【野球部】野球はツーアウトから!土壇場で起死回生の同点弾
◆平成30年度秋季フレッシュトーナメント◆
11月1日 東大戦 明治神宮野球場
フレッシュマンが神宮に集う4日間も最終日。ここまで1勝1敗の立大は慶大との3位決定戦に臨んだ。
初回から試合が動いた。先発は1年生左腕の川満(コ1=興南)。140キロ近い直球で押すも先頭打者の二塁打を皮切りに三連打を浴び、1点を失ってしまう。ここで立大ベンチは早くも千田(コ2=高田)にスイッチ。その後さらに1点を失うも、二回以降はランナーを出しつつもストレートとほぼ同じフォームで放たれるチェンジアップが冴えわたり空振りを量産。「ずっと練習してきた」というウイニングショットの威力はすさまじく、三回を投げ、奪った10個のアウトのうち5個が三振。反撃のリズムを整えた。
この日の立大は二死から粘る。千田の好投に応えたい三回、二死から太田英(コ1=智辯学園)が三塁線を破る二塁打を放つと、4番は期待を裏切らなかった。廣田龍(コ2=帝京)の打球は中堅手前へ。太田英が快足を飛ばしホームへ帰還。二人で1点を返した。
ドラマが待っていた。4回から登板しピンチを2つの三振で抑えた小幡(観1=立教池袋)だったが、5回慶大につかまり1点を失ってしまう。この日はなんと規定により6回が実質最終回となり、2点ビハインドで迎えることになった。先頭の廣田龍が右翼手前へはじき返し、全打席出塁を果たした。しかし後続が倒れ二死一塁。誰もが諦めかけたその時、この漢の目の炎は消えていなかった。昨春のリーグ戦で活躍していた宮(コ2=市立船橋)だ。「最後の回ってわかってたんで、繋げようって思いで打ちました」とコンパクトなスイングで打った6球目のチェンジアップの行方はまさかのホームラン。打撃を課題としてきたという彼は満面の笑みでダイヤモンドを一周。奇跡の同点ツーランで試合を振り出しに戻した立大は代打攻勢でまたも一二塁のチャンスを作る。ここで打席には途中出場で初球をとらえ1本のヒットを放っている高橋龍(観1=立教新座)が立つ。2球目をとらえ打球は投手の横を駆ける。しかし遊撃手のグローブに収まり、その後は裏を3人で抑え引き分けで試合終了。大逆転勝利とはならなかった。
同率3位と不完全燃焼だったかもしれないが、秋リーグ5位と揮わなかった立大にはうれしい収穫もあっただろう。このフレッシュトーナメントで現れた新風が長い冬を経て神宮に波乱を起こす人材へ化けることができるか。4年生が引退し主力がいなくなった穴を埋めるキーパーソンになるべく選手は間違いなくこの日グラウンドで戦っていたフレッシュマンたちだ。新生立教大学野球部はこの先どんな化学反応を起こすのか、目が離せない。
(11月3日・川田怜旺)