【陸上競技部】短距離から来た駅伝主将・池田 「踏み台にして来年こそは」

第24回関東大学女子駅伝対校選手権大会

9月30日 印西市千葉ニュータウン周回コース

昨年、あと一つ届かなかった全国女子駅伝へ。平均学年「2」の若いチームが臨む。台風が近づき、風や雨が荒れ狂う中でも折れない心で必死に前だけを目指した。

襷を渡す前田梅(法1=八王子)。受け取った池田(社4=埼玉栄は2区を走り始めた

1区は期待のルーキー・前田梅(法1=八王子)。先日の全日本インカレでは本調子でないながらも1500㍍で決勝まで僅かというところまでの結果を叩き出した実力者だ。そんな期待の新人はエース区間ながら全体で11位と1年生らしからぬ走りを見せ2区へタスキをリレーした。受け取った池田(社4=埼玉栄)は唯一の4年生。もともとは400㍍Hを専門とする短距離だったが練習を経て長距離選手にコンバートしての出場だった。もともと人柄が優れている彼女はこの1年で長距離パートにも欠かせない存在に。長身と短距離仕込みのスピードで何年も長距離を専門にしてきた選手たちに食らいついた。

襷を渡す小幡(済2=成田)。受け取った前田桃(文1=八王子)は4区を走り始めた

1つ順位を落としてしまったがなんとか堪え、3区の「2年生長距離3人娘」が1人小幡(済2=成田)に。3人娘のトップバッターは区間15位と苦戦を強いられるが順位は落とさずキープ。12位で前田姉妹の妹、前田桃(文1=八王子)へと繋いだ。桃香は喘息持ちというビハインドと戦いながらも姉・梅香とともに走り続けてきた。梅香が大学で陸上を続けるのも桃香の頑張りに感化されている部分が大きい。激走の末、13位で先輩たちの思いが染み込んだタスキをつなぐ。

襷を渡す金澤(文2=専修大松戸)。受け取った宮坂(法2=本庄東)は6区を走り始めた

5区、6区は3人娘の金澤(文2=専修大松戸)と宮坂(法2=本庄東)。宮坂の故障の影響でエントリーを入れ替えた3人娘だったが、その中でも各々が臨機応変に大勢を変え力強く前を追いかけた。「満足はしていない、不甲斐ない」と声をそろえる2年生たちであったが来年に向けた闘志は静かに瞳の奥にゆれていた。最終順位こそ13位だったが、可能性は大いに感じられた。「女子駅伝は力を入れた分の結果が如実にあらわれやすい」と言われている。今大会でもチーム育成がうまくいった大学ほど、昨年の大会からのランクアップが凄まじかった。来年のチーム方針次第では全日本の出場も届く距離に近づけるのかもしれない。

4年生である池田が試合後のミーティングで発した「今年を踏み台に」という言葉が胸を突き刺し、メンバーたちの涙が溢れる。若いチームにもかかわらず緊張感があったのは彼女の存在があってこそだった。世代が変わり、小幡は駅伝主将に任命された。偉大な先輩である出水田(17年度卒=第一生命)も届かなかった全国駅伝の舞台にたどり着けるのか。今後も目が離せない。

(10月10日 中野陽太)

◆結果一覧◆
1区(4.8km) 前田梅香 16分9秒  区間11位
2区(3.3km) 池田菜月 11分43秒  区間13位
3区(5.6km) 小畑美貴 20分5秒  区間15位
4区(3.9km) 前田桃香 14分26秒  区間14位
5区(6.7km) 金澤 結 24分7秒  区間12位
6区(5.6km) 宮坂朋実 20分15秒  区間12位
◆コメント◆
1区 前田梅香
今後どんな選手になっていきたいか
チームのエースになって来年も1区を走って絶対に入賞圏内の位置で渡して、1区からいいながれで最後まで繋げていきたいです

2区 池田菜月 元駅伝主将
—前日に泊まった時に言われたことは
応援に来てくれた男子の同期にも「頑張れ」ってメッセージをもらって。で、昨日誕生日だったんですよ。それで試合の前日に最悪の誕生日だなあ、って思ったんですけど、長距離のみんなからメッセージカードもらったりとか。あと、前も今も所属しているハードルパートがわざわざ卒業した先輩とか、私の仲がいい友達とか、高校の同期とか先輩後輩にも声をかけてくれて、ビデオメッセージというか、動画を作ってくれて。本当にすごく感動して…(笑)
—後輩に伝えたいことは
右も左もわからない先輩が途中から入ってきて。たくさん迷惑もかけたと思うんだけど、その中でも支えてくれて、こうやって駅伝の日を迎えられたことに感謝の気持ちを伝えたいですし、今年を踏み台にして、絶対にこのチームで杜の都に行って欲しい、ということを伝えたいです。

3区 小幡美貴 新駅伝主将
—ここから代も変わるがどのようなチームに
来年は絶対に杜の都に。これが1年で一番大きな目標になると思うんですけど、去年も一昨年も「杜の都に行きます」ということを言い続けてきたんですけど、行けなくて。このままだと来年も行けないので、立教の長距離変わったなと思ってもらえるようなチームにしていきたいですね

4区 前田桃香
ー池田さんの姿
短距離から長距離に来てくださって、駅伝主将っていうプレッシャーもあったと思うんですけど、池田さんは自分が不調の時に声をかけて下さって、逆に調子がいい時もすごい見ててくれて、「よく頑張ったね」って声をかけて下さったので、心の支えのような主将でした

5区 金澤 結
ー池田さんとの思い出は
めちゃくちゃ楽しくて!短距離から入ってきた時は練習もなかなかついていけなくて、二次合宿の時には体調が悪くなってしまったんですけど、本当に人柄が最高ですし、本当に長距離で頑張りたいという気持ちが伝わってきたので、先輩のためにも結果を残したいという気持ちでいっぱいでした。きてくれて本当に良かったです。

6区 宮坂朋実
ー怪我はどの部分を
初めは大腿四頭筋を怪我していて、治ったんですけどそこから膝が来ちゃって…。なんだかんだ2ヶ月くらい走れなくて9月6日くらいから練習をできるようになったので。
心肺機能が戻っていなくて、区間もだいたい決まっていたんですけど、直前で区間変更をして迷惑をかけてしまった。ほんと申し訳ない駅伝でした。練習できないとダメだということを改めて実感しました。

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