【ボート部】「必ず優勝します」。全日本選手権直前インタビュー(主将・滝島)


学生、社会人が参加し、ボート競技の日本一を決める全日本選手権が23日から開幕する。例年は9月ごろ、インカレ後に開催され1年を締めくくる大会であったが、今年はインカレ前の5月に開催される。そんな大一番を直前に控えた立大ボート部主将・滝島(文4)に心境を伺った。

―出場種目は
舵手なしフォアという4人乗りの種目で、立大が対抗種目っていう、その部のトップの選手をのせている船で、勝ってきている種目で今年も出ることになりました。

―舵手なしフォアには去年も乗っていた
はい、去年も私は乗っていましたね。3年前に全日本選手権で優勝したのもその種目でやっぱりこの種目でということでこの種目になりました。

―どの種目に誰が出るかは誰が決めているのか
主にコーチが、コーチの方が二人いるんですけど、そのコーチの方と監督も少し入ったりして3人で決めます。その決め方は陸上でエルゴっていうマシーンがあるんですけど、あのマシーンで2000mのタイムトライアルっていうメニューがあるんですけど、そのタイムが速い人上4人が乗れるっていうことになっていて、そこに乗るのをみんな目指してやっているっていう形です。

―自分もフォアに出たいという思いは強かったか
そうですね、やっぱり。3年前に全日本選手権優勝したときは私が1年生の時だったんですね。その1年生の時に、4年生、一番上の先輩が優勝したのを岸で見ていて、自分も絶対乗りたいなって、この船で先輩たちみたいに勝ちたいなっていうことをずっと思っていたので。2年生の時は乗れなかったんですけど、3年生のインカレと全日本で乗れて、で4年生の全日本も乗れることになり、一安心というか。ようやく先輩たちの背中を追えるなという形になりました。

―フォアでの目標
もちろん全日本選手権優勝ですね。その先輩たちはかなり強かった代なので、全日本選手権なので社会人とか実業団のトップレベルの選手も出てくる大会なのですごく難しい、勝つとか優勝は難しいとはわかっているのですが、それでも。去年のインカレで準優勝した4人なので今回出るのが。十分優勝を狙えるクルーというか4人であると思うので、全日本選手権は今回優勝を目指しています。

―目指すにあたってのライバルは
実業団ですと、三軒隣のNTT東日本っていうチームが実業団の中だったらトップというか一番強いところで、やっぱり強い選手が出てくるなっていうのが、まだメンバーはわからないんですけど、強いなっていうところと、大学でいうと仙台大学とか明治大学とか。去年インカレで負けたのも明治大学なので。中央大学とかも舵手なしフォア早いイメージがあるので、その辺もライバルというか、注意しなきゃいけない相手だなと思っています。
―インカレの悔しさを晴らしたい
そうですね。インカレで準優勝で、全日本選手権は去年5位だったんですよ。その5位だったのをインカレと同じメンバーではいけなくて、一人一つ下の石政(法3)が腰を怪我してしまって変わったんですよ。一人変わって去年の全日本選手権は5位だったので、石政が乗っていたらという気持ちも去年持ちながら、決勝も行けず順位決定戦の方に回ってしまって、順位決定戦1位だったので、全体では5位だったんですが。その悔しさというかこの4人なら去年も決勝行けたなというのは思っていたので、今年こそ全日本選手権はこの4人でっていう、かつ優勝を目指すっていう風に思っています。

―自身の調子は
最近調子も良くというか体のキレというか。私は正直常に良いコンディションでいられるので、どちらかと言ったらその一つ下の3年生が二人、石政と山口(観3)が乗っているんですけど、その2人が腰だったりあばらだったり少し怪我をしている状況なので、その2人を支えて行けたらなと思っています。

―昨年までより大会の開催が早いが
4月15日に日立明三大学レガッタがあって、そこから1ヶ月とちょっとくらいだったので。日立明はエイトで出たんですけど、そこから4人乗りになってていうところが練習期間が今回短かったので、そこでの調整がかなり難しい。今もそうなんですけど、あまりうまくいっていなくて。去年は日立明のあとは9月の頭のインカレまで長く期間があったので、練習期間が長く取れてだんだんと完成度も高く持って行けていたのですが、やっぱり1ヶ月とちょっとしかないっていう中で去年と同じくらいのパフォーマンスを出すというのが今ちょっと難しくて。去年と同じパフォーマンスを出すようにするのが今すごく難しいですね。去年これくらいできたとしたらまだ半分もいけてないくらい。8人乗りと4人乗りっていうのは漕ぎ方とか船の進め方も少し違ってくるので。4人でまた、4人乗りの呼吸をして、4人でまた漕ぎを合わせてっていうところがまだうまくできていない状況なので。やっぱり5月に全日本選手権きちゃったのは結構厳しいですね。

―全日本に向けて部の目標は
今年は、壁に書いてあるんですけど、インカレと全日本が一番大きい大会なんですね、その二つの大会で出場する全クルーが入賞。入賞って8位以上なんですけど、最終日に行けるのが決勝4クルー、順位決定4クルーなので、最終日に行ければ8位以内には入るっていう。なので出場する全クルーが入賞を目指すっていうのが今年の目標ですね。全日本、インカレ、両方です。かつ男女優勝っていうのも入っているんですけど、男子だったら私たち舵手なしフォア、女子だったら今年はおそらくエイトだと思うんですけど、トップクルーは優勝を目指すっていうところを目指しています。

―部の雰囲気は
今年は出場するタイムも結構厳しくなったんですよ。さっき言ったエルゴの2000mの計測があるんですけど、このタイムをクリアしないと出れないっていうのが前もあったんですけど、それがまた厳しくなって、大会全体として。軽量級とオープンとあるんですけど、72キロ以上か以下かみたいなのがあるんですけど、今までは7分・・・だいたい7分切ったら速いくらいなんですね。6分45は目指そうくらいな感じなんですけど、今年のオープンだったら6分40を切らないと出れないとか。結構厳しい基準を設けられてしまって。そもそも立教大学のボート部もそこの基準をクリアしているのが正直10人いるかどうかで、軽量級が6分50で10秒ちょっと緩いんですけど、体重が軽い分。なのでそこの基準をクリアしているのがオープンと軽量級合わせても20人に満たないくらいなので、かなりそこでも出れる人数が絞られてしまって。出るクルーは基準をクリアしていて目標に掲げた入賞を目指して行けるクルーであるとは思いますね。

―なぜ基準が変わった
この基準になりますみたいな要項が来て。(―いきなり?)そうです。例年だと1年生とか2年生とかも出れる種目はたくさんあったので、この種目で1年生固めて出そうっていうのもあったんですけど、1年生は基準を切れてない子がほとんどなので、今年だったらまだ全員切れていないので1年生が出れないっていう形になってしまったので。4年生でも2人ほど出れない選手がやっぱりいるので、結構厳しいなっていう感じですね。(―今までだったら出れた)そうですね、今までだったら出れたところが、タイムを切れている後輩と交代っていうことだったりで。(―それはショック)そうですね、私も心苦しいというか。最後の全日本選手権なので4年生は出したかったなっていう話はあるんですけど。残念ですね。

―そういう時主将として大変なことはあったか
ちょっと落ち込んじゃうというか気持ちが折れちゃうというか子もいたので、同期にも後輩にもいたのでそういう子に個人的に話はしたり、ちょっと恥ずかしいんですけど笑、ここは終わりじゃないからっていう話はしたので。後輩だったら来年再来年があるし、大会に出ることが全てではないっていうのは出れない選手に話しはしたりして。大会期間にもサポートだったりとか、大会に出れる人たちへのサポートとかもあるのでそちらで頑張ってというか、何かやれることを、最後のインカレは出れると思うのでインカレは最後締めくくれるようにこの期間頑張って欲しいなと思いますね。

―主将として過ごした半年を振り返って
私はそんなに表立って引っ張っていくタイプじゃないんですよね、どっちかって言ったら。俺についてこいみたいなタイプじゃなくて。どっちかって言ったらみんなんで納得して進めたいなというか、独裁的というか俺についてこいじゃなくて、みんなでこういう風にしていうこうよみたいな、支えるというか。みんなが過ごしやすいようなというか。みんなが納得していろんなことを進めて行ける集団にしたいなっていうのを首相になったとき思ったので。私が引っ張らなきゃいけない時もあるんですが、どっちかって言ったら部員のみんなとコミュニケーションをというか、部員が考えていることを把握して、全員が納得できる方向にいけるようにっていうのを意識してやって来ましたね。大変でしたけどね(笑)。柄じゃないので、主将とかは。

ー3つ上の先輩が印象深いようだが
そうですね。すごかったですね。一番強かった4人が同じ舵手なしフォアっていう種目に乗っていたんですけど、それ以外のクルーもみんなが同じ方向を向けていたというか、強い人達だけになっていない感じがすごくあって、みんなで戦おうぜみたいな感じを、4年生が目指しているところがあってそれに3年生がついていって2年生もついていって1年生もそれを見てっていう形になっていて、すごくいい集団だなと1年生ながらにしてずっと思っていて。わたしも集団としての理想はそこだなと思っていて。4年生が団結して同じ方向というか同じところに進んでいく姿を見せて、3年生が2年生がって後輩をついてこさせるっていうのがすごくいい環境というか。競技面もそうなんですけど、生活面もあの人たちに近づきたいなのをずっと思ってやっていますね。

―その方々が優勝したフォアや全日本には思い入れも強いか
そうですね。1年生の時にいつか先輩たちみたいにこの4人乗りで大会に出て見たいなっていうのは思っていた。まあレベル差もまだわかっていなかったので、ただ漠然といつか乗ってみたいなと思っていたので。なので、去年のってみないかとコーチから言っていただいた時はすごいやっぱり。吉田(営4)なんかは2年生から乗っていたのですごい羨ましかったですし、その分3年生でのれてやっとっていう思いがありました。

―フォアの中で自分の役割は
クルーリーダーを務めているので4人をまとめて日々練習していく中でここを意識しようとかここから合わせて行こうという話をミーティンで練習する前にして、練習上がった後どうだったなみたいな感じで、練習終わった後もミーティングはするんですけど、そこで4人の考えをすり合わせてっていうのが一つですね。あとは、今の4人乗りの並び順が前二人が3年生で、後ろ二人が4年生で、一番後ろが吉田なんですけど、その手前がわたしで、前二人が3年生なので、後ろから支えてっていう感じで、後ろからも声をかけられるように、リラックスしてとかまたここからやって行こうとか水上でも常に意識させるところとか。あとは、失敗した瞬間でもすぐ切り替えられるように声をかけたりということは自分の役目かなという風には思っています。去年からそれはやっていたんですけど。っていう形でマネジメントというか、クルーをよくしていくっていうようには常に練習中も練習前でも後でも全員心がけてやっています。

―エイトなどで女子の活躍が光っているが男子として悔しいとかは
日立明は男子エイトは20何年くらい負け続けているので。男子エイトに関しては、この前のが63回目の大会だったんですけど、確か第2回くらいからは優勝はしていない。2位とかはあったんですけど優勝はしてなくて、日大さんと明治さんがものすごく強くて、私たちのレベルもあれなんですけど、強いので、この前どうしても勝ちたい気持ちはもちろんあったんですけど、8人乗りだとまだ力は及ばず、それこそまだ立教大学ボート部には8人トップレベルで戦える選手がまだいないなっていう状況で。なので8人のりからは避けて4人のりで戦うっていう状況でもあるので男子種目は特に。そうですね、日立明で男子がエイトで勝つには遠いですかね。女子はずっと勝っているのがもちろんうれしいんですけど、悔しい思いももちろんあって。うーん・・・悔しいですね。悔しいです。女子だけ勝っているっていうのは。

―最後の全日本向けた意気込みを
まあまずはもちろん一番最初に話した通り優勝目指しています。舵手なしフォアで。かつ、出場する全クルーが8位以上を目指して行けるクルーであって今練習もしているので。男子の舵手なしフォアと女子エイトは優勝、ほかのクルーは8位以上入賞を目指して、必ず行けると思うので、そこを目指して頑張ります。

―滝島さんご自身としては
んー断言したいところではあるんですけど、んーまあ、ちょっと不安もないことはないんですけれども、やっぱり去年のインカレで戦った4人なのでいいレースできたなっていう感触は去年持っているのでこの4人なら一週間で優勝できるレベルまで持って行けると思うので。必ず優勝を目指して・・・いや、必ず優勝します。

昨年悔しい思いをした滝島。主将として、1人のクルーとして雪辱を果たすため、立大にとっては“華”の対抗種目、舵手なしフォアで日本一を目指す。(5月22日 取材・洞内美帆/編集・渡邊大樹)

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