【サッカー部】 加藤、関東2部5位導いた“オレ流”
「関東リーグから落ちるわけにはいかない」
41年ぶりの関東の舞台で堂々の5位。前半戦は7連勝で首位を快走し、関東2部リーグ最大の驚きを提供した。主将・加藤(コ4)はシーズンを終え、穏やかな表情で「後輩に何か残せたという面では、大きいと思います」。
昨年の昇格決定戦。約半世紀ぶりの快挙にわくチームに1人プレッシャーを感じていた。「自分たちの代で関東リーグから落ちるわけにはいかない」。2年次からレギュラーとして活躍をするも、3年次の開幕前に肩の脱臼で手術、1年間試合に出場することができなかった。関東リーグで迎えた今シーズン。怪我の間に台頭した井浦(済3)と井上(法4)の牙城を崩すことができず、リーグ戦出場は4試合、スタメン出場は1試合のみ。プレイヤーとしては悔しい結果に終わった。
「先頭に立ってスタメンに立っている選手を鼓舞したり、ベンチに入っていない選手、ベンチの選手を鼓舞するという意味ではすごく大きな役割をできた」と選手としてではなく、主将としての充実感を真っ先に語った。目指したのは日本プロ野球で唯一の3度の三冠王に輝き、監督としても4度のリーグ優勝を達成した落合博満。寡黙だが愛のあるリーダーを目指した。開幕弾を決めるもその後ベンチ外もあった佐藤大(コ3)には「こんなところでくすぶる選手ではないだろ」と声をかけた。
「さりげない言葉をかけるのが役割」
二人三脚でチームを引っ張った。副将・井上は加藤がベンチに座る試合でキャプテンマークを巻いた。「俺が先頭を突っ走ってやる」。CBながらチームの最多得点を挙げ、攻守の要として活躍した。その井上は「(加藤は)後ろから見て全員をちゃんと見る。人に気配りするっていうのは陽介ほど優れている人はいない」。先頭で走るゲームキャプテンと、後ろから支えるチームキャプテン。2人の“主将”がチーム躍進の立役者だった。
あの落合博満は、監督に就任した2004年、開幕戦で3シーズン故障の影響で投げられなかった川崎憲次郎を開幕投手に起用した。「選手の背中を押してやることが、監督の仕事だろう」。
加藤は言った「ベンチの選手をいかに盛り立てて試合に送り出していくかとか、試合に出ている選手に対してもあと何分だから頑張れよとかさりげない言葉をかけるのが役割だと思う」。選手の背中を押してやることが主将の仕事。それが加藤のオレ流だ。
(3月30日・大場暁登)