【ボート部】年に一度のビックイベント「立教レガッタ」が今年も開催!部員たちが作り上げたイベントや料理に150人を超える参加者たちの笑顔が咲き乱れた!
◆2019立教レガッタ◆
11月16日 埼玉・戸田ボートコース
秋らしい透き通った青空の下、“最速の一般人“を決めるため150人を超える参加者が埼玉・戸田ボートコースに集結した。優勝クルーには大手テーマパークのチケットが贈呈されるということで、挑戦者たちの鼻息は荒い(個人差あり)。記者という立場ながら、我々「立教スポーツ」編集部からも7名が参加。日頃運動とは無縁の生活を送っている私は、堕落した体にムチを打ち、懸命にゴールを目指すと決意した。
開会式で司会を務めたのは、先月行われた全日本新人選手権でコックスデビューを果たした東城(法2)。船上で鍛え上げたよく通る声と滑舌で、新人司会者が滞りなく式を進行した。このプログラム中、最も会場が盛り上がったのは準備体操の時だろう。参加者に振り付けをレクチャーするために登場したのは、学ランを身にまとった2人組。野間(済1)と古川(コ1)の1年生コンビだ。体操前にはコントを行い、「知らナイトプール!」という渾身のギャグも炸裂させた。そして、9月まで主将としてチームを牽引していた滝島(文4)が選手宣誓を務めた。この日22歳になったばかりの前主将は、皆に祝福されながら堂々と大役を果たした。
午前と午後に1本ずつレースが予定されていた。艇には、私を含む「立教スポーツ」編集部員の男子3名に加え、普段はコックスでありオールを漕ぐことはない北原(文1)が助っ人として乗艇。さらに前副将の吉田(営4)をコックスとして迎え、盤石の布陣が整った。「レンズ越しに見てきた彼らと同じ艇に乗り込み、共にオールを漕ぐ日がくるとは」(編集部員のWさん)。夢の舞台に立った記者3名の心は、大きく高揚した。
川に落ちないよう慎重に、水上に浮かぶ艇に乗り込んだ。これまでに2度ほどボートに乗らせていただく機会のあった私だが、何度経験しても、水上に浮かぶと非現実的な気持ちになる。まるで空中を散歩しているかのようだ。
「ではいきまーす」。コックスの吉田が声を発すると、艇は進み始めた。大きく強く漕ぐことを意識して漕いでいたのだが、それだけではなかなか仲間と息が合わない。オールを水に入れるタイミングを教えてくれるコックスの声に耳を傾けながら、漕ぎ方にも注意を払う。非常に難しいと思った。実際の試合中には、選手者たちは他にもたくさんのことを意識しながらプレーしているのだろう。実体験してみることで、選手たちのすごさを改めて実感することができた。
2本のレースは、お世辞にも上手く漕げたとはいえないデキだった。男性3名とボート部員が1名乗っていたためにとてつもなく遅いということはなかったが、栄冠には遠く及ばなかった。前述したように漕ぐ行為も難しいのだが、最も苦労したのは体力面である。通常、ボート競技のレースは2000㍍で行われる。今大会は250㍍のレースだったのだが、漕ぎ切った後は疲労困憊になった。レース後半は「ひいぃー」と情けない声を出しながら、オールを握っているだけで精一杯といった有り様。選手たちは日頃この8倍の距離を漕いでいる。感服せずにはいられなかった。その裏には、血のにじむ努力があるのだろう。
水上で激闘が繰り広げられている一方、陸でも参加者たちは汗を流していた。用意されたのは、日頃部員たちが練習で使う「エルゴ」という器具。オールを漕ぐのに似た形で体を鍛えることができるもので、「この世で最も過酷なトレーニングマシン」と言われている。今大会では100㍍個人タイムトライアルや1000㍍チームリレーが行われた。女子個人の部では、22.6秒というタイムを残した水泳部のエース・石森(観4)が優勝。運動部の力を見せつけた。
昼食にはマネジャーの手作りカレーが用意された。たくさんの具材が入ったお手製カレーは、参加者たちの体も心も温めたことだろう。多くの人がおかわりをし、美味しい手作りカレーに舌鼓を打った。
全レース終了後には現役チーム、立大4年生チーム、明大4年生チーム、そして出場したいと名乗りを挙げた一般参加者チームの4艇でエキシビジョンマッチが開催された。一般参加者チームには60秒、立大4年生チームには15秒のハンデが設けられていたこのレース。ゴール直前で立大4年生チームが一般参加者チームを抜き去り、逆転勝利を収めた。9月の全日本大学選手権で4年生が引退してから早2カ月。陸からこのレースを応援していた後輩たちは、再び水上で輝いた先輩たちの笑顔をしっかりと目に焼き付けていた。
全プログラム終了後には全員で写真撮影をし、今年度の立教レガッタは閉幕した。立大ボート部にとって、飛躍の年となった今年。5月の全日本選手権では女子エイトが創部初優勝を成し遂げ、9月の全日本大学選手権では女子ダブルスカルがこれまた創部初の優勝を果たした。金メダルには届かなかったものの男子部も大健闘の結果を各大会で残した。絶賛進化中のチームの来年度スローガンは「One Way」。彼ら彼女らが一丸となって進む道の先には、いったい何が待ち受けているのだろう。お楽しみは、2020年までお預けだ。
(11月27日・合田拓斗)