【山岳部】#10月クローズアップ対談企画 主将・天内×主務・石山 〜モチベーションは冬山〜
山岳部の特徴は大会がないこと。そんな中、部員たちはどこに標準を合わせて練習をしているのか。何を目標としているのか。山岳部を引っ張る、主将・天内(法3)と主務・石山(社3)に話を聞いた。
ー普段はどのような練習をしていますか
天内:週に3回練習しています。各自4限終わりから10㌔走って、勉強会を毎週行っています。それから、クライミングやボルダリング、40、50㌕の荷物を背負って階段を30分〜1時間上り下りする(=ボッカ)のを繰り返します。しかし、コロナ禍ではそれができなくなってしまいました。みんなで集まって走ったりクライミングに行ったりするのが厳しくなってしまいました。最近は「zoom」で勉強会をしたり、家が近い部員同士でボルダリングに行ったりしています。
石山:部活のメインは泊まりだったんですけど、コロナの影響で学生部から禁止が出てしまいました。8月からは規制が緩くなったので、ちょっとずつ元に戻ってはいます。
ー川に行ったり山に登ったりしているのをインスタグラムで拝見しましたが、行先は自分たちで決めているのですか
天内:川に関しては監督の意見で今の代から新たに取り入れたんです。先輩たちもやっていなかったのですが、監督が「コロナだし新しいことをやってみないか」とはじめました。山登りに関しては自分たちで決めています。
ー登る山を決めるポイントはどのようなところにありますか
天内:冬山が年間の目標になるんです。12月にこの山に登りたいから、それに向けてこういう山に登っていきたい、と思って決めます。
石山:(山登りは)競技ではないので自分たちの力量に合わせていこうというのがあって、入ってくる1年生やその年のチームの強さによって行ける山が限られてきます。難易度を見ながら選択して、秋に偵察に行ったり、夏に体力づくりの合宿をしたり、必要だったらクライミングの練習をします。基本的には自分たちの力に合わせて山は決めています。
ー1年間に冬山も含めて「〇回登ろう」みたいな決まりはなく、目標の冬山に合わせて自分たちで決めるのでしょうか
天内:自分たちの意思とは関係なくOBや監督、コーチが同伴する訓練合宿が前提にあって、(訓練合宿の)プラスで行きます。
石山:最低でも年に7回の合宿は決まっています。それにプラスで学生たちが主体となって山に登ります。7回の合宿のうち3回は監督やコーチが来てくれます。7回はマストで、プラス行きたいところがあったら行くという感じです。
ー冬山が目標だと仰っていましたが、活動する上でのモチベーションは冬山に登るということにありますか
石山:そうですね。冬山の景色や冬山の大変さを知ってしまうと冬山いいなと思う。それがモチベーションとなってやっています。
天内:僕は景色が綺麗とか視覚的な部分ではなくて、経験とか達成感を重視しています。コロナでなければ、夏に2週間ずっと山に入るんです。それはとてもきついんですけど、ペースも一番下の子に合わせるから誰でもやろうと思えばできます。冬は誰でもできるわけではないと、去年行って感じた。3、4日だがとても寒いし、体力も2週間の時よりも使います。石山くんにとっては「ものすごい景色」がモチベーションだけど、僕にとっては「ものすごい経験」がモチベーションです。なので、冬山はモチベーションになってます。
ー普段の部の雰囲気を教えて下さい
天内:他の体育会の部活を知らないですけど、上下関係は非常に緩いです(笑)。後輩が先輩をおちょくるのは山にいる時もそうでない時も日常茶飯事ですし。先輩が後輩を叱る場面はほとんどないです。けど安全管理とか命に関わることで何か間違いがある時にはしっかり指導するって感じですかね。基本的には緩いです。
石山:大きい団体だともしかしたら「先輩と話すの怖い」みたいなこともあるかもしれないんですけど、自分が高校生の時とかは他の部活とかそういう風に見えていたんですけど。うちらがそういう状況を作っちゃうとそれこそ「もうこれ以上登れないです」とか「手足の感覚ないです」とかなった時にこっちに話してもらわないともっと悪い状況になってしまうので。チームの雰囲気は結構アットホームというか、話しやすい雰囲気じゃないといけないっていう点はありますね。他の大学の山岳部とかもそういう雰囲気が良いんじゃないかと思いますね。
ー最後に今後の目標を教えて下さい!
天内:大きな目標がないだけで小さい目標はあります。石山くんは大きな目標何かありますか?
石山:海外登山をしてみたいと思っています。立教の山岳部も以前は海外登山をよくしていて、そこに魅力を感じて入部しました。なので、自分たちの代で海外登山できたらなと思っています。テレビとかに映るすごい山に行ってみたいと思っています。
(取材/編集 坂東和奏)
「立教スポーツ」編集部では現在の活動状況を鑑み、10月号は紙面の発行を行わず、Web記事(クローズアップ)での情報発信をする運びとなりました。取材にご協力いただいた各部の皆様、ありがとうございました。