【ソフトテニス部女子】ありがとう4年生!立大ソフトテニス部人生終幕!
◆第74回三笠宮賜杯全日本学生ソフトテニス選手権大会◆
8月8日 岩手県・北上市和賀川グリーンパーク
最後まで一緒に駆けぬけた同期ペア
「たのしくできた、よね?」。試合後、島田(文4)・本田(現4)ペアは顔を見合わせ笑った。2回戦、千里金蘭大の加藤・木村ペアに3ゲームを先制されると、「このまま終わりたくない」(本田)と意地を見せた。2ゲームを連取して巻き返すも、2-4で敗れ、引退が決まった。
ちぐはぐなペアだった。島田、本田が初めてペアを組んだのは大学3年の春。結成当時は互いにやりにくさを抱えていた。島田は本田の動き回る前衛のプレースタイルが、本田は島田の感情とプレーの変化が読めず、不安だった。でも、「ペアって不思議と馴染むんだね」と本田。いつしか互いの動きが、考えが、わかるペアになっていた。
4年間を振り返るなかで、様々な出会いを口にした。卒業後も連絡を取る先輩、プライベートでもご飯に行き、慕ってくれる後輩。そして何より同期との出会いがあった。3年前、島田が部活を辞めようか悩んだとき、同期が話を聞いてくれたという。つらいことを一緒に乗り越え、一緒に笑い話へと変えてくれる同期がいつも支えだった。
「卒業後もずっと会いたい同期です」(島田)。そんな同期ペアだからこそ、思いは一緒だった。「楽しかった、けどもっとやりたかった」。楽しさも、後悔も最後まで一緒に味わった。1年半、一緒に戦ってきたペアが終わる実感はまだ全くない。「(引退しても)コートに行っちゃいそうだよね」。島田・本田ペアはお揃いのにこやかな表情で立大ソフトテニス部人生を終えた。
(8月8日・日野雅由子)
いちことゆっこの凸凹ペア
イチツルこと、市川(コ3)・津留(コ4)は1回戦を制し、2回戦へと駒を進めた。序盤流れに乗れず、2ゲーム先取される。「相手の後衛は引っ張りが得意だと思うから」。いつものように津留は市川に声をかけた。「それで気持ちに余裕ができた」と市川。3ゲーム目、3点先取されてから、デュースまで持ち込むと、4,5ゲーム目を連取。6ゲーム目を落とし、ファイナルセットまでもつれ込んだ。「前衛に簡単に持ってかれた」と市川。接戦を惜しくも勝ちきれず敗退した。「もう一回やりたい」。タオルに顔をうずめ涙を流す市川に津留は優しい笑顔を見せた。
津留にとってたくさんの悔しい思いをした四年間。1、2年生では多かった出場機会が、実力のある後輩が増えるたびに減った。そんな時に組み始めたのが市川だった。「頑張らなきゃって思わせてくれたありがたい人」。人一倍声を出し、人一倍努力し、人一倍成長する市川を間近で見て刺激された。技術の面で引っ張ることが多かった津留だったが、気持ちの面では明るく頑張り屋な市川に引っ張られた。2人は互いを「いちこ」(市川)、「ゆっこさん」(津留)と呼び合うほど仲の良いペアとなった。
大学卒業後にソフトテニスを続ける予定はないと津留。「あんなに大泣きしてくれるペアと一緒に出られたからよかった」と人生最後のインカレを締めくくった。
(8月8日・彦坂秋恵)
愛された主将の有終の美
立大選手全員の応援を背に、主将・寺戸(文4)が駆け抜けた!1年生・金(コ1)とペアを組み、4回戦まで楽々と駒を進めると、最後は桃山学大、吉岡・宮田ペアと対戦。2ゲームをあっさり取られても、3ゲーム目は粘りのプレーで流れを変えた。2-4で敗れると涙を目に溜めて、それでも笑顔で応援に向かって礼をした。
昨年のインカレ後、主将に就任。今までの主将はプレーでチームを引っ張っていたが、後輩が主力のチームのなかで自分には何ができるだろうか。「最初は不安ばっかりで」。そのなかで、できることを同期とともに必死に模索した。入学後すぐに大会に出る後輩を気遣い、「後輩が楽しんでプレーできるように雰囲気づくりは意識してきました」。後輩の意見に耳を傾け、時には練習メニューを組み替えた。また、テニスを“楽しむ”一方で、メリハリをつけようと呼びかけた。後輩主体のチームをまとめあげるため、最上級生として伝えたいことは、言葉にして伝えるようにした。
後輩思いの主将だった。同期の引退が決まり、後に自分の試合も控えるなか、立大の応援に歩きまわった。1年生ペア、森岡(現1)・石田(文1)の試合ではベンチ後ろから声を出し、得点には歓声をあげ名前を呼んだ。ペアを組む金のことも考えていた。「プレッシャーがあるなかで頑張ってくれた。自分も頑張ろうと思わせてくれた」。後輩の頑張りを汲み、さらには自分の原動力にした。
「今は、私らしくチームをまとめられたかなと思います」。今までの主将と自分を比べ悩んだ日々が実を結んだ。主将・寺戸の最後の舞台は、一緒にチーム作りに悩んだ同期、そしてその4年生についてきた後輩全員からの拍手のなかで幕を下ろした。
(8月8日・日野雅由子)