第231号

立教スポーツ第231号

4月1日更新

【女子ラクロス部】櫻井圧巻4得点、折笠の逆転打で同大下す!究極の団結力で勝ち取った、創部史上最高成績の全国学生優勝!

【女子ラクロス部】仲間の得点に喜ぶ折笠(現3)

ULTIMATESが学生ラクロス界の頂点に立った! ついに「ずっと強い立教」を体現し、創部史上初の快挙を達成。戦っていたのはコートに立つ選手たちだけではない。220人全員の力で引き寄せた勝利。強い組織力を支えたのは主将・山口茉莉(コ4)の努力だった。

【女子ラクロス部】優勝杯を囲む選手たち

勝機は見て待て

自分のすべきことを自覚し実行するだけ。好機はおのずと訪れると選手たちは信じていた。「流れを見て感じる。そうすれば相手を知ることができる」と折笠。第2クオーター序盤、相手にペースを奪われた。2点を追う形でハーフタイムに突入。現状を受け入れ、その中でベストを尽くす。誰も焦りを見せることはなかった。チームの足並みをそろえ、挑んだ第3クオーター。ずっと待っていた「流れ」がこちらに傾く。型にとらわれない自由なスタイルが功を奏した。相手の技を吸収し、さらに上の一手を出し返す。敵陣に攻め込む機会が圧倒的に増えた。6対6に追いつき迎えた11分。櫻井(現3)がこぼれ球を拾い、ゴール裏の稲木へ。フリーになった折笠がパスを受ける。相手の意表を突き、放ったシュートは逆転のゴールネットを揺らした。続く第4クオーター。隙のないディフェンスが光る。ボールを取られても奪い返し、相手に1点も許さない。最後の1秒までどん欲な姿勢を貫いた。リードに慢心することなく、3点を追加。10対6で同大を突き放した。

【女子ラクロス部】優勝を決め、笑顔で抱き合う山口(コ4=右)と折笠

頂きに花開く

「やり切りました」とすがすがしい表情の山口。主将としてチームを日本一へと導いた。総勢200人を超える部員をまとめる大役に、つらいと感じることは一度もなかった。上級生におびえ、本音を言えずに悩んだ過去。後輩たちにそんな思いをさせないよう山口は奔走した。何ごとも挑戦から始める。代表チーム以外の練習にも参加し、新入生の名前は一番に覚えた。その姿は後輩たちに挑戦する意欲をもたらした。「みんなが無限に成長できる場にしたい」。 絶対的リーダーは必要ない。220人がそれぞれに役割を持つ。環境整備や広報活動、試合運営などプレー以外の場で活躍した。一人一人がチームに欠かせない存在だ。全員でつかみ取った頂点。試合終了の笛が鳴ると、一面紫色に染まるスタンドが歓喜に包まれた。見上げれば共に過ごした仲間がいる。目の前に広がる景色は、山口の集大成だった。常勝チームを志し「ずっと強い立教」を掲げてきたULTIMATES。ついに先代からの思いが花開いた。次期主将は折笠が務める。親友のように歩んできた二人。技術的にも人格的にも優れた後輩に「おりなら大丈夫」と信頼を寄せる。山口は最高のチームと未来への希望を折笠に託した。
(佐藤美春)

【女子ラクロス部】試合終了後、大川(異3=右)に駆け寄るトレーナー・安藤(コ4)

【自動車部】冷静さを武器に学生生活最後に掴み取った一番星 『普段の延長線上に競技がある』 劇的勝利の裏側に後輩たちとの固い絆

【自動車部】頭を窓から出し、障害物に当たらないように注意を払いながら車を枠内に収める小林(法4)

全国の大学生ドライバーが集結する全日本学生自動車運転競技選手権大会。男子個人の部で小林賢太が優勝!学生最後の試合で創部史上初の快挙達成だ。
細かいミスで優勝を逃し続けていた今シーズン。予選は2位通過であったものの、決勝ではしっかりと本来の実力を発揮。創部86年の歴史に名を刻んだ。

努力が実る

決勝のホイッスルが鳴り響いた。慎重にアクセルを踏み込む。後輪に焦点を置き、繊細に車を転がした。後輪をぶらさず車体を動かす。他大の練習風景を研究した成果が表れた。その走りは減点を抑え、日本一の栄冠をつかみ取った。
18歳の誕生日に仮免許を取得。毎日のように車に乗り、細かいハンドリングに磨きをかけた。その強みを生かせるフィギュアには特に力を入れてきた。
苦しみ続けてきた今シーズン。優勝の二文字が遠かった。11月の五大学戦では3位に。敗因は練習不足だと分かっていた。頂点をつかむためには本番の動きを反復練習するしかない。足りない練習量は自主練で補った。試合1週間前は後輩への指導と部の統率もこなしながら、オフの日も走り込んだ。
学生最後の大会。焦りがないわけではなかった。それでも練習した日々が自信につながり、持ち味の冷静さを生かせた。競技人生の集大成となったこの一走。最後の掉尾(とうび)を飾るには十分だ。

【自動車部】賞状を持つ小林(法4)

心の変化

優勝劇の裏側には、主将として部にかける強い思いがあった。
物心ついた時から車に興味を持っていた。中学1年次、立大自動車部の新歓に飛び込み参加。当時の主将と意気投合したことで6年後の入部を決意した。
部への思いは並々ならない。1年次から部のかじ取りに関わってきた。やるからには自分が納得できる組織作りをしたい。その一心で変革に取り組んだ。話し合う機会を増やし、部員全員が納得して活動できる環境作りを心がけた。
試合当日、優勝を諦めた小林を救ったのは後輩の抗議書だった。決勝、誤審により首位と1点差で順位は2位。不本意ながらも結果を受け止めた。しかし後輩は諦めなかった。抗議書を提出。失った3点を取り戻した。一転し首位に躍り出た小林。彼の競技人生は仲間と共に大団円を迎えた。
大学4年間を部にかけた小林に後輩が行動で示した恩返し。「自動車部の強みを感じた」。 日本一の快挙は自動車部全員でつかんだたまものだ。(平野聖也)

【ラグビー部】5年ぶりAグループ昇格!ついに倒したぞ成蹊大!宿敵を徹底研究入れ替え戦を完全再現

【ラグビー部】同点トライを決めた金子裕(コ3)と喜びに沸く選手たち【撮影・川合晟生】

5度目の正直でついに! 立大が入れ替え戦で因縁の相手・成蹊大に逆転勝利。5年ぶりに悲願のAグループ昇格を果たした。試合時間残り40秒で見せた大逆転劇。その裏には例年以上に綿密な策略があった。

【ラグビー部】感動を分かち合う選手たち

逆転劇は必然に

ついに打ち破った。4年間越えられなかった成蹊大の高い壁。5点を追う後半残り6分、立大が連続攻撃を仕掛ける。次第に立教コールが会場に響く。35回攻撃を重ねて、最後は金子裕が試合を決するトライを奪った。
効果的なキックで何度も流れを引き寄せた。1年間キックとキャッチ練習に注力。秋には戦術として機能するようになった。入れ替え戦で蹴ったボールの再獲得数は、相手の0回に対し立大5回。成果がはっきりと数字に表れた。
チーム最初のトライは藤原だった。キックパスをした床田と息を合わせ、作戦通りのプレーを見せる。アドバンテージが出たら蹴るという認識が共有されていた。後半の苦しい時間帯もキックで流れを変えた。楢崎がキャッチで競り合い反則を獲得。FWの海野(済4)も「流れが来た」と顔を上げた。ここから敵陣に入る時間が増加。緻密なキック戦略がはまり、終了間際の大逆転劇を可能にした。

【ラグビー部】相手を振り切る藤原(法4)

対応できたワケ

「入れ替え戦で戸惑いはなかった」。選手たちは口をそろえる。毎年負けていた相手に今回は対応できた。要因は決戦1週間前に行った「仮想成蹊大戦」。メンバー入りできなかった選手で成蹊大を分析。動きを完全にコピーして、宿敵とうり二つのチームをつくった。試合形式の練習を繰り返し、サインプレーや選手の特徴を頭にたたき込んだ。
環境も工夫した。声援で指示が通らないと想定。昨年の入れ替え戦の歓声を大音量で流した。ジャージも試合用のものを着用。Bグループでは経験しない校歌斉唱も行い、本番の雰囲気に近づけた。完璧な再現が功を奏し、課題は明確に。「守備の詰め直しがもう一回必要」とスクラムハーフの光長。1週間で一人一人が課題克服に取り組んだ。
徹底的な対策で昇格を果たした立大。来季は5年ぶりにAグループに挑む。主将・津田は「凡才が天才に勝つところが見たい」と憧れの舞台への思いを後輩に託す。濃紺ジャージはさらに高い壁をも越えていく。  (矢作峰士)

前号はこちら

今号がお手元に届いていないなどのトラブルがございましたら、お手数ですが、
「立教スポーツ」編集部(☎ 03-3985-2876 ✉ haihu2019@gmail.com )までご連絡お願い申しあげます。

関連記事一覧