【野球部】“精密機械”田中誠也躍動!強力法大打線を9回2失点に抑え、「最後まで粘り強く投げられて良かった」 打撃陣も8安打3得点と復調の兆し
◆2019東京六大学野球春季リーグ戦◆
5月4日 対法大 明治神宮球場
守備位置 | 選手名・学年・出身校 | 打数 | 安打 | 打点 |
[8] | 宮崎仁(コ1=大阪桐蔭) | 4 | 2 | 2 |
[4] | 江藤(済4=東海大菅生) | 4 | 0 | 0 |
[5] | 柴田(社1=札幌第一) | 4 | 2 | 0 |
5 | 敷名(社3=神戸国際大附) | 0 | 0 | 0 |
[3] | 山田(コ1=大阪桐蔭) | 4 | 0 | 0 |
[7] | 三井(コ3=大阪桐蔭) | 4 | 1 | 1 |
[2] | 藤野(営4=川越東) | 3 | 0 | 0 |
[9] | 中嶋(コ3=佼成学園) | 3 | 1 | 0 |
[1] | 田中誠(コ4=大阪桐蔭) | 3 | 1 | 0 |
[6] | 笠井(済4=桐蔭学園) | 2 | 1 | 0 |
投手成績
選手名・学年・出身校 | 投球回 | 球数 | 被安打 | 奪三振 | 与四死球 | 自責点 |
田中誠(コ4=大阪桐蔭) | 9 | 144 | 7 | 4 | 4 | 2 |
審判団とマウンドに深々と礼をしてから、試合に臨む。いつも通りのルーティンを行いマウンドに立ったのは、ここまで全カードで1回戦の先発を任されている田中誠(コ4=大阪桐蔭)。六大学の中でも屈指の打撃力を誇る法大打線を、変化球中心の配球で9回2失点に封じ込めた。エースの力投に感化され、ここ数試合沈黙が続いた打撃陣も8安打3得点と復調。慶大・明大に敗れ優勝が遠のいた立大だったが、選手たちは後ろを向いてなどいない。そう感じさせてくれる試合内容だった。
先制の一撃を放ったのは、3試合ぶりのスタメン出場となる三井(コ3=大阪桐蔭)。放たれた打球は烈火のごとく加速し、あっという間にライトフェンスを強襲した。二塁ベースに到達した三井は両腕を高々と突き上げ、喜びを体いっぱいに表現。試合後には、「すごく楽しめた。前向きに本当に勝負が楽しめた」と満面の笑顔で振り返った。
関西からやって来た新星が、気温的にも試合内容的にも、熱気は最高潮になった神宮球場で光り輝いた。一死二、三塁で打席に立った宮﨑(コ1=大阪桐蔭)は、5球目の変化球をバシッと一叩き。打球は三遊間を抜け、勝ち越しの2点適時打となった。同じ高校の先輩である田中誠を「勝たせてあげたい」。後輩の強い想いが、エース、そしてチームを救援した瞬間だった。
1点差で迎えた6回無死一三塁。絵に描いたようなピンチだ。だが、これまで幾度もの窮地を乗り越えてきた最上級生投手に、焦りなどなかった。「焦りではなく、どうアウトを取るかを考えていた」。ゾーンの角をダーツのように射止めていく正確無比な投球で、アウトを着実に獲得。二飛、三飛、三直で三者凡退に抑え、絶体絶命のピンチを切り抜けた。
この春からグローブを新しくした田中誠。そこには「圧倒的 絶対的」、「魂」と刺繍が施されている。「(刺繍について)『圧倒的絶対的』は手塚(コ4=福島)と同じもので、『魂』は自分の好きな言葉です。そういう結果を求めて頑張りたいと思っています」。
圧倒的な存在感と投球術でチームを牽引する絶対的エースは、よく吠える。燃える魂むき出しでマウンドに立ち続ける彼だからこその行動なのだろう。「ガッツポーズは自然と出ます。嬉しいんで(笑)」。次に18番がマウンドに立つ時、神宮球場に雄叫びはこだまするのだろうか。耳を澄まして、グラウンドへ向かいたい。
(5月4日・合田拓斗)
試合開始前には、「障害者地域活動センターふらっと」の中島敦さん・百石千純さんによる始球式が行われた。2人がグラウンドに入場すると、会場はあたたかい拍手に包まれた。田中誠は「野球でたくさんの人が繋がって、立大を応援してくださっているということに本当に感謝しています」とコメントした。
◆コメント◆
9回を2失点に抑え、チームを勝利へ導いたエース・田中誠#18
(法大打線は)本当に強力でしたが、最後まで粘り強く投げられたので良かったです。(優勝は厳しい状況だが)せっかく戦うのに思いきってやらないと後悔すると思います。自信を持って、自分の投げたい球、抑えたい球を藤野と話して投げることに意味があると思うので、思いきってやっています。
先制タイムリーを放った三井#9
久しぶりの勝利に自分も貢献できたことはすごく嬉しいことです。チームに迷惑ばかりかけていたので、ちょっとでも返せたらという思いでいっぱいでした。(タイムリーは)やはり嬉しかったです。ベンチが喜んでいたら自分も嬉しいので、打って良かったなと思いました。
今季、チャンスメーカーとして目をみはる活躍を見せる柴田(社1=札幌一)#20
初回の鈴木投手からの安打の時には、追い込まれていたので、なんとかつなげようと思っていました。低めの変化球にフィット出来たので良かったです。(打撃での対策では)ひとりひとりの傾向を掴み、守備位置を変えていました。併殺などを取れたので良かったです。
初回には左前安打で先制の起点を作り出した宮﨑仁#24
誠也さんがずっと良いピッチングをしてくれていたので、何とか勝たせてあげたいという気持ちでやっていました。(初回の安打に関しては)甘い球を狙って振る準備はずっとしていました。結果的にヒットが出て良かったです。