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【ホッケー部男子】昨春ぶりに、2部優勝!!!同点で4Qを終え、SO戦にもつれ込む緊張の1戦に。優勝の瞬間、選手たちはフィールドを駆けた/秋季リーグ2部決勝戦

◆平成30年度関東学生秋季ホッケーリーグ戦2部 決勝戦◆

11月18日 対一橋大 駿河台大ホッケー場

栗田(文1)がゴールを決め、ガッツポーズを見せる。その瞬間、選手たちは駆けだした。昨春ぶりに、ここ8年で2度目の2部優勝を決めた!!しかし、快挙までの道のりは、実に長かったーー。

“先制点”が大きい試合

優勝決定戦の相手は、春に0-5と大敗を喫した一橋大。秋季2戦目には同点に終わった苦い相手だ。リーグ戦や練習試合を通じて、相手の戦術や選手への理解が「深まっていた」(中田=文4)。
その状態で迎えた第1Q、立大は攻めあがった。試合開始11分、立大がPCを獲得すると、中田のアシストで平澤(コ2)がタッチで決め1-0に。「PCで入れられたのは大きい」と武田(文3)。流れは立大にあった。

中田のアシストで得点を決めた平澤(写真中央)。喜びをあらわにした【撮影・小林桂子】

第2Q、一橋サイドがPCを獲得。ディフェンス陣やキーパーの浅野(社3)が、ナイスセーブを見せ危機を逃れるも、2度目のPCで得点を決められ同点となる。

相手に戦術を見破られ、一橋大も戦術を変えてきた。前半終了後の休憩時間に軌道修正し、挑んだ第3Qで田沢(コ3)が見せた。一橋大が攻撃を続ける中、自主練で完成度を高めていたリバースヒットでゴールを揺らし2-1に。「今回は先制点が大きい」(武田=文3)。1点の余裕が、自信につながった。

第3Qで得点を決めた田沢。喜びを爆発させた【撮影・小林桂子】

しかし、4Qに追加点を決められ、同点で試合終了。チームとしては、フィールドで勝ち切りたかった。主将・中田を始め、選手たちは肩を落とした。同点の場合は、サッカーでいうPK戦にあたるSO戦になる。フィールドが緊張に包まれた。

SO戦と立大

SO戦は、立大にとって印象深い思い出が多い。昨春の東大との優勝決定戦、そして昨秋の入れ替え戦出場をかけた一戦。命運がかかる試合でいつもSO戦にもつれ込んだ。だからこそ、「SO戦になるのも念頭にいれていた」(武田=文3)。主将・中田や武田は、もしもに備えていた。

ゴール前にいるSO戦メンバーを見守る選手たち。緊張が走った【撮影・小林桂子】

メンバーはポジションに関係なく5名選抜した。昨年のSO戦にも選抜され、ホッケー経験者で絶対的エースの主将・中田。今季3得点を決めた福田(法3)。春に1得点を決めフォワードとして活躍する飯塚(観2)。まさかのディフェンスからは、2年次から活躍を遂げる野路(社4)、飯能南高出身で埼玉県代表として国体にも出場した栗田(文1)が立った。

そして、キーパーとしてゴール前に向かったのは守護神・浅野(社3)ではなく意外な男だった。それは今季から、中盤からディフェンスに転身したフィールドプレーヤーの武田祥太(文3)だった。武田は、ホッケー名門・今市高でキーパーを務めていた。それだけに、「SOには自信があった」。6人に勝利の命運が託された。

SO戦でキーパーを務めた武田【撮影・小林桂子】

SO戦は、立大と一橋大が交互にシュートを決めていく。先行は、立大。0-1の状態で3番手の中田へ。勢いよく飛び出し、シュートを決めた。続く、4番手の栗田は地面に身体を刷りながら渾身の一球を打ち込む。この時点で2-2で同点。5番手が失点し、次に一橋大が決めれば優勝は消える。その場面で武田がナイスキープし、サドンデスへ。

4番手を務めた栗田。渾身の1点を決めた【撮影・小林桂子】

サドンデスで緊張感が高まる中で決めた主将・中田。笑顔を見せた。この時点で3-3、栗田に勝利を託す【撮影・小林桂子】

 一橋大が先制し、2-3で迎えた中田。チャンスを物にし、笑顔でチームの元に戻る。武田が好セーブで一橋大の追加点とはならず。そして、3-3で栗田へ。笛の音とともに駆けだした栗田がゴールを決め、ガッツポーズを見せると、チームは叫びながら走り出した。実に昨春ぶりの2部優勝だった。

2部優勝が決まった瞬間、選手たちはフィールドを駆けた。中心には、主将・中田と功労者の栗田がいた【撮影・小林桂子】

フィールド左から撮影した優勝の瞬間。主将・中田はベンチに向かって吠えた【撮影・桒原由佳】

フィールド右から撮影した優勝の瞬間。ゴールを守り抜いた武田に抱きつく4年生の熊田(済4=右から3人目)と野路(社4=写真中央)とディフェンス陣【撮影・小林桂子】

主将が見せた涙 長かった2部優勝への道のり

試合後、主将・中田は泣きながらチームメンバーそして同期と抱き合った。「4年生のみなさんが頑張ってまとめてくださったから優勝がある」(武田=文3)。2部優勝までの道のりは、実に長かった。

試合後、ゴールを守り続けた武田と抱擁をした主将・中田【撮影・小林桂子】

涙ながらに笑顔を浮かべる主将・中田【撮影・小林桂子】

昨年のチームは4年生が15人も在籍。一方で、今年はプレイヤーが3人、マネジャーが2人と少人数でのチーム運営が求められた。加えて、一度に抜けた主戦力。後輩たちはリーグ経験が少ないまま、戦力になることが不可欠であった。また春は、コミュニケーション不足でチーム作りが上手くいかず、チームは2部5位に。4季連続での入れ替え戦には踏み込めなかった。

2011年度から今年度までのリーグ戦結果一覧

チームと向き合った“夏”

転機は、夏に訪れた。学年に関係なくホッケーについて腹を割って話した。すると、春に比べ「勝ちへのモチベーション」が劇的に変わった。「このチームで優勝したいって思いが(春とは)違った」(中田)。中田自身も主将という部分から冷静さを取り戻し、「後輩の意見を聞いてチームに還元」した。絶対に勝つという思いで練習メニューを組み、1戦ごとに着実に成果は出た。それが、中田はただただ嬉しかった。

後輩も変わった。4年生を手助けするべく、「自分ができることを一生懸命やった」(武田)。戦術面では武田が、福田は声出しでチームを鼓舞するなどサポートをした。

また、各学年に頼れるタレントが揃ってきた。3年生には、武田、福田を始めディフェンスでは森川(済3)、今回の試合でも得点を決めた田沢(コ3)や添田(コ3)、そして守護神・浅野(社3)はリーグでなくてはならない存在になった。
平澤(コ2)や平居(観2)、飯塚(観2)、加藤(観2)が春秋で得点を決めるなど2年生も層が厚い。「1部レベルの選手」と武田も位置付ける栗田の存在もチームに刺激を与えた。立大のチーム力は、この1年で劇的に上がった。

試合後、ベンチに向かって笑顔で走ってきた選手たち。中には、涙を浮かべる選手も【撮影・桒原由佳】

今回の結果は、チームで掴んだものだった。中田ら4年生が中心となって、必死に作り上げたチームはフィールドで実を結んだ。1年エース・栗田も、「みんなで勝てた」と振り返る。周りの技術力でのカバー、選手の得点、鉄壁なディフェンス、後輩のサポート。互いの支えによって、今回の勝ちがある。
2部への道のりは実に長かった。その分、優勝の喜びは大きかった。
中田世代の実質引退は、あと少し。後輩たちは、中田たち4年生5人が見せた雄姿を引き継いでいくだろう。そして、中田世代を越える強いチームを体現していくはずだ。(11月23日 小林桂子)

◇過去の記事◇
3人の主将がフィールドでつなぐ1部への夢[季刊・立教に掲載]
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