【ハンドボール部】〈春季リーグ戦総括&秋季展望〉 全員ハンドに磨きをかけ、“実りの秋”を迎える
立大の2019年度春季リーグ戦(4月13日〜5月18日)は、現行リーグ体制となってからチーム史上最多の勝ち点8で6位となり、11月に宮城県で行われる全日本学生選手権(インカレ)の出場権を獲得した。個人タイトルでは主将・関根(コ4=浦和学院)が敢闘賞の活躍を見せ、立大からの受賞は2018年度秋季リーグ戦での下地(当時主将・18年度卒)に続き2季連続となった。
今回は〈春季リーグ総括&秋季展望〉と題し、快挙を達成した春季リーグ戦を振り返り、さらなる活躍が期待される秋季リーグ戦、インカレの展望を示す。
〈春季総括〉どん底スタートも、強豪・日体大撃破含む3連勝で流れつかんだ!
中位を目標に掲げた今季だが、開幕戦から苦戦を強いられる。第1戦の国士大戦に敗れると、その後も白星を奪えない苦しい展開に。秋田(社3=愛知)、山本(コ3=浦和学院)ら中心選手を風邪や怪我で欠いたチームは、第4戦を終え1分3敗と最下位に低迷。どん底からのスタートだった。
そんな状況でも、今年のチームには逆境をはねのける強さがあった。ビデオミーティングでは関根が中心となり選手起用や戦術を分析。通常練習の際にも、アリーナの使用時間ぎりぎりまで攻守の確認に時間を割いた。「1年生から4年生まで全員がチームに対する役割を見いだせるような環境作りをしていきたい」。主将が理想とするチーム像を部員全員が理解し、試合に出場できる選手が持てる力を最大限に発揮する“全員ハンド”で再起を誓った。
迎えた第6戦。初白星が欲しい立大は、明大相手に序盤から猛攻を仕掛ける。比嘉(コ4=浦添)が前半に7得点を挙げると、試合終盤には関根が連続得点をマーク。守備から流れを作り出し、昨秋リーグ2位のから今季初勝利を挙げた。
圧巻だったのは、日体大との第7戦。元日本代表・宮崎大輔擁する強豪との大一番に、選手たちは臆することなく挑んだ。前半から猛攻を受けるも、守護神・荻原(コ4=拓殖第一)が好セーブを連発。長い手足を生かしたセービングを見せつけ、「一緒に試合をできることが嬉しい」という宮崎のシュートも完全シャットアウト。さらにはオフェンスの平仲(コ3=興南)がこの日16得点と大車輪の活躍を見せ、日体大相手に約半世紀ぶりとなる大金星を挙げた。
その後は、第7戦で平仲が2戦連続二桁得点の活躍を見せ早大に勝利すると、第8戦では法大にリードを許しながらもなんとか引き分けに持ち込んだ。中大との最終戦では力尽きたが、全9試合を終え3勝2分4敗の6位。応援も力に部員全員で快挙を成し遂げた。
〈秋季展望〉リーグへ戦、インカレともに上位進出
「リーグ中位」の目標を達成したが、課題も多く残った。今季、211得点はリーグ最少タイ、241失点は最多タイであり、攻守別に見ればリーグ下位の結果となった(上記順位表参照)。昨秋リーグ戦に比べ接戦を制する試合も増えてきたが、今季以上に苦しい展開が予想される秋季リーグ戦や、全国の強豪との対戦を迎えるインカレを見据えると、他に引けを取らない総合力の向上が必要となる。
注目選手はラストイヤーとなる関根や荻原、小川(済4=駿台甲府)といった頼もしい4年生を筆頭に名を挙げれば切りがないが、春季リーグで出場機会に恵まれなかった山本や秋田ら来年のチームを担う3年生の活躍に注目である。山本はこれまでに世代別の日本代表選出の経験を持つ花形選手であり、立大にとっても攻守の要となる絶対的エース。秋田は昨年のインカレの悔しさを知る選手の一人であり、小柄な身体で相手選手に立ち向かうプレーは立大を象徴する選手と言える。その他にも、強烈なミドルシュートが持ち味の平仲や、ガッツのあるプレーを見せる加藤(コ3=法政二)にも期待がかかる。
関東1部リーグは全国的に見てもレベルが高く、昨年のインカレではベスト8の内5校が関東1部所属の大学であった(早大3位、筑波大・日体大・明大・日大ベスト8)。立大は春季6位の経験を胸にまずは秋季リーグ戦で上位を目指し、強豪がしのぎを削るインカレの舞台へとつなげたい。秋季リーグ戦は8月31日(土)に、インカレは宮城県を舞台に11月8日に開幕する。
(8月17日・小根久保礼央)