【野球部】「打破」秋季リーグ戦 早大戦展望

  秋の神宮球場にタテジマ戦士たちの笑顔が咲いた東大戦から。エンジン全開の彼らが挑む次なる相手は、現在リーグ3位の早大である投打のレベルが高いタレント軍団は、強力な相手であること間違いなし。前カードで起こした上昇気流を維持できるかが、勝利への鍵となるだろう

  左と右の2枚看板、RIKKIO打線の前に立ちはだかる。第1戦先発が予想されるのは、WASEDAの「18」を背負う男・早川年=木更津総合150㌔をえる速球と、空振りを取れるスライダーを武器とする本格派左腕だ今秋奪った三振の数は29個(リーグ2位)にも上る。言うまでもなく、容易に攻略できる相手ではない。第2戦の先発には、こちらも本格派である若き右腕・徳山(2年=大阪桐蔭)がマウンドに上がるだろう昨春は抑えとしての登板が多かった徳山だが、この秋は先発として躍動。防御率1.23(リーグ5位)を記録し、チームを勝利へ導いている。そして、多彩なリリーフ陣が先発陣を支える。身長2㍍の長身から放たれる角度あるボールが魅力の今西(3年=広陵)や、クローザーであり今季未だ無失点の柴田(3年=早大学院)がその中心だ。バラエティ豊かな投手陣を打ち崩すには、順応性が求められるだろう

  勝つためには、打線をけん引している4番の山田(コ1=大阪桐蔭)や江藤(済4=東海大菅生)といった上位打線の活躍は必須。その中でも特に注目したいのは、東大戦で爪痕を残した宮慎(3=市立船橋)と金川(2=立教新座)の2名だ。東大2回戦から1番バッターに就任し、その日に先頭打者本塁打を放った宮慎。「守備の人」と呼ばれるほどに鮮やかなグラブさばきが売りの彼だが、今後は切り込み隊長としての姿にも期待したい。また、東大回戦の最終回に代打で登場し、リーグ初安打にして初の本塁打を記録した金川のバットからも目が離せない。思い切りのいい彼のスイングは、早大投手陣相手にどこまで通用するのだろうか。現在チーム本塁打数は4本で、リーグ首位となっている。試合当日は、1番から9番までの“打線”に注目していただきたい。

胸を張り、力強いモーションで投球する早大エース・早川

  早大打線には、経験豊富な打者が多く並ぶ不動の4番加藤(4年=早稲田実を中心に、選球眼が良く出塁率の高い福岡(4年=川越東)クリーンナップの重鎮である檜村(4年=木更津総合)、打点5でチーム内首位の正捕手・小藤(4年・日大三)といった4年生打者には注意が必要だろう。さらに、現在打率.400でリーグ2位の田口(年=早稲田実にも警戒が必要だ。昨春は代打起用のみだったが、今季2カード目の明大戦からはレギュラーに定着。着々と結果を残し、その座を不動のものした。好調男の勢いを止められるかは、立大投手陣の手腕にかかっている。

  ここまでの3カード、立大投手陣は“リレー”で戦ってきた。先発を担うのは、2年前日本一に輝いた時と同様、田中誠(コ3=大阪桐蔭)と手塚(コ4=福島)の2人だ。ゲームメイク力抜群の最上級生たちが、残り2カードもチームに勝利をもたらす。リリーフを任されるのは、今季何度もチームを救援してきた中﨑(観3=立教新座)や、闘志むき出しで打者に立ち向かう下手投げの中川(コ3=桐光学園)、東大戦で2試合ともに中継ぎでの登板機会があった両投げの赤塚(コ4=麗澤瑞浪)らだ。さらには東大戦からベンチに入っている川端(コ2=秀岳館)の登板にも期待したい。

5番打者としてチームをけん引している檜村


  開幕から2カードを落とし冬の足音が近づいてきたかのように思われた立大だったが、東大戦では2日間合計23安打12得点で連勝。復調の兆しが見えてきている。東大戦後、溝口監督(90年度卒=湘南)は残り2カードに向け「なんとしても勝ち点を2つとりたい」と意気込んだ。RIKKIOの秋はまだまだ終わらない。紅葉深まる秋季大会で、タテジマ戦士たちは最後まで観客の胸を高揚させてくれることだろう。
1018日・合田拓斗

関連記事一覧