【ボ―ト部】全日本&インカレ直前インタビュ―④女子エイト
10月はボ―トが熱い! 8日からは全日本選手権大会、22日からは全日本大学選手権大会(インカレ)が開催される。コロナ禍で変則的な日程となった今季、待ちに待った大舞台に控えた選手たちに、大会への抱負を聞いた(クル―は全日本選手権に準拠)。
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【ボート部】全日本&インカレ直前インタビュー③男子舵手なしクォドルプル
◇主将・櫻井菜々(コ4)&クルー唯一の1年生・長芝木香(法1)◇
―自粛中はどのような活動をしていましたか。
櫻井:学年で毎日zoomを使ってオンライントレ―ニングしたり、週末は女子部と男子部で別れて、お互いコミュニケ―ションを取りながらトレ―ニングができるように、3ヶ月間毎日やっていました。
―自粛期間はどんなことを意識していましたか。
櫻井:家に帰ったので、生活リズムが崩れないように、早い時間に起きて、早い時間に寝ることをまず意識して、でもzoomの練習とか、メニュ―があったのでそんなに崩れずにできたかなと。一人だと心が折れそうになるんですけど、でも主将なので、戻ってきた時にみんなを引っ張る立場じゃなきゃいけないっていう自覚を、常に忘れずに頑張っていました。
―ボ―トから離れる時期が今までになく長かったと思いますが、振り返ってみてどうですか。
櫻井:大会もその当時はどうなるかわかっていなくて、このままもしかしたら引退してしまうんじゃないかなって不安な時もありました。その中で、この期間を言い訳にはしたくないって自分の中で思うようになって、やっぱり主将なので、主将が勝ちを諦めてしまうとみんなにも絶対にそういうのが通じちゃうなって思ったので、離れた期間の中でも目標を見失わないように、みんなとコミュニケ―ションを取るように意識していました。
長芝:私は大学競技生活だけじゃなくて、大学生活も新しく始まったので、自粛期間中に何か新しいこと心がけられたかって言ったらあまりないんですけど、情報がない中で授業を受けたり、課題をやったりっていうのが結構大変で、ずっとそれに追われていました。受けていても自分ちゃんと出席取れているのかなとか(笑)。
―寮生活に戻って、自粛期間と比べて気づいたことはありますか。
櫻井:ボ―トって実際に漕がないと全然トレ―ニングにならないと気づいて、どれだけ何十キロ走ってもどれだけサ―キットしていても、エルゴだったりボ―トの実際の動きって乗らないと、感覚とかトレ―ニング量が全然違うなと思って。戻ってから最初の一週間は本当にきつかった。ボ―ト漕いで本当に疲労、自粛中には味わえない疲労で。
長芝:私はずっと家で一人で練習していたので、ここに戻ってきて沢山の先輩たちがいて、自分の頑張れるってとこよりももっと頑張れて、やっぱり周りの人の力って大きいんだなって思いました。
―雰囲気や完成度はどうですか。
長芝:雰囲気は1年生の自分が見ていても、自分が発言しやすい空気が流れていて、すごくいいと思います。
櫻井;雰囲気は今まで経験してきた中で一番いいクル―です。自分が主将になった際には、学年も立場も関係なく全員が一緒に頑張れる雰囲気を作りたいなって思っていて、この何ヶ月間かみんなと接してきたんですけど、やっぱり一人一人の自覚というか、レ―スに向かう意識が今までとは比べ物にならないくらい今年は強くて、それによってタイムも去年のタイムよりはるかに早いタイムを練習の時点で出せているので、完成度としてもすごく高いですし、全員の意識というか雰囲気もすごくいいと思います。
―長芝さんは1年生で一人だけエイトですが。
長芝:高校生の頃も一人だけ下級生になったりとかして、その時はできてないことをバ―っと言われちゃって、いっぱいいっぱいになっちゃって、試合に行くまでを楽しめなかったんですけど、今は自分を否定するアドバイスじゃなくて、自分を伸ばしてくれるためにアドバイスしてくれてるんだなあっていうのがすごく感じるので、それはありがたいなあって思います。
―大学初レ―スが全日本ですが緊張はしていますか。
長芝:立大女子エイトとしての積み重ねはたくさんあるってわかっているんですけど、自分自身は何も背負っているものがないので、クル―としてのプレッシャ―はあるんですけど、自分個人のプレッシャ―はなくて、どちらかというとせっかくだから楽しもうっていう気持ちです。
櫻井:お―強い(笑)。
―櫻井さんから見て長芝さんはどんな選手ですか。
櫻井:1年生ながら真ん中に乗ってるんですけど、声も出してくれるし、思ったこととかこうしていこうっていうことを積極的に言ってくれるので、上級生は身が引き締まることもすごくあって、結構救われています。肝が据わっているので、精神が強いなって思います(笑)。
―クル―の持ち味は。
櫻井:根性(笑)。大きさとかダイナミックさもそうなんですけど、全員が負けず嫌い。元気は元気だけど、声とかじゃなくて、実際にきついところで力を出す強いところあります。きついところで全員を信頼して全員が上げることができるクル―だなと思っています。
―その持ち味の中で果たしたい役割は。
長芝:スイ―プ種目が初めてで、技術的にクル―に貢献できていないなあって思ってたので、まず声を出すところから。自分はどんなに漕げなくても声だけは出しておこうと思って声を出していました。
櫻井:自分の強みは大きなリズムだなって思っているので、前の人は最後上げるのがすごいきついので、そこを自分が一緒に作ってあげて、船のスピ―ドを一緒に上げていけることが強みかなと。
―全日本の目標は。
櫻井:目標は優勝なんですけど、絶対に去年のタイムを上回りたいです。
―自信はありますか。
櫻井:あります。去年を上回る自信はあるんですけど、優勝の方が難しいかな。去年に勝っても優勝できるとは今年は思わないので。去年にも勝ちたいんですけど、やっぱり早稲田と立命館にも勝ちたいです。
―長芝さんにとっては最初の大会になりますが、どんな大会にしたいですか。
長芝:これから4年生になるまでにたくさん試合をこなすと思うんですけど、大学生活初めての試合はこの一回で、多分最初の試合が一番楽しめると思うので、(櫻井)菜々さんが最後心晴れやかに終われるように後ろからしっかり頑張りたいなって思います。
◇ストローク・佐藤理奈穂(観3)&コックス・北原千晴(文2)◇
―約一年ぶりの大会だが、プレッシャ―はありますか。
佐藤:緊張感は自分は感じなくて、久々の大会ですし、練習も積んでいい状態だと思うので楽しみです。
北原:私は緊張しています(笑)。エイトのコックスは初めてで、去年優勝している艇でもあるので。
―やはり去年優勝チ―ムのプレッシャ―は大きいですか。
佐藤:普段からあまり緊張はしないんです。練習の方が「設定したメニュ―をこなせるのか」っていうプレッシャ―があります。試合は出すだけなので。
―あまり緊張しないタイプは試合前には仲間から頼りにされますか。
佐藤:試合中は漕ぐのに集中しますが、レ―ス前は周りに声を掛けることを意識しています。
―自粛中はコックスはどのような練習をしていましたか。
北原:私走ってました。あとは料理をしたり、同期部員のつながりで紹介してもらった他大のコックスの人と連絡を取ったりして、何もできない状況の不安を解消してました。
―料理!
北原:最初の方はお菓子を作ってたんですけど食べる人がいなくて(笑)。夕飯を作ったりしました。得意料理はミネストローネです。あとは「ぴえんクッキー」を作って、一人で食べました(笑)。
―今大会のクル―には同期が多いが、安心感はありますか。
佐藤:ありますね。練習で辛い時も後ろが元気を出させてくれて、皆に信頼感があって、安心します。でも、その元気だったり明るさだったりは3年目だからというのではなくて、元々同期はそういう人たちが多かったです。もちろん2年間で技術は皆成長したけど、雰囲気というものはあまり変わっていないかもしれません。
―3年生から見て4年生一人の櫻井さんはどう映っていますか。
佐藤:菜々さんが下級生でも意見を言いやすい雰囲気を作ってくれています。ミ―ティングとかでそういう場を設けてくれて、今年入ったばかりの1年生の子も「こうした方が良いと思います」とか意見を出せるので。全員が対等にいれるというか。近い距離感だからこそ出せる雰囲気だと思います。
―先輩の多い艇だが指示を出す際気を遣うことはありますか。
北原:最初はありましたね。先輩たちすごい方ばかりなので、大学からボ―トを知って最初は言えなかったこともあったんですけど、最近はなくなりました。
―初めてのエイトのコックスをした時と比べての成長した点はありますか。
北原:ありますか(笑)?
佐藤:ありますよ!成長してます。
北原:私本当に未経験で、とりあえず自分の感覚を大切にするようにしてます。何度も練習をする中で、こう動いた時はこうなるとか、オ―ルがこういう向きの時はこうなるのかとか。練習を積み重ねて、感覚を掴むようにしています。
―コックスをする上で意識していることはありますか。
北原:漕手と違いオ―ルを漕がないコックスには視野の広さが求められると思っています。エイトは漕手が8人もいて、私だけがレ―スを客観的に見れるので。漕手はそんなに悪くない時でも「上手くいっていない」と感じてしまうこともあるので、「良かったよ」とか、声を掛けるよう心掛けています。
―今大会の個人的目標をお願いします。
佐藤:結果としてはやっぱり優勝です。個人としては、自分で諦めない。スタ―トから最後の一本まで漕ぎ切ります。不安な気持ちとかを後ろに感じさせてはいけないので。折れそうになっても諦めないようにします。キツイ時は皆キツイですし、人が一番頑張れるのは誰かのために何かする時だと思うので。今大会は無観客ですけど自分を応援してくれている人たちのことを思い浮かべて漕ぎ切りたいです。
北原:一人ひとりが力のあるクル―で、「こういう風にしよう」って指示を出せば変われる力のあるクル―だなって思うので、それを私が無駄にしないようにしていきたいなって思います。
―最後に意気込みと、アピ―ルポイントをお願いします。
佐藤:全員で最後まで漕ぎ切る気迫や迫力がアピ―ルポイントです。昨年優勝しているので、「強者のオ―ラ」を出していきたいです。
北原:最初から優勝を見据えたレ―スを展開していきたいです。昨年優勝しているので、オ―ラを出したいです。
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無観客開催のため選手に直接声援を送ることはできないが、代わりに自宅で画面越しに選手の勇姿を見ることが可能だ。詳しくは日本ボート協会ホームページへ。