【柔道部】体格差のある拓大相手に健闘するも、逆転負けを許し3位入賞

◆平成30年度第60回東京学生柔道二部優勝大会◆

11月18日 講道館

 現在二部にいる立大柔道部は、昇格を目標に日々練習している。この日は二部で順位を決める重要な大会である。団体戦である今大会では、一大学につき7人が出場し、勝ち数の多い大学が勝利となる。
1戦目、2戦目は難なく白星を挙げたものの、勝負の3戦目では逆転負けを喫し、昨年同様3位入賞という結果に終わった。

相手をひっかけ倒す矢城(社4)

「満足はしていないんですけど、3位という結果は最低限という感じです。」試合後、次期主将の酒井(社3)はそう語った。今年こそ優勝をと意気込んでいたからこそ、悔しい結果だった。
1、2戦目は落とせない試合であった。東経大相手に5勝2引き分けという好成績で1戦目を終えた立大は、続く2戦目も危なげなく勝利。準決勝へと駒を進めた。準決勝の相手は格上の拓大。初戦は1年生ながら、今大会すべてに出場している期待の新人塩谷(法1)である。3分間は両者一歩も譲らず、一進一退の攻防を繰り広げた。多くの観客が見守る中、ついに残り38秒で塩谷の技ありが決まった。さらに残り一秒で塩谷が一本を決め、立大の一本勝ち。「一本」という声が響き渡ると、会場から大きな歓声が上がった。
続く長谷川(コ2)が更に立大を勢いづかせる。開始たったの42秒で一本を勝ちとり、立大が二勝し優勢となった。第三戦、第四戦はともに0-0の引き分けとなり、勝負の行方は残り三戦に持ち越された。次の選手は塩谷同様実力のある新人、戸邊(営1)である。だが、相手も簡単に勝ちを譲る相手ではない。一本を取られてしまった。

拓大の後続2人は明らかに体格が大きく、観客席から「立大もう無理だろう」という声が聞こえた。だが、立大はあきらめなかった。
6試合目に出場したのは主将・青木(営4)。相手に果敢に立ち向かうも、28秒で一本をとられてしまった。どちらも2勝2敗2引き分けという互角の戦い。勝負の行方は互いに大将の手に委ねられた。
拓大の大将はその日の大会で一、二を争う体格の持ち主。対する立大の矢城(社4)は小柄な体型を活かし、様々なテクニックを繰り出すことを得意としている選手である。体格の差は明らか。厳しい試合展開になることは歴然だったが、矢城は最後まで引き下がらず粘り強く戦った。相手の足めがけて倒されまいとしがみつくも、敗戦。体重が倍に近い選手に対し健闘したが、白星を挙げることはできなかった。逆転負けで準決勝敗退となった立大。試合後、選手達は悔しさを隠しきれず涙を流した。

今大会で4年生は引退となり、次の大会からは新チームとなる。新チームのキャプテン酒井は「どこよりもチーム力のあるチームにしたいです。」とすでに次の試合へと気持ちを切り替えていた。「目標である一部昇格、全国大会出場をしたい」。
実力のある1年生も加わり、来年度は更なる躍進が期待できる。チーム力で圧倒し、一部昇格。悲願の目標達成のため、今後も柔道部の戦いは続く。

(11月26日・中村このみ)

♢コメント♢
今回の試合で引退となった主将・青木

―今日が学生最後の試合でしたが、終えて率直な感想を
一番チームにとって良い形が出せたので、最後負けてしまったけど納得のいく試合だったと思います

―良い形というのは
ポイントゲッターの長谷川を中心に誰が引き分けて誰が負けるかみたいなのを考えた時に、前の方がとって、後ろのほうが引き分けてっていう勝負で最後はチームを組んで、一回戦とか2回戦はあまり強くない相手だったのでそこを敢えてとる人と引き分ける人交互に組み立てて、それが上手く作用して3位まで行けたので良かったです

―一戦目二戦目自身の戦いを振り返って
一戦目は緊張したが、チームのメンバーも勝ってて価値が決まっている状態だったのでリラックスして臨めました 二戦目は大将で自分が勝つか負けるかでチームの勝敗も決まるっていう場面で、少し気合を入れて、その結果上手く勝ちにつながったので良かったです

―惜しくも決勝進出ならなかったが
本当に悔しかったですね、あとちょっとっていうところだったので、その分口惜しさが大きかったんですけど、その悔しさは来年に晴らしてほしいです

―主将を務めていらしたが、どういうことをチームにしてきたか
基本的に部員を自由にしてきました あまり縛らずに敢えて自分で考えて自分で強くなってくれるように、自由に何かやりたいことがあったら許可をとらせてオッケーを出して自由にやってました

―今年度は主将から見てどういうチームか
難しいなあ(笑)まあでも、考えられるメンバーがそろっていたと思います 去年は強い選手がいっぱいいて、強い人がとって、っていう試合が多かったですけど、今年はそういう選手が少なかったので、自分たちで考えて工夫しながら一つずつ積み重ねていったチームだと思います

―団結力については
団結力も、10人しかいなかったので、1人1人がチームのためにという強い意識を感じるチームでした

―この四年間で一番つらかったこと
一年生のとき、はじめて武道館で試合に出た時に負けてしまって、当時の主将に厳しく叱咤激励を受けた時が一番つらかったですね かなり厳しく言われて、今思えばその四年生が起こってくれたっていうのが、四年の立場になってすごく後輩のためを思ったことをしてくれたなって思って、感謝の気持ちなんですけど、当時はすごくつらかったです

―四年間で一番うれしかったこと
想い出に残っているのは練習とか全部ですね 敢えて一番を選ぶとしたら、今日の2回戦とかは一番クラスで良かったですね 今まで大将で、自分で勝負が決まるっていうのは初めての経験だったので、そこで結果を出せたのは、結構今まで大将自分が立つっていうのはあったんですけど、その成果が出たかなって思いますね

―この一年間はリーダーとして引っ張ってきた、自分自身で自分はどのようなリーダーだったと思うか
すごく自由にさせるリーダーだったと思いますね 全然怒ったりも、細かいこと言ったりもせずに、敢えてなのかそういう人柄なのかはわかりませんが、まあ自分で成長してもらいたいっていうのがあって、やらされてやる練習より自らやる練習の方がためになると思って、せっかく大学まで柔道やっているっていうならそういう風になってほしくて、まあ敢えてそういう形でチャレンジしようかなと思って自由にさせていました

―同期はどういう存在
頼れる同期でしたね 個性は強かったんですけどいざっていう時は頼りになりますし、試合とかだったら打ち込みのパートナーが矢城だったんですけど、対象を任せられるっていうほど信頼してました

―青木さんにとって柔道とは
唯一結構生きていく中で、自分を制約して生きていくじゃないですか。その中で柔道は唯一自由に戦える、己の本能を出せるところだったと思いますね

次期主将・酒井
―今日の試合の自分の結果について
自分の結果は今ひとつで、最初の方はちょっと立てないのが続いて、準決勝ではなんとか引き分けだったんですけど、そこが勝ってたら勝てた試合だったので、もうちょいできたかなという感じです。

―対戦相手について
1.2回戦は勝てる相手で、準決勝は相手の方が格上で、全国大会でも何回か勝っている選手なので、そこを、取れるように次は頑張りたいです。

―チームとしての3位という結果について
昨年3位で、今年こそはとってやろうという気持ちだったんですけど、3位というのは満足はできないんですけど、最低限という感じです。

―次の試合について
四年生いなくなるので、新チームとして自分が引っ張っていくじゃ無いですけど、チーム全体をまとめて、一人一人が仕事をできれば全国しばらく出ていないんですけど全体にでれたり、一部に上がれたりすると思うので、一部昇格全国出場を目指しています。

―新主将としての目標
どこのチームよりチーム力のあるチームにしたいです。自分の中だけですけど、誰がとって誰が負けてとかじゃなくて、全員で一つの価値を目指して戦えるようなチームを作っていきたいです。団結力みたいな感じですね。

―四年生の存在
高校からずっとやってきているので、先輩なんですけど兄弟みたいに近い関係だったので、大好きな先輩が引退っていうことで寂しいんですけど、結果とかは引退した先輩とかobの人のも抜くとので、結果で俺らがいなくてもできてるんだなって思ってもらえるように自分たちで頑張っていかないとなというふうに感じています。

関連記事一覧