうちの3人が高校までに柔道を経験していたり、空手やキックボクシングをやっていたりと格闘技の経験者がいるという感じです。
ー今後の成長の見込み
髙橋)本当に期待が大きいですね。もちろん上級生のモチベーションも高いんですけど1年生のやる気が本当にすごくて練習に対する意欲とか、どんどん吸収してやるぞみたいな熱意が伝わってきます。格闘技経験も存分に生かせる競技なのでどんどん強くなるんじゃないかと。今後の拳法部の活躍に期待してもらいたいと思います。
ー団体戦の戦力にも期待
髙橋)そうですね、今まで人数が少なかったのでレギュラーが揃わないとか1、2年生がメインのチームになったりとかあったんですけど、これから代が進むごとに強くなっていくと思うので、来年試合が再開した頃には良いところまでいけるんじゃないかと思います。
高見)ものすごく戦力になる子たちが入ってきてくれたなと思っていて、自分も負けないように頑張らなきゃなと思います。後輩の指導もしていけるようにしっかりしないとなという気持ちです。
髙橋)先輩から見ると天然だなと思うこともあるんですけど2年生の中では1番積極的に後輩の指導に行っていて、後輩から教えてくれる先輩、頼れる先輩って思われているんじゃないかなと思います。1年生が期待できる子たちが入ってきてくれたおかげで先輩たちも負けてられないぞって、全体的に意識が高くなって練習に取り組めていると思います。指導するところはしっかり教えつつ、プライベートではもう仲が良いので関係を深めて部活を作っていきたいですね。
「立教スポーツ」編集部では現在の活動状況を鑑み、10月号は紙面の発行を行わず、Web記事(クローズアップ)での情報発信をする運びとなりました。取材にご協力いただいた各部の皆様、ありがとうございました。