【バスケットボール部】#バスケを止めるな コロナに負けず自分にも負けず。夢を追いかける選手・井関翼、Bリーグへの挑戦

レイアップを打つ井関(済4)

新型コロナウイルス感染拡大のため体育会活動にストップがかかる中、少しでも夢に近づこうと走り出している選手がいた。

井関翼選手(済4)は「Bリーグ一本で目指そう」と語った。Bリーグは限られた人しか行くことができないため、バスケが好きな人でも就職を選ぶ事が多い。彼も例外ではなかった。自分も就職を選ぶのだろうと思いながら、就職活動を進めた。その中で、企業に就職し定年まで働く自分の未来に疑問を抱き始める。「それでいいのか」。

立大は現在3部に所属しており、注目される事は難しい。だからこそBリーグに行って自分のような選手でもプロとして活躍できる事を証明し、年下の選手たちに希望を与えたい。Bリーグへの熱い思いが井関を動かした。

SNSでの情報発信とチームへの加入

実際の投稿。多くのリツイートといいねを獲得している

自分の魅力をアピールできる場はコート上のプレーだけではなかった。

Twitterで#バスケを止めるな のハッシュグタグで自身のアピールポイントと共に動画を投稿。

バスケットボール界を応援している田村裕さんにリツイートで拡散してもらえるよう、直接連絡もした。「DMでリツイートをお願いしてきた。きっととても勇気が必要だったと思うが夢をかなえたい気持ちがそれを勝ったのだと思うと応援したくなる。こういう行動力のある子はきっとなにかを成し遂げるはずだ。Bリーグの関係者の目に止まりますように」。その切実な思いは田村さんに届き、実際にリツイートと共に応援メッセージも頂いている。

麒麟・田村裕さんからの引用リツイート

Twitterでの動きに加え、Bリーグに近づくためにチームも選択した。相模原PROCESSに加入する事で大学の体育館が使えない中、整った環境でバスケができる。現在はzoomを使ったマンツーマンの指導を受けるなど、自分に合ったチームで夢のための準備をしている。

スタートは遊びを通して

井関といえばスリーポイントの成功率が印象的だ。

彼が中学3年の時は筋力も足りず、スリーポイントラインやボールのサイズ規定などの変化もあり、スリーを打つ人は少なかった。
実際に公式戦で打ったのは高校からだという。「(中学で引退後に)何本決めたら勝ちみたいな遊びをやっていくうちに打てるようになりました」。始めは地元の友達とゲーム感覚で練習を始めた。高校1年ではすでに自信を持てるようになり、今では成功率を武器にスコアラーとして活躍している。

小学生来の友人とプロの舞台でマッチアップ

再びマッチアップを果たした井関(=写真右)と順大の#34大野

−ライバル、もしくは一緒にプロに入りたい人は
順天堂大学の大野くんです。小学生の時からクラブチームが同じで、当時は彼がキャプテンでした。

中学からは離れてしまったが、大学で久しぶりにマッチアップを果たし、お互い全力でやりあったという。試合後には今後について語り合った。「そこでプロ目指してるって言ってたので、一緒に入って、もう一回マッチアップできたらなと思います」。

普段は「人に合わせるタイプ」だという彼をここまで突き動かしたのは、プロへの強い憧れだった。十分な練習もできず、アピールの場もない今、地道なトレーニングやSNSでの情報発信がプロへの一歩となるに違いない。

(7月24日 取材/編集 藤部千花・藤澤舞衣)

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