【ボート部】「ボートは楽しむもの」。全日本選手権直前インタビュー(副将・吉田)
立大の対抗種目・舵手なしフォアのクルーとして3年連続で全日本選手権に出場するのは副将の吉田潤(営4)。愛称は“ヨシジュン”。最上級生でありながら、後輩たちにも人気のある選手だ。立教新座高時代からボート競技を始めた吉田。いよいよ最後の全日本選手権を迎える。
ー全日本の開催が例年に比べて早いが
ひとつやっぱり社会人が今まで全日本、11月優勝目指してやっていたところが今回早まった点については社会人が集中力持って大会に、今まで長かった分途中だれるというか、途中やっぱり全日本に向けてプレッシャーをかけられながら練習していくっていう時期が長かった分本来のパフォーマンスもできなかったりするとかあったと思うんですけど、社会人は今回時期が早いということでしっかり調整してやってくると思うのでその点に関しては、社会人にとって有利かなっていうのはありますけど、こちらとしてもやっぱり全日本早まったことは、こちらとしても日立明から集中力を維持しつつやれるという点においてはポジティブに捉えています。
ー艇庫の雰囲気は
一番変わったのは1年生が増えたっていうのがあって。今艇庫に入っている1年生は全員実家がこの辺じゃないので、基本的に寮にいる子で、特に練習がないフライの日は今まで人がいないことが多かったんですけど、最近は1年生のおかげでけっこうワイワイ人が多いっていうことが多いので、そこはすごく艇庫の雰囲気が良いかなと思います
ー自身は試合前に緊張するタイプか
自分はルーティンというか、それを大事にしてるタイプなので、そういうのをすれば緊張しないっていうのと、楽しむことを意識しているので。2年生のときのインカレはすごい緊張したんですけど、それ以降緊張することはあんまりなくなったかなと思います。
ー全日本での目標
優勝ですね。チームとしてはインカレ・全日本全艇入賞男女優勝というのを今シーズンは掲げています。自分は今対抗クルーに乗っていて、対抗クルーは優勝。全日本に出場するクルーは全艇8位入賞を目指すというのが目標で。去年とかは部員がいたらレースに出せるだけ出すという方針があって、一昨年とかも全部の種目にエントリーするとかをしてたんですけど、今回はクルーを絞って優勝を目指せる実力じゃないと上の判断もあって、例年だったら出場できる選手が今年は出場できないとかあるので、やっぱり出れなかった選手の気持ちもあるので、それで自分たちは絶対優勝しないといけないって気持ちはあります。
ー全日本を一言で表すなら
毎年としての全日本は、毎年全日本で終わりだったんですよ、そこで代替わりで。毎年の全日本はシーズンの終わりなので、シーズンの集大成っていうことで毎年捉えて、インカレよりも良い結果を残すというところでの集大成を毎年意識していたんですけど、今年は全日本が先でインカレが後なので集大成ではないんですけど、全日本を取れればインカレも取れると思うので。先に全日本を行うとインカレの出漕の関係なども変わってくると思うので、例年はインカレ全日本で、全日本を集大成とするならインカレは通過点と解釈するかもしれないんですけど自分はインカレを通過点と考えたことがなくて。どっちかというとインカレの方に重きを置いていたので。それは今年も変わらないですね。全日本の方が無しフォアはレベルが高いのでそこは毎年自分たちがどれぐらい出来るのかっていうのが、そうっすねインカレは挑戦者って感じでレースに向かってなくて、絶対勝つぞという気持ちで向かっているので、全日本は毎年勝てるのかな?という不安な気持ちがあります。2年前に3位になったときも3位になれるとは全然思わなかったし、入賞できるかどうかも分からなかったので嬉しかったんですけど。全日本は自分にとっては毎年毎年、挑戦ですね。インカレは集大成の気持ちで。
ー3年前に無しフォアが優勝を果たしたがその時の光景は覚えているか
びっくりました。自分はその1年前のときのインカレも高校生のときに見てて。入って半年経たないぐらいですけど、インカレ負けたときにすごいびっくりして。勝てないんだと思って。それでも新しい船で勝てて、びっくりしました。それは自分の中で焼き付いていますし。優勝した先輩と翌年一緒に乗るなんて思ってなかったですし、そういうところではもう一回あの光景を、自分的にはレース後のガッツポーズとかより、泣いているOBさんとかが印象的で、どっちかというと優勝した瞬間よりOBさんとかマネジャーとか周りの関係者の方がすごい焼き付いていて。自分はどちらかというと、そういう方々にもう一回そういう風に喜んでほしいなと思ってやっていますね。
ー高校時代に「大学でボートはやらない」と発言していたが、大学でも続けようと決めた理由
高校時代の友達でボートに興味がある子がいて、その子が練習一人で行くの怖いから一緒に来てくれみたいに言われて。自分は新歓の練習に行ったんですよ。新歓は高校のころから先輩に新歓一回来てねみたいに言われてたので。それで参加して当然入る気なくて日立明とかも後輩が出てたので観に行って。それでも入る気はなくて、そこで入部宣言とかあったんですけど自分は絶対しなくて。その後に体験練習コーナーみたいのがあって、その後そこでさっき言った友達が寂しいから来てくれみたいに言って、何回か自分も参加しました。それでその友達が結局アメリカンフットボール部に入部しちゃったんですよ。その頃には練習会何回も参加してるから入部するでしょ?みたいな雰囲気が出来上がってて。まぁでも自分はもともと寮生活とかも抵抗なくて、親はボート部入部に賛成だったので、けっこうボート部は寮生活がネックとか親の反対とか寮費がかかるとかがネックで入部に踏み切れない子がいるんですけど、別にボートやってたし、お金とかも心配ない家庭に生まれたし、こっから辞めずらいなーみたいな感じで、入りたい理由があって入部したというよりは理由がなくてここまで続いてきたという感じですね。
ーその時の決断を振り返って
よかったんじゃないですか?やっぱり。やってなかったときの自分が想像できないし。元々大学で何しようとかが無かったので。まぁそれでもやっぱり良かったと思いますね。
ーあと3試合で大学競技人生が終わるが
ちょっと寂しさみたいなのはまだ来ないですね。全日本終わったら、あとインカレかーってなるんですけど、まだ全日本までのワクワクと自分の就活の行く末にあるので、まだそこまで寂しいなと思わないですけど、後輩の方が寂しいなと思ってくれていて。それはありがたいですよね。
ー残りの競技生活をどういった意識で取り組みたいか
最上級生の役割としては部をまとめるとかもあるんですけど、やっぱり先輩から受けたものを繋ぐというのが、この集団の中で自分は伝統とか歴史とかをバカにしてそんなのいらねぇよと言う人もいるかもしれないんですけど自分は大事だなと思ってるので自分たちが変えた伝統とかあるんですけど、それを含めて後輩達に先輩たちがしてきたことを自分たちもやるということを凄い重要だと思いますし、後輩もどんどん優秀になっていってるので。自分たちは教わらないと出来ないっていう感じだったんですけど、教えなくても自分で調べたり考えたりする一面があるので、すごく後輩に指導するとかはあんまりなくて。安心して楽しく指導とかもせずに過ごせるのはありがたいです。
ーボートは楽しむものか
そうですね。やっぱり楽しまないと続かないっていうのが自分の中であるので。自分は寮生活の中で人間関係が辛いと思ったことないし、ボートやってて辛いって思ったこともないので。楽しむことと、自分に期待し過ぎないことが自分の中で重要だと思っています。ボートも寮生活も楽しむのが一番かなと思います。
いよいよ全日本選手権が明日開幕する。本気で優勝を狙えるクルーを作るため、例年なら出場できる選手も今年は出場できない。出れない選手もいる。その者たちの想いを胸に抱き、日本一を狙いに行く。
(5月22日 取材・編集 渡邊大樹)