【スケート部スピード部門】ショートインカレ、渡邉が1000で4連覇、500も初Vでインカレ通算7個目の金 松山は500で銅

第91回日本学生氷上競技選手権大会ショートトラックスピードスケート部門

10月13日~14日 長野・帝産アイススケートトレーニングセンター

男子1000㍍で4連覇を決め、喜びを表す渡邉

インカレのショートトラック競技が13日と14日に行われ、渡邉瑠(済3)が男子500㍍と男子1000㍍の出場2種目で優勝した。500㍍は初出場で初制覇、1000㍍は大学1年次からの4連覇を達成した。最後のインカレで、通算7個目の金メダルを獲得。驚異のV率87.5%を記録した。また、松山雛子(社2)は女子500㍍で3位、女子1000㍍では準決勝敗退だった。スケート初心者のキムジョヨン(コ1)、木村翔(理1)はバッジテスト男子500㍍、1000㍍に出場、木村がE級を取得した。

最後はぶっちぎりの一人旅で、前人未到のV4を決めた。男子1000㍍決勝、渡邉は後続に20㍍ほどの差をつけてゴールラインを割ると、両手で「4」を作り、誇らしげに天に掲げた。溢れる気持ちを抑えきれず、ガッツポーズも止まらない。「4連覇がかかっていたので、変な緊張はあったが、自分の思い通りに優勝できて良かった」。ドヤ顔で、1年次から獲得し続けてきた1000㍍の金メダルを首に下げた。

男子1000㍍の表彰式、金メダルを首にかけてポーズをとる渡邉

モノが違った。1000㍍は予選から決勝まで1位でゴールイン。初出場の500㍍でも予選から最後まで1位で通過し、初優勝を飾った。インカレ通算の金メダル数は今大会で2つ追加され、7個目となったが、「去年は勝ち切れない1500とかもあって、優勝が当然だとは思ってなかった」。昨年は1年間休学していたため学年は3年のままで、規定により今大会が最後となる。通算8種目で、驚異のV率87.5という記録と共に、「インカレ渡邉伝説」が終幕した。

同じ場所で失意のどん底にいた。10月7日、8日に行われたW杯選考を兼ねた全日本距離別。シーズン最初にして最重要のレースで一度も決勝へ進めず、目標のW杯出場を逃した。最後の種目後にはベンチにタオルを投げ、うつむいた。1月にはフジテレビ「ミライ☆モンスター」に出演したほどの逸材が、「今シーズン辛くて。練習が楽しくなくて、こんな成績で北京五輪を目指しているなんて言えない」とさえこぼした。それでも、「ネガティブじゃショートトラックやっていけない」との宣言通り、気持ちを切り替えた。前を向き、1週間前とは違う笑顔を見せた。

学生最強を証明したいま、欲するのは世界での実績だ。11月には学生のオリンピック、ユニバーシアードの代表選考会に臨む。古屋由布子コーチは「自信を持ってできているので、私は成長していると思う。まだまだ成長過程」と期待を口にした。ラップが趣味の22歳は「世界に行くのは通過点に過ぎない」と、滑り同様に口も軽やかだった。(10月15日・浅野光青)

 

◆インカレに強い、V率は驚異の87.5%!!

2015→1000と1500で優勝

2016→1000と1500で優勝

2017→1000で優勝、1500で準決勝敗退

2018→500で優勝、1000で優勝

◆松山は500㍍で2年連続表彰台

松山は初日の女子500㍍で3位に入った。昨年の2位に続き、2年連続の表彰台となった。2日目の女子1000㍍は準決勝敗退だった。

女子500㍍で3位となり、銅メダルを手にした松山(右)

◆初の公式戦となった初心者の「キムキムコンビ」

木村「緊張して足が震えました。走る前のアップとか、初めてのことが多かったので勉強になりました。まずは(コーナーでの)クロスができるようにしたいです」

キム「(1000㍍では)500㍍でのミスを繰り返さないように頑張りました。実力が足りなくて、練習が必要だと思いました」

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