【準硬式野球部】#10月クローズアップ対談企画 加納×佐藤 縁の下の力持ちが語る「一生忘れない一年」

東京六大学の準硬式野球部の中でも一際目立つチームがある。「一生忘れない一年」をスローガンに掲げた立大準硬式野球部だ。試合中、ベンチからは絶え間ない応援の声が相手チームを圧倒する光景はもはや名物と言ってもいい。そんな異質のチームを陰から支えている人たちがいる。彼ら学生コーチは、練習でのノックから試合中のサインまでこなす。さらに、ベンチ入りやスタメンを決めることも彼らの役割である。正に立大準硬式野球部の心臓部ともいえる。今回、インタビューを受けてくださった加納学生コーチ(コ3)は実際に試合中サインを出しているチームの核で、学生コーチのトップである。もう一人は加納が「僕の右腕」と信頼を寄せている佐藤学生コーチ(文2)。そんな2人に立大準硬式野球部らしさについて語ってもらった。

選手にデータを見せる加納(コ3) 提供:準硬式野球部

加:加納学生コーチ 佐:佐藤学生コーチ
-今回の対談企画のテーマが、部活らしさということがテーマで、準硬らしさというのはお二人から見てどんなところだと思いますか

加:そうですね、僕が思う準硬らしさっていうのは、多分他のチームと結構温度差があるけど、ベンチがすごい盛り上がるんですよね。いいプレーがあったら「うわーっ!」って盛り上がるし、点が入ったりしたら、それこそベンチ飛び出して泣いて喜ぶ奴とかいて今まで経験してこなかったチームというか、感情を爆発させるというか、なんか多分ほんとに野球が好きなのだなっていう奴らばっかで、試合とか見ていて、「えっ」って思うこととかあると思うんですけど、僕は大学一年の時に立教の準硬に入ってきて、驚いたのはそこだったと思います。元気の良さというかそういう面抜きにすると、結構ああ見えて練習とか1日かけてやったりとかするのですけど、あとは話し合いでいろいろ練習中にここダメだったなってプレーがあったりとか、それこそミスが出たりした時とかにきちんとそのままにするんじゃなくて集まって指摘しあったりとか、本当に学生主体なので、大人というかOBみたいな人たちは滅多に来なくて、自分たちで練習の運営を賄っているので、それこそ言い合わないとミスとかは解消されないですし、そういう話し合いで解決できるところも立教準硬らしいところなのかなって僕は思います。

ー話し合いに決まった日程はありますか?
加:その都度ですね。その一個の練習の項目ごとに最後に集まって、ここ、こうだったねっていうちょっとした反省会というか、それを積み重ねることで、ミスというかその反省点をなくすことができるっていうのはすごいかなって思います僕も。

-佐藤さんはどう思いますか?
佐:そうですね、僕も加納さんがおっしゃったように、まあ何から何まで選手主体で行うことができるっていうのが準硬式野球部らしさだと思います。もちろんそれにはOBOGの方のご協力とか、例えばマネージャーさんが手伝ってくれたりだとか、僕らは練習を手助けする役割なので、そういう部分はもちろん必要なんですけど、選手で全部できるので、もうその代ごとでチームカラーっていうのがすごい大きく変わるんですよね。だからさっき加納さんがおっしゃったすごい元気のあるチームっていうのは特に今年キャプテンを筆頭にすごく元気のあるチームっていうのが今年のチームカラーなのかなって思ってますね。

-元気のあるというのは、チームのスローガンとして決まっているんですか?それとも自然とそうなったという感じですか?
佐:もうキャプテンがだいぶ面白い人なので、そういう元気のある方がキャプテンになったっていうことで、まああのキャプテンの存在がこの代にとってはすごく大きいんじゃないかなって思いますね。

-立教って結束力のあるイメージが強いのですが、普段から結束力を高めていることってありますか?
加:学年間の壁をなくそうという動きが今年は見られていて4年生が引退したときに「お前らを泣かしてやりたい」ってい言っているのを聞くので、そういうところから団結力というか結束感が見えると思います。なにがなんでも優勝してやろうっていうのがキャプテンはじめ幹部も中心に下へ浸透していってそういうのが一体感を生むのかなと思います。

佐:選手で全部やっているので、時間の使い方も選手が全部決めていて、うちは全体練習が終わった後に自主練習をやっていて、そこがけっこう先輩方とのコミュニケーションをとる場になっているので、先輩後輩の壁もなくなっていたりとか同じ方向を向くことができるきっかけになっているんじゃないかなと思います。

(左)ベンチで腕を組み、試合を見守る佐藤(文2) 提供:準硬式野球部

−将来像とか理想像とかを聞きたいんですけど、チームで今後これから一年間最後で戦うにあたって、最終的にはこういうチームにしたいっていうのはありますか?
加:とりあえず今の目標は今シーズン、秋を優勝することで、4年生に優勝っていう形で終わらせてあげたいっていうのが僕の中の一つです。そして、最終シーズンは全部勝てるようにしたいです。自分で采配している以上は負けに行く試合はないと思っているので、全部勝って選手たちを活躍させてあげたいなって思います。

他のチームとは一線を画すベンチワークや応援について今回の対談で知ることができた。「一生忘れない一年」にするために邁進する立大準硬式野球部からこれからも目が離せない。

(取材/編集 渡部広大)

「立教スポーツ」編集部では現在の活動状況を鑑み、10月号は紙面の発行を行わず、Web記事(クローズアップ)での情報発信をする運びとなりました。取材にご協力いただいた各部の皆様、ありがとうございました。

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