【野球部】〈タテジマバッテリー卒業特集➀〉チームを愛し、愛され続けた不動のエース ~#18 田中誠也~

チームの大黒柱として左腕をふるい続けた田中誠(コ4=大阪桐蔭)、女房役かつ主将としてチームをけん引し続けた藤野(営4=川越東)。侍のユニフォームにも袖を通し、59年ぶり日本一への立役者でもある2人が自身の四年間に口を開いた――。

最終戦の明大4回戦、四年間を共にしたバッテリーは抱き合い健闘をたたえあった

「最後の最後まで、このチームで、エースでよかった」

2年次からマウンドを守り続けてきたエースには、この四年間で大きな変化がある。当初は“楽しむ野球”に否定的だった。持ち前の負けん気を武器に、チームの勝利にひたすら貪欲だった。が、上級生になるにつれ試合で笑顔を見せるように。毎試合の攻守交代時にはチームの最前列で野手とハイタッチを交わし、最後にベンチに戻るようになった。誰よりも勝ちにこだわる執念はそのままに、誰よりもチームの野球に目を輝かせる姿があった。

投げない時でもグラウンドで見せる笑顔が印象的。ベンチワークもプレーも、常に全力投球だ

それでも、「この2年間が一番キツかった」。
3年次、春季開幕前にエースナンバーの“18”を志願。広島東洋からドラフト1位指名を受けた森下(明大4年=大分商)ら、各校エースと第一線で戦い抜いてきた。「勝てることもあったけど、負けることも怒られることも多かった。「なんで勝たれへんのやろう」思ったわ」。

そんな中でもチームの柱であり続けた。秋季の明大4回戦、1点リードの9回裏で学生最後のマウンドに上がった。ベンチからマウンドに向かう途中で内野陣全員ハイタッチ。「こみ上げるものがたくさんありましたね。投手陣皆がバトンをつないできてくれて、最終回なんてもう…。最後の最後まで、このチームで、エースでよかった」。

「まだ野球人生続くから頑張ろうぜ」

明日からは社会人として、大阪ガスのユニフォームに袖を通す。「(この四年間で)周りからも「魂」て言葉をかけてもらえるくらいに頑張れたんだなあと。自分を褒めるついでに、「まだ野球人生続くから頑張ろうぜ」と言い聞かせてあげたいです」。大学四年間で燃やした「魂」を胸に、社会人野球のドアを叩く。

(3月31日・桒原由佳)

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